織江

尊敬、思慕、恋愛

性格備考

世の規範からは逸脱しない程度にのんびりと、自由に。治める審神者の気質どおり、本丸の日常は実にのどかで、いっそのんきな空気にすら包まれている。出陣や各種任務の折など随所で緊迫した雰囲気は感じられるものの、得てして凪ぐのも早いものだ。朗らかと呼ぶにはやや大人しいが、いつも柔和な佇まい。刀剣男士なる付喪神に対しては、就任当初こそ腰が引けておっかなびっくりな接しようではあったけれど、いだく畏敬はそのままに、いまでは肩の力もすっかり抜けて些かくだけた態度を取る。彼らに傅かれるというよりは、彼らを受けとめる鞘のような主になりたいと考えてはいるが、現実は仕事終わりのだらんとした脱力姿を窘められるという体たらく。世話を焼くつもりで焼かれていることのほうが圧倒的に多い。主導力には欠けるものの、代わりに縁の下で立ち回ることを本分としている。切り替えが早く、何事もくよくよと引き摺らないところが長所であると自負しているけれど、例外はたったひとつ。この心が焦がれてやまない、ひと振りの刀剣男士への想いだけ。普段は肴のほうを主役にゆったりお酒を楽しむが、緊張すると杯を重ねがち。酔うとさらに気の抜ける、笑い上戸だ。

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(しとしとと、雨のそぼ降る夜である。どうにも寝つけないうえに小腹も空いてきて、物音を潜めながら起き出してきたこの本丸の主は、ひとり厨に佇んでいた。点ける照明も最小限に、ごそごそと物色中の無警戒の背に掛けられるひょんな──「主さま?」)~~、ひゃッ!? ……ぁ、……もう。やぁだ、こんちゃん。びっくりした。(こんちゃん。すなわち、こんのすけ。すわ御用からのお説教かと縮み上がった全身は、振り返る先で目にした小さな姿に、ゆるゆると肩を落として息を吐く。こんな時間にこんな場所で探し物となれば、思い当たるのはひとつだろう。「主さま、つまみ食いはいけません!」。精いっぱい威儀を正そうと耳と尻尾をぴんと立てる姿は何とも愛らしいのだけれど、ここで告げ口をされてしまっては元の木阿弥。ゆえに、)……こんちゃん。いま、わたしが手に持っているものは、なんでしょう。(つい今し方、冷蔵庫から拝借したもの。黄金色に輝くそれを目にするなり、管狐の表情が変わる。)今夜のおつまみは、これを六つ切りにして、かりっと炙ったのちに刻み葱を乗せてお醤油を──(とまあ、そんな調子でこんのすけを買収し、ひとりと一匹はささやかな夜飲みへと洒落込むのだった。寝酒を習慣にするのはよくないと思う。でも、こんな雨夜には何かと物思いに耽りたくなるものだ。私室のちゃぶ台の向かいで器用に油揚げを頬張るさまをほほ笑ましく見守りつつ、いつしか意識は、脳裏を過ぎるひと振りの面影に惹き寄せられてゆく。)やっぱり、これって……恋、なのよねぇ。(ぽつり。不意にこぼれた呟きを、どう捉えたか。「コイ、ですか?」。邪気のない声音に復唱されて、はっとする。)! ……うん。……ふふ~~。そうなの。次のおつまみは、たとえば鯉こくなんて……どうかなあって。(恋と鯉。コイ違い。「いいですねぇ」と満足げな応えにまた笑って、自覚した想いを酒杯に溶かして飲み乾した。)