性格備考
福岡一文字派の始祖の刀であり、一文字一家の元『お頭』でもある。現在はその役目を譲り渡し、隠居した『じじぃ』として本丸を見守るような立ち位置で過ごしている。姿こそ若々しく見えても、言動や行動の節々から『じじぃ』らしさが垣間見えるだろう。飄々として己のペースを決して崩さず、時に逆境さえ楽しむ悠然とした振舞いは流石の貫禄といったところか。どこか芝居がかった口調は高圧的と取れる事もあろうが、存外に冗句も好むし茶目っ気も多分に持ち合わせている。頑固爺、というよりは、適度にゆるい愉快な爺。完璧よりも歪なものを愛でる、人間臭さもある。本丸では気ままにマイペースな日々を送っているが、必要とあらば若者らの成長への助力は惜しまない。反応が良い相手にはついつい軽口が増えがちだが、それもまたこの刀なりのコミュニケーションだ。大半の刀剣男士とは違い自らの意思を以って現本丸での顕現を選んだ事から、主のことは認めており、お気に入りの存在だと理解出来るだろう。胸裏にはそれ以上の感情が潜んでいるかは――さて。
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(麗らかなる春の陽気と、長閑に響く鳥の囀りに誘われ。徐に足の向いた本丸の縁側にて立ち止まったのは、忙しなく動き回る“若いの”たちの姿を目にしたから。袖に手を入れながら、はてと思考してみるも思い当たる節はない。)どうした、騒がしいな。……なに、花見?(目の前を横切った一振りを呼び止めて事情を聞けば、平素より賑わいのある庭にも成る程と得心がゆく。本丸を挙げての大々的な催しではなく、暇を持て余したもののみが自由に楽しむべしという旨のよう。心地好い風が庭を吹きぬけ、咲き誇る桜の花びらを巻き上げてゆく。ふわと香る甘い匂いは桜の香りだったかもしれぬし、誰かが持ち寄った甘味だったのかもしれぬ。欠伸を噛み殺したのは遅めの起床の名残だが、妙な沈黙の間を作ってしまったのは事実。程無く控えめに告げられた花見への誘い言葉には、長い睫毛を瞬せたのち)うはは、何やら気を遣わせてしまったか。だが折角だ、僕も呼ばれることにしよう(愉しげに瞳を細めながら、袖から手を抜く。そうして迷い無く踵を返したのなら、)どれ、主も呼んでこよう。息抜きも必要だからな(そう告げると同時、主の部屋へと歩き出す。仕事や使命も大事だが、人として生きるならばそれ以上に大切にしてほしいものもある。口には出さぬが、そうした思惑こそが、今日もまた老婆心の如き行動をさせるに違いない。)