izmnkm.png

(日用品を細々と買うのは面倒だという理由から、事前に必要な物を挙げておき纏めて取り置いてもらえるようにしていた。生活用品店を訪ねたのは其の準備が整っているであろう頃合で、入り口を潜ると近場で品を出していた従業員へと近付いては声を掛けた。)忙しいところ悪ぃな。取り置きを頼んでたんだが……(続いて主の名前や連絡先を伝えると、確認をしに一度奥へと下がる姿を見送って。そう待たずして戻ってきた従業員の両腕には、二つの大きな荷が抱えられていた。その内の一つを受け取って、代金を手渡す。)おう、ありがとな。また頼むぜ。(にっと笑みを見せ、最早顔馴染みとも言えよう従業員へと挨拶をして。長い髪を翻して振り返ると、そのまま店を出る。そうして出入り口の前で徐に足を止めたのは、念の為中身を確認しておくかという思考が働いたからだ。片腕に抱えた紙袋の中身を覗くと、注文通りの品々が確認出来る。だが、その中に覚えのない物が混入していた。摘み上げたのは、)万華鏡……?なんだってこんなもんが、(興味本位で筒状の先を覗き込むと、色鮮やかな幾何学模様が映る。綺麗ではある、が。無防備にならない程度のタイミングで目を離し、返しに行く為に再び踵を返そうと。――して、店から出てきた相手が持つ、此方と似たような荷を見てひとつ瞬いた。)……なぁ、そこの。取り置きしてたクチだろ?オレもしてたんだが、中にこいつが入っててよ。そっちのもんじゃねぇか?(片手に持った万華鏡を見せるように持ち上げながら、問うてみる。無視されないようならば、答えを得る間じっと其方を見て待つつもりだが。)

09/11 23:12*66

httg.png

(審神者とて、本丸を回す一員である。取り立ててこの高校生が治める本丸はその傾向が強く、主であろうと構わず雑用を申し付けられたり叱られたり、本丸の主とそれに従う刀剣男士というよりもひとつの大きな家族のようなものだった。故に日用雑貨の買い出しも当然審神者に当番が回ってくる事もある、丁度今日がその日で荷物が多いからと体の大きな槍を一本引き連れて取り置きを依頼していた大荷物を取りに来ていた。何をどのくらい頼んだのか記されたメモ帳を片手にざっと眺めた荷物、特に重たいものはお供の槍に任せつつこまごましたものが入った紙袋を抱えて店を出た。こまごましたもの、そうはいえ数が揃えばそれなりに重量もある。本丸までの道のりを思って顔をしかめると同時、本丸でも良く聞く声が掛けられると首をかしげて振り返り。)お?万華鏡……ちょっと待ってな、えーっと万華鏡なんて買ったやつ……あっ!父ちゃんじゃん!(「なんかあったのか?」と暢気な声と共に振り返る槍もそっちのけでポケットから取り出したメモ帳、達筆な文字で書かれた【万華鏡 父】の文字に思わず声を上げると慌てて紙袋を覗き込み、万華鏡らしき長い包みがどこにも見当たらないことを確かめると肩を落として背の高い刀の顔を見上げ。)悪い、それうちんだ多分。混ざっちまったのかな、気付いてくれてめちゃくちゃ助かったよ。…と、悪いついでにこん中差してもらっていいか?ちょっと…ちょっと今これ以上手動かすと…落とす……。(紙袋の口を見せながら懇願ひとつ、墨、石鹸、事務用メモ用紙、エトセトラ。ひとつひとつは軽くともまとめて入った紙袋の重量に、運動不足気味の高校生の腕は小刻みに震えていた。)

09/12 00:05*67

izmnkm.png

(店から出て来たのは見慣れた槍と、恐らくその主であろう男。気付かれぬようであれば追いかけもしただろうが、青年が振り返った事でその必要はなくなる。確認を待つ間、取り込み中の相手に代わって「おう、ちょっと買ったもんの確認をな」と状況を把握していないだろう槍へと返した。どうやら万華鏡に思い当たる節があったらしく、紙袋の中を探る様子を眺めて暫し。やがて顔を上げた青年の表情を見れば、答えなどわかりきっているようなものだったが。予想的中となれば、気を悪くするふうもなく、むしろ口角を上げてみせた。)おっ、それなら良かったぜ。世話になってる店だし、あんま大ごとにしたくなくてなー。ま、似たような袋だし間違えちまったんだろうぜ。(からりとした口ぶりで。緩慢な足取りで距離を詰めると、向けられた紙袋の口へと万華鏡を差し入れよう。道中落ちてしまわぬよう、しっかりと固定されるように。この打刀にしては丁寧な手付きだ。そのやり取りを供の槍がどのように見ていたかはわからないが、次に視線をくれてやったのは一振りの方で。)もう少しあんたの方で持ってやったらどうだ?どこまで運ぶつもりかはわからねえが、このままじゃ着く前にひっくり返しそうだぜ?(万華鏡を持っていた方の手で、ちょいと指で示したのは青年が持つ紙袋。小刻みながら震えるさまが見て取れたもので、ややからかうような笑いを含ませながら。相手が女子供であったなら自らが手を貸したかもしれないが、男相手にそれはない。無論、己は他所物であるからして、余計なお世話と一蹴されたとて気にも留めぬだろう。ただ、ほんの数秒。審神者たる青年を見降ろす眼差しは穏やかなもので。)んじゃな。“父ちゃん”と仲良くしろよ。(ふ、と笑ってみせたのなら、瞳で挨拶をするようにしてそのまま帰路へと向かおう。徐に空を見上げ「平和ってやつか」ぽつと呟いた言葉は、静かに消え入った。)

09/12 20:32*81