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(万屋街の往来は本日も多くの人々や刀剣男士たちが行き交い、賑わいを見せている。その道の端でひくりとしゃくりを上げる姿はとある本丸の五虎退。傍には後藤藤四郎、そして山姥切長義の姿があった。頭を撫でながら苦笑を零す後藤とは対照的に、眉間に皺を寄せ腕を組むその様は知らぬ人が見れば怒っているようにも映るかもしれない。暫しの後、伏せていた瞼を上げて小さな溜息は零れ落ちる。)……このままでは埒が明かない。やはり手分けをして探すのが得策じゃないかな。(チラと見遣った隣から「そうだな、俺は五虎退と一緒にもう一度あっちを探してくる」という言葉は首肯と共に。「長義さん、ごめんなさい……」との五虎退の言葉には「気にするな」と一声を掛けて一度だけ軽くその頭を撫でようか。――そんなふた振りと別れた後は、片手を腰に当てながらどうしたものかと辺りを一瞥する。瞬間、それは人であったか、はたまた同じ刀剣男士であったか――いずれにせよ、静かに歩みを進めたならば距離はあっという間に詰められる筈。)失礼、君に尋ねたいことがあるんだ。……この辺りで五虎退の虎を見なかったかな。俺と同じ本丸の五虎退が目を離してしまったみたいでね、僅かでも情報があれば助かるんだが……。(唐突な話題で驚かせてしまうことは織り込み済み、必要とあらば詳しい経緯だって説明するつもりで片手を広げてみせる。そのまま軽く首を傾げるひと振り表情は、心配の色が滲み少しばかり難しい顔であるだろう。)

09/15 19:47*115

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(万屋街において、女と刀剣男士はあまりはぐれることもなく時を過ごしている。店の内部で各々別れるくらいがせいぜいであり、本日もまた同様に、加州清光を伴い目的を果たそうとしていた。時たま強引に息抜きに連れ出されることもあるが、仕事は仕事で果たしてくれる刀だった。ちら、と、彼が視線を流す。見て取って尋ねれば、路地の裏手に白い色が見えたという話。いったん足を止めて彼と同様の方に視線を送れば、)…とら?(不意に声をかけてきたうつくしいその姿に一度瞬き、再び路地の裏手の方へと視線をやり、また戻す。)五虎退の虎か、はわからないけれど…小虎の方かしら。なら、どう、清光?(五虎退の虎。やんちゃな個体もいるだろうから、確かにこの人通りの多さでは無理もない。「あー、あっちの路地のほう、白くて丸いのいたから…もしかしたら五虎退の虎かも。」と、指さした先にはトタンの板が立て掛けてあったりと程よく雑多なものの配置となっており、ちょうど風や陽もよけられそうな場所がいくつかある。猫が昼寝場所に選んでいたとておかしくはないだろう。)清光、案内をしてあげて。(特段詳しい経緯の開示を求めるつもりはない。いきものというものは得てして人間の予想できない動きで歩き回りがちなのだから、行動は早い方がいいだろう。彼の難しい顔を晴らすためにも。道案内が必要なようならば加州清光は主の同道を促すから、ひとりと二振りでその路地まで歩みを進めることとなるだろう。白い虎の健やかなるを信じて。)

09/15 20:51*117

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(その女性に声を掛けた理由は明白、隣に加州清光を伴う姿は誰がどう見ても審神者であったからだ。勿論偶然に視線が交わったことも事実ではあるが、彼女や隣のひと振りに関しても話が早そうである、と感じたこともまた事実である。――その読みが的中するかの如く齎された発言には、何処か安堵の色を滲ませて徐に広げていた片手を下ろした。)そう、小虎の方だ。恐らくはその白くて丸いもので間違いなさそうかな、……ありがとう。(加州の指差す方を見遣った先は、如何にも隠れるのにはうってつけと言わんばかりの路地がある。二人の方へと視線を戻し礼を述べ、さて捜索へ戻ろうかという時――彼女の指示には思わず僅かに瞠目を示すだろう。すぐに咳払いをし数秒は彼女らを見遣ったものの、この場での最優先は何よりも虎の行方だった。)……わざわざすまない。協力、感謝する。(首肯を示した後は迷うことなく、彼女らに連れられ早速路地へと向かおうか。――そして辿り着いた先、軽くトタン板を退けてやれば、そこには数匹の虎が気持ちよさそうにすやすやと眠る姿がある筈だ。思わず彼らに視線を送り、苦笑を零すことも致し方無し。)やれやれ……探す方の身にもなってほしいものだな。(そう言うより先か、己の纏う外套を外し虎をくるっと包み込めば簡易な揺り籠くらいにはなるだろうか。再度彼女らに向き直ったなら、そのかんばせにはもう心配の気配は宿っていない筈だ。)君たちに声を掛けてよかった。おかげでスムーズに見つけることが出来たからね。(そうして「ありがとう」と再度頭を下げた後、遠くの方から「おぉ~い、長義~!」という後藤の呼ぶ声が聞こえる頃合い。もう一度会釈をして踵を返した先で、安堵によりまた泣いてしまった五虎退の頭を撫でるこのひと振りの姿があったとか。)

09/15 23:33*120

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(白くて丸いもの。言ってしまえば広範な指定ではあるが、傍らの加州清光が見出してきたという時点でこの審神者にとっては彼の要望に沿うものであろうと確信していた。彼にとっても感じうるものがあったのならばきっと正解だろう。)清光のことだから、問題はないと思うわ。(当然のような信頼を紡いでは、彼への案内は無事に受け入れられた様子。乗り掛かった船ともいうし、何よりも加州のさした咲からすでに小虎たちが移動して板として、その場合は人手があるに越したことはないだろう。そのような認識からの案内の要望はさして多くを言わずとも初期刀は受け止めるし、彼の名目も異論はないようであれば深くは突っ込まない。)当然のことよ。(とはさしたる気負いもなく。ひとに手を貸す、というただの善性よりは他の本丸の刀剣男士たる彼に力を添えるというのは様々な意味合いで必要なこととなるように認識している。初期刀の先導は迷う素振りもなく行われ、やがて無事に虎たちが昼寝をしている姿に遭遇する。知らずほっとしたようにと息を吐き出した時に視線が送られれば、それを誤魔化すようにと背筋が伸びる。)迷子がこちらの気を知らないのは、そうね。よくあることだわ。…無事に見つけ出せてよかった。(彼が包み込む手つきがどことなくなれた調子にすら感じられて小さな笑みを灯したなら、事態の無事の解決も含めて少しばかり空気は緩んでいたろう。)そうね、私たちも…あの時見かけた白い子の正体がわかってよかったわ。(そんなすましたような言葉とともに、お礼の言葉はありがたく受け取って頭を下げる。遠くから呼ばれて立ち去る彼を二人見送ると、)清光。…ご褒美は、何がいい?(親し気な調子で隣を仰ぐ。よく気の付く彼に、なにかで報いようと。その中身自体は、また別の話だ。)

09/16 22:07*126