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……っ、どうして、どうして……!(勇敢で慈しみ深い主に守られた、この本丸が大好きだった。修行に出る時も本当は寂しくて抵抗もあったが、たまらなく大事だからもっと自信を持って守れるようになりたくて、長い修行を終えて帰還した。その後も変わらぬ穏やかな日常が続く中、明日もそれが当たり前に続くのだと、どこかで信じていた。万が一の危機があれば、その時は極となった強さを活かして全力で皆を守ろうと思ってはいたが――崩壊がこれほど呆気なく瞬く間に起きる事は想定していなかった。音沙汰がない仲間たち、本丸に残っているのは、自分と僅かの刀剣男士ばかりで敵勢力との力量差は比べるべくもない。主を頼むと仲間から託された重みを背負い、珍しく焦る心を抱え、短刀は主の元へひた走った。この崩壊が止められぬものだとしても、それでもせめて彼女だけは。唇を噛みしめ、執務室へ到着するなり戸に手を伸ばす。)……っ、失礼します!……主さま!ご無事ですか…!(入室の合図を待つ間も惜しく、非礼との思考も働かぬまま忙しない手つきで戸を開けて、青白い顔で主の様子を確かめようと室内に飛び込む。どうか無事であるように、それだけ願っていた。)

09/17 11:31*8

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(――分かっていたはずだ。平穏はたやすく壊される。己の大切なものに、牙を伸ばさない者たちではないと。)…、出陣部隊、遠征部隊……だめね。こんのすけ。(通信器具も意味をなさない。帰還の支持も届かず、彼らからの言葉も届かない。初期刀は今もなお、何も知らずに全線で刀を振るっているのだろう。それでいい。敵を殺しているのならば、それでいい。湖面の奥に沈めて久しい激情が体を動かすことを許していた。政府への通信ができないと尻尾を垂れ下げる管狐を撫でる手つきばかりはいつもの通りに。)伝達を。負傷したものは執務室へ、畑も厨も捨てていい。ひとつでも多くの敵を斬りなさい。刀装は好きなものを持って行って構わないと。…それから、皆にこれを。状況の確認もお願い。(根兵糖とお守りをこんのすけに握らせた。育成途中の刀たちも多く、本丸にいるのだからとお守りを持たせてもいなかった。多少の時間稼ぎにはなるだろうか。それこそ己がいる場所は本丸だ。やすやすと動くわけにもいかないから、と、管狐にすべてを託す。――消えていく繋がりに、聞こえる声に歯噛みした。負傷者を集めようとしたとて、此処までたどり着けなければ意味もない。)毛利、怪我を?(飛び込んできた彼に目を見開いて駆け寄った。ちいさな短刀のことは日頃から頼りにしていたために。手伝い札片手に手入れの必要な個所を探り当てんとして。)…こちらは無事よ。怪我もないわ、安心なさい。……珍しい顔ね、毛利。(今のところは、此処まで敵の刃は及んでいない。時間の問題といえるやもしれないが、今のところは問題ない。大丈夫、を伝えるように柔らかな声色を意識した。)

09/17 13:42*10

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(異変を察して真っ先に主の元へ向かったから、毛利には負傷した者を執務室に集める伝達も届く前だった。残っている数少ない刀剣男士たちが懸命に敵を斬り伏せる中、己も現れる敵は出来るだけ時間をかけぬよう素早く斬って、主の元へ辿り着いたが。)……え?いいえ、僕は無傷ですよ。主さまをお守りするのに不足はありませんから、安心してください。(怪我をしている前提の問いかけにきょとんとするのも一瞬だけ。一刻も早く主の元へ行きたい気持ちで意識が普段以上に冴えたのか、叩き込んだ攻撃はきっちり急所を一撃で仕留めた。だから息こそ多少乱れているが、それ以外は傷一つない姿を腕を軽く広げる事で示して。)…そうですか。主さまが、ご無事で…よかったです。すみません、見苦しい顔をお見せして…。……ですが、残念ながら、もうあまり時間が残っていません。……僕は、他の刀剣男士から主さまを頼むと、託されたんです。ですから、せめて…主さまだけでも助かるように、僕が必ずお守りします。(どれほど追い込まれても逃げるような主でないのは、毛利もよく知っている。だが、危機はこの瞬間も刻一刻と迫っているから、いつもの笑みは影を潜めて険しい顔つきのまま、主との距離を詰めようと。)

09/17 22:49*20

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そう、……私を?(一つ瞬いたのは、この戦場で自身への護衛を勘定に入れていなかった証に他ならない。負傷がないと知らされたのならば手伝い札はそのまま懐へと差し戻して、執務室の内部へと一歩下がる。本丸に張り巡らされていたはずの結界はすでに用をなしてはいないが、この執務室の床下に敵が潜んでいる様子もないことは理解している。負傷を直し、戦場に戻す。そのサイクルを回せば、多少なりとも斬れる敵の数は増えるだろう。瞬きは納得に変えて「助かるわ」を口元から。彼の護衛が頼りになることはよく承知である。)見苦しいとは思わないけれど、珍しくはあるわね。………助かるのが、私だけでは意味がないのよ、毛利。護衛は任せるけれど、逃げるつもりはありません。私はここで手入れを続けるし、落城の時が私が死ぬときだわ。(彼の険しい顔つきもまた珍しい。こちらの燃える心を孕んだ声色の方は、戦況判断の際などに彼にも聞き覚えはあるだろうか。)…憎い相手から落ち延びて、それでも尚ができるほど、強くないの。(生き残れば、やり過ごせば。出陣部隊と合流し、再起を図る事とて不可能ではないかもしれない。戦の時流を図るならばそうするべきだ。わかってはいるけれど、――少女時代にはできたはずのそれは、果たして今、できるかどうか。温もりに染まった心は、唯一の温もりを無くせば折れてしまうかもしれないのだから。)

09/17 23:37*21

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そうですよ。主さまがいらっしゃらないと始まりません。(好き勝手をすることもあろうと、全ては主が温かく見守ってくれているという大前提があってこそ。彼女の存在なくして本丸は成り立たない。誰もがそれを理解していて、彼女を守りたいとの気持ちを持つ中で、己にそれが託されたのは――人一倍に彼女を慕っているのを見抜かれたからか。助かると言われてこの状況なのに顔が嬉しさに綻んでしまうのは、主の役に立てるという実感がこみ上げた為。)出来れば、こんな顔を一度もお見せしたくなかったのですが…。……っな、…主さま…!(けれど間もなく険しい顔に戻り、わなわなと唇を震わせて彼女を見据える。そう言いかねない性質なのは承知していたが、それでも実際に言葉にされると重みが段違いでぐっと拳を握る。)負けを認めて、逃げるのは…耐え難い、屈辱だと…主さまなら、一段と…そう思われる事も、理解しています。……ですが!……主さま。あなたは、まだ、まだ…あまりに、お若いのですよ。僕から見たら、本当に…小さな子供と変わらないほど、とてもお若い。これから、沢山の可能性に満ちあふれているのに…今は強くなくても、これから強くなれる可能性を秘めているのに。それらの可能性も全て、此処で潰えさせるおつもりですか。(彼女よりずっと小柄で年若い少年の見目をしていても、長い時を経た神の一員に違いない。最も守りたい主であり、懸命に生きる人の子の終わりを甘んじて受け入れるなど、黙って見過ごせるはずがない。訴える声はどこまでも切実だった。)

09/18 21:36*37

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(いつものように綻ぶ顔に、つい口元に穏やかな色が混じってしまう。状況自体は理解しているというのに、何とも滑稽な話だが。――険しい顔を取り戻した彼の瞳を見つめながら、その言葉に耳を傾けた。)……落とさせない、とは、いってくれないのね。(呟くようにしてひとたび、目を伏せる。執務室に籠っていた自分、此処までかけてきた彼。であれば、彼の状況判断の方が正しいのだと、分かるからこそ。瞼を持ち上げた次の瞬間には、瞳は再び燃えていた。)…ずるいことを言うのね、毛利。あなたが口にする子供だなんて、……ずるいことを言うわ、あなた。(ちいさな存在や子供を愛する彼の気質はよく知っていた。だからこそ、唇はわずかに戦慄いて。ひとつ、呼吸を置く。)…でもね、毛利。私が子供なら…あなたたちの、この本丸の皆のことを、私、家族のように……、親のようにも思っていたのよ、…二度も親を失って、子供はどうやって生きたらいいのかしらね。(親を亡くし、瞳に復讐を宿していた自分を育て、審神者として鍛え、人としての喜びを教えてくれた彼らは養い親といっても相違なかろう。途方にくれたような口ぶりで迷いを一つ落とす。)それにね、毛利。…私が討ち取られるから、撤退するやつらをつけて、拠点を探り当て、そこに清光たちとともに殴り込んで可能な限り打撃を与えなさい…だなんて、指示をするのは流石に悪いかなあと思ったのよ。最初はそれも視野に入れていたけれど、………でも、毛利は、…みんなは、逃げてほしいの、生きてほしいの。…まだ、先があると、思ってくれるの?(心はいつも燃えていた。迷うことなく進んできた。それでも、まっすぐにこちらを見て、切実に訴えてくる声に何も感じ得ないほどに彼らに情がないわけでもなかった。躊躇うように、惑うように眉尻がわずかに下がっていく。)

09/19 12:17*44

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それは、……他に優先すべきものがあると思っているので。(無論、本丸への思い入れは深い。だが、最も守るべきものは目の前にある。そう言わんばかりに強い光を宿した瞳で彼女を見据えて。)ずるくて結構です。あなたを引き留められるなら、僕はいくらでもずるくなりますよ。(ふっと微笑みかける顔は普段より幾分も大人びて映るか。文句も弱音も好きなだけ受け止める構えは最初から出来ているから、ちっとも怯まないし引かない。)……はい。家族同然に温かく接してくださって、だから安心して戦いに行けましたし、危ない時も絶対に本丸に戻るのだと踏ん張れました。……ですが。ご家族がご自分の身と引き換えにあなたを守ったのは、どれほど辛い思いをさせても生き延びてほしいと願ったからではないかと思うのです。僕には想像しえない苦しみを抱えながらも必死で生きてくださったから、僕たちも主さまに出会えたのですし。(残酷な話でもあるが、彼女が復讐を胸に抱き、審神者の道を選ばなければ、出会う事も叶わなかった。彼女と共に居る喜びも温もりも知らぬままだった。)そう命じられても、従う刀剣たちがどれほどいるか。……できません。主さまと共に逃げろと言うなら、成し遂げる為に力を尽くします。ですが、主さまを置いて逃げろというご命令なら、聞けません。きっと、僕じゃなくても、此処にいたのが誰であっても、同じように言うはずです。僕もみんなも、主さまが大好きなんですよ。主さまを守るため、主さまを生かすため…主さまの道を作りたいと思えばこそ、頑張れるんですよ。(叶うなら彼女の手をそうっと自らの手で包み込んで、ゆっくりと噛みしめるように語りかける。)

09/19 22:35*57

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…あなたたちは、本当に優しいもの。少し、困るわね。(何を優先するべきか、といえば無論のこと、敵をすべて殺すこと。ずっとそうであったはずなのに、彼の強い光を前にするとそれが揺らいでいくかのようで。)おばかね。こんなことでずるくなることないじゃないの。(大切な、それこそ家族のような彼に微笑みかけられてしまえば口ぶりに困ったような色まで混じってしまう。燃え滾る心、彼らを慮る心、自らに対する心。怯んでいるのはこちらの方か。)ええ。いつもあなたたちが帰ってきてくれるから、私も安心して本丸を回していたわ。………父さんたちの心は、今となってはわからないけれど。…でも、貴方達に会えたことは、嬉しいことだわ。それは本当にそうで、…だから、せめて。あなたたちと最期までともにと、思ったのよ。そうしたら、目的も果たせるんだって。(親の心子しらず。いつだって親の心は子にはわからない。小さくかぶりを振って、彼を見つめていた。出会い、与えられた喜びに報いること。童の手遊びめいた幸福を抱えて潰える事こそ自然の流れだと思っていたのに、親というものはいつだってずるい。)ここでただ堪えているより、多くを殺せると思ったのよ。清光なら、きっと士気も高めてくれるでしょうし。…………なら、命令よ。私と逃げて。…ひと振りでも多くの皆と、また、戦わせて。…それなら、いいんでしょう。あなたたち、本当に物好きだわ。(たとえ命令であっても、合理的な判断であったとしても、従うか否かは別問題。彼の掌を跳ねのけた先程を思い返してかすかな苦笑を口元に浮かべた。そうして気持ちを切り替えるように呼吸をおけば、正面から彼の眼を見て改めての命令を告げるだろう。我が身が可愛いわけではないけれど、好きなものを守りたい気持ちならばわかってしまうから。)

09/20 00:05*59

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そうだとしたら…きっと、此処で過ごすうちに、主さまに似てきたのだと思いますよ。(本丸ごとに全く違う色があり、同じ姿形の刀剣でも少しずつ雰囲気が変わってゆくように、気づかぬうちに自分たちもまた彼女の影響で強さや優しさを得ていたのだろうと語る顔は誇らしげ。)……ふふ。なんとでも言ってください。(それで彼女の心が揺れて、引き留められるなら。どんな文句も甘んじて受け入れる覚悟は言わずもがな。)同じですね。僕も、帰らなければ主さまをとても悲しませてしまうから、そんな顔をさせたくないから、絶対に帰るのだと思えました。……ありがとうございます。最期の瞬間まで共に在りたいと、僕も願っていますが…まだ、早すぎますよ。主さまには、これからもっと笑って、幸せになっていただきたいです。(自分たちの為にいつも心を砕いてくれた彼女は、もっと欲張っていいし、まだ見ぬほどの幸いを知ってほしい。それは長い時を生きる刀剣に芽生えたお節介だけど。)はい!承知しました。必ず、果たしてみせます。毛利藤四郎、この身ある限り…どこまでも主さまにお供いたします。主さまを守るためなら、本来持っている以上の力だって出せますよ。(こんなに名誉な命令はないと言わんばかりに、生き生きと力強い瞳で大きく頷いた。ならば、後は行動で応えるのみ。)……では、行きましょう。敵は僕が倒しますから、ついてきてください!(彼女の準備が整ったのを確認すれば、毛利が先に立ち、襲い来る敵を素早く片っ端から倒しながら彼女を守って突き進んでゆこうとするだろう。)

09/21 03:27*74

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…私に?…どちらかというと、私に足りない部分を補おうとして…という可能性の方が高くは…いえ、そんな顔で言われてしまうと、否定する気もうせてしまうわね。(彼の言葉につい瞬く。彼らのやさしさ、強さはよく知っている。けれどその原因が何たるかは同じ事象を前にしても解釈が異なるようだった。誇らしげな顔をされてしまえば、如何にも弱い。)当然でしょう、…家族だもの。失いたくないわ。…これも、士気に繋がっていたのね。……毛利、私がいくつになっても早すぎるっていうんじゃないかしらって思ってしまったのだけれど。…幸せになれるかは、分からないわ。努力は…してみるけど。(襲撃を受けた以上、悲しみは増える。降り積もる悲しみ、憎しみ、恨み。それを塗りつぶすほどの幸福があるとして、今の審神者には到底想像もできないことだった。それでも真っ直ぐに自分を見て語り掛けてくれる彼がいるから、渋い顔で未来の可能性を呟いて。)……もう。…信頼してるわ。あなたが供をしてくれるなら、この命は未来へと繋がるでしょう。私の懐刀が守ってくれるんだもの。当然よね?(渦巻く感情があったというのに、力強いその瞳はあまりにも頼もしく。溜息をついたのち、彼に対する信頼は態度のみならず言葉でも示すこととして。不敵に笑む姿は自暴自棄とも命を捨てることをためらわない姿ともまた違う。この本丸を運営するうえで蓄積したデータを詰め込んだメモリは袂落としに差し込んで、彼の背中を追いかける。ほんの小さな姿をした彼の背中はあまりに頼もしい。)毛利、私はどのくらいの位置にいるのが、守りやすい?(後方に位置どってはいるが、護衛対象がどこにいれば動きやすいか、というのはそれこそ刀によるだろう。守られる立ち位置の訓練は、精々が初期のころ、戯れるように初期刀につけられた経験くらいのものだった。彼が動きやすいようにしてやりたい。)

09/21 06:14*75

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そういう面もあるかもしれませんが、僕たちも足りない所があるのは同じなので…補い合いながら寄り添っているうちに、似てきたのかもしれませんね。そうだと嬉しいです。(人である彼女しか持たないものもあれば、逆もまた然り。支え合う中で少しずつ心を通わせた時間を思えば、こんな時でも目許が和らいだ。)僕も、主さまを失うなんて耐えられません。本丸の皆がそう思っていますよ。……それは、はい。否定できないですね…。…大丈夫ですよ。幸せになるのは主さま自身にしか出来ませんが、お手伝いならいくらでもしますから。それに、きっと…僕が、幸せな主さまを見たいと思っているんです。(彼女は誰かに幸せを与えられるのではなく、自分自身で幸せをつかみ取る強さを持つと信じている。だからこそ、無茶ぶりと言われそうな願望を込めて語る刀剣の瞳は自信を宿して。)はい!いつか主さまが振り返った時、この道を選んでよかったと思ってもらえるように…僕の全てでお守りします!(彼女の命を預かり、短刀を握る手に力を込め直した少年は確固たる足取りで突き進む。)そうですね…これくらい、視界に入る範囲の位置にいてくださると有難いです。でも、もし離れてしまっても必ず駆けつけますから、安心してくださいね!(示したのは自分の片腕ほどの距離。短刀ゆえに守備範囲は広くないから視界に入る位置の方が助かるが、くっつきすぎても動きづらい。そんな微妙な距離感の中で最適な位置を探りながら、立ちはだかる敵を危なげなく次々に倒していく。修行の成果もあるが、それ以上に彼女に指一本触れさせないという気迫が一段と動きの精度を上げていた。)

09/23 04:11*94

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互いに完璧ではないもの。そうね、生きるって、多分そういう事だわ。(完ぺきではない者同士、足りないものがあるもの同士。寄り添い合い、近づき合う。死者とではかなわないもの事だ。ふ、とどこか和らぐような心地で笑った。)…、毛利が、そうやって言葉にしてくれるから。私はそれを忘れずに済むのね、きっと。…………いつか、毛利が私の事を、立派な大人になった、って思ってくれる日が来るのかしら…それまで見守っていてちょうだいね。…、ありがとう、頑張るわ。(幸せになるために、何ができるのか。だなんて、そんなことを考えるのはひとまず生き残った後の話だろう。――もしかしたら、彼に立派な大人だ、と認めてもらえた時こそ幸福なのかもしれないが。)…あなたが、私を生かしたのよ。折れでもしたら許さないから。(全てで守る、というすべてに彼の命をなげうつ、だなんてことは入っていないと信じているけれど、それでもついくぎを刺すようにして言葉を紡いだ。彼の足取りについて行けば間違いない、だなんて、まるで主らしからぬことではあるけれど。)わかったわ、任せて。…毛利が私を守るというのなら、私があなたの負担になるわけにはいかないでしょう。この位しか今は出来ないけれど、役目ならこなして見せるわ。(はっきりとした調子で彼に応じながら、言葉の通りに彼の示した立ち位置へと体を落ち着けて、つきすぎず離れすぎずの位置で彼を追う。修行を終えてからはつくづく思い知らされるようになったけれど、まったく以て頼もしい。彼の疲労状態に目を配り、周囲の状況に目を配る。どこまで行くのだろう、という疑問よりも、今はただやるべきことと定めたそれを優先していた。)

09/24 02:04*113

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はい。僕も主さまも、まだまだ知らない事の方がずっと多いですから。(互いに支え合う人生の旅路、彼女にとってはまだ始まったばかりに違いない。だから彼女にもっと広い世界を見てほしいとは刀剣のお節介な願いだが。)それなら、この先も何度でも言葉にしてお伝えしますね。もう忘れはしないと思いますが。ふふ。……そうお伝えできる日が来てほしいと僕も思いますよ。そうですね、いつの日か…主さまが天寿を全うされる日などに。(流石にそれより前に伝える可能性も高いが、出来るだけ先延ばしにしたいと思うのも事実だから困りものだと眉を下げて柔く笑いかけ。)承知しました。責任を持って、折れずにあなたを守ります。(最悪の時は我が身と引き換えにする事も当然考えてはいたが、折れて彼女を守れず約束も果たせないのは嫌だから。折れぬ前提で戦おうと刀を振るう手に力が籠る。)負担だなんて。主さまを守っていると思うから、力が出るんです。……っと、危ない!……共に、最後の最後まで悪あがきをして、生き抜いて、それで…また、幸せを見つけましょう。あなたは、もっと幸せになっていける人ですから。(彼女がまた笑って幸せだと思える日が来るように、そのためならば疲労も傷も物ともせず毛利は戦ってゆける。無論、時に負傷して危うくなれば彼女の手当てや助言を受けたりなどして、自らが生き延びる努力も続けながら、短刀はひたすらに彼女を守って出口を目指す。必死で持ち堪えた末に救助の手が差し伸べられるか、はたまた寸前で自力での脱出に成功して間一髪で命拾いとなるか、はたまた――それは、どれほど窮地に追い込まれようと諦めることなく、必死であがいてあがき抜いた主と刀剣男士のみが知るところ。)

09/24 23:07*122

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(長くを生きた彼とて支え合う人生というものに知らないものが多いというのならば、きっと根性ですべてを知るのは難しかろう。ただ一つの目標を見定めていた瞳は彼らと触れ合うことで回りをよく見られるようになった。だからこその臆病もまた、彼に道を示されて変わっていく。これから何を得て、何を成し遂げ、何を知っていくのか。願わくばその傍らに、彼の姿があることを。)忘れなくても、教えてほしいわ。我儘かしら?…毛利が見送ってくれるのなら、悪くはないわね。(さて、自分の成長は付喪神たる彼にどう響くのだろう。この戦場を潜り抜けた先にも、いずれ訪れる別れがある。それでも、命潰えるときは今ではない。そう心から思えるようになったのは、まさしく彼がいるからだ。彼の手に力が入った姿を見て、どうやらくぎを刺した方がよかったのではないかと疑念が一つ湧き上がる。なにはともあれ、生きて守ってくれるのならば重畳。)そういうものなの?……ええ、毛利が信じてくれるなら、きっと。あなたが信じてくれるなら、幸せになれるのだと思うわ。(平穏な本丸の光景は確かに幸福だったし、審神者になる前の家族の風景もまた同じ。奪われたものは確かにあったとしても、それでも信じられるなにかがあれば先に進む事もできる気がした。途中、かけて着た管狐には再び伝令を頼むだろう。少しでも長く生き延びるように、一つでも多くの敵を殺すためでなく、ひと振りでも多く生き延びるための戦いを、と。彼に守られ、途中戦いの気配を感じながらともに生きる道を目指していた。――やがて、帰り来た第一部隊があげた反撃ののろし。あがいた末に崩れ落ち、彼と寄り添い息をついた。――諦めない、ということの難しさと強さ。彼が与えてくれたものすべてを胸に、本丸は平穏へと動き始める。)

09/25 22:27*134