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(剣劇の音。怒号。血の臭い。戦場においては慣れたそれも、本丸内部においては色を変える。姿勢を低めた位置から敵薙刀の頭蓋をたたき割り、一つ息をつく間もなく援護に向かう。)浦島!無事か!(目に見えて負傷しているその姿に眉間に自然と皺が寄る。数々の刀がすでに負傷している。なだれ込むようにしてやってきた敵影に各々対処するのが精いっぱいで、戦況自体が混とんとしていた。実際の戦場であれば、たとえ乱戦となろうと主だけは無事で――)主は!?(呼びかける声に首を振られ、歯噛みする。本丸の主、審神者。過日涙を零していたただ一人。)探してくる。必ず守るから、目の前の敵に集中してくれ。折れるなよ。(常の余裕もなく、返答を待たずに言い置いたならば道すがらの敵を斬りながら本丸の奥へと向かっていく。主がどこにいるのか。思考に時間を割く間ももどかしく、まずは執務室へと足を進める。審神者さえ無事ならば再起は可能だ。救援が間に合いそうならば刀を振るい、そうでなければ体を隠して先に行く。ともかく、まずは主の身の安全を確保しなくては。駆け込んだ執務室近くの敵短刀は一太刀で切り伏せる。)――…主!無事かい、怪我は!?(常の飄々とした態度などかなぐり捨てて、抜身の刀を手にしたまま彼女の傍へと駆け寄った。)

09/17 02:45*3

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(まだ出陣経験の浅い刀を一振ずつ執務室へ呼んで、彼らの話を聞いていた。上司としてではなく、主として。一対一では緊張するので、近侍の篭手切江にも付き添ってもらっていた。順番で稲葉江が入ってきたときの、近侍の慌てようが面白くて思わず笑ってしまった――その瞬間だった。にわかに外が騒がしくなったのは。)……何かあったのかな?(囲っていた座卓から立ち上がろうとして、二振から同時に止められる。そして、様子を見てくると部屋を出て行った稲葉江は中々戻ってこなかった。代わりに、執務室の前を横切った誰かが一言残していった。敵襲だと。早鐘を打つ胸元を押さえながら、政府に連絡を取ろうとするが全く繋がらない。その他いろいろ試したが、この本丸は外と隔絶されているという事実が突きつけられるだけだった。近侍は先程から真剣な顔で、すぐに応戦できるよう構えたまま。そこへ、飛び込んできたのは自分に転機を与えたあの刀だった。)小竜……! 私は無事だよ、君のほうこそ怪我をしてないかな。(彼の姿を見ただけで、訳もなく安堵する。彼を上から下まで見遣って、まず無事かどうかを確認しようか。その途中で抜身の刀を認めて、僅かに目を伏せた。)……外部と連絡が一切取れない。出陣部隊や遠征部隊を呼び戻そうとしたけれど、全く反応がないんだ。君がここに来るまでに見てきた、本丸の状況を聞かせてほしい。(主としての務めを果たすべく、気を引き締めて彼を見上げた。)

09/17 15:31*12

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(本丸に属する刀全ての経験が同一というわけではない。練度の浅いもの、修行に赴いたもの。修行に赴いた刀も本丸に残っていた中では数えるほど。この襲撃のさなかにあっては自然と彼らに指揮権は集まっている。それにつけても乱戦であるので、自分が持っている情報すべてが最新のものではないけれど。)……よかった…。篭手切、キミが守ってくれていたんだね。ありがとう。(張り詰めていた緊張が、主の無事を確認したことで少しだけ解かれる。ほう、と、詰めていた息を吐き出せば、江のひと振りに向けて朗らかな笑みを形だけでも繕って。)失礼、主の前に現れるに足る姿ではないけれど、非常事態と思って勘弁してくれ。(此方の刀に視線が向いたとなれば、なるほどと理解しながら一度後方に視線を移す。まだこちらに切っ先が向く敵はいない様子であったため、いったん抜身の本体は鞘の中へ。何事かがあった時に主を逆に傷つけてしまってはことである。)なるほど、援軍は期待できない、という事かな。……承知。敵の数はざっと五百。屋外では薙刀連中が暴れまわっているようだね。短刀や脇差の存在も確認した。各々迎撃に動いてはいるが、…敵方の数はそれほど減ってはいない。俺が確認した限りでの中傷以上の負傷者は浦島、桑名、村雲、笹貫。これ以上に増えている可能性が高い。(これは物語の中の話ではない。都合よく援軍が顕れて全部解決、とまではいくまい。淡々とした調子で現状の報告は私見を交えずに行われたが。)……主。俺はこの状況で本丸が落ちない、とは思わない。迅速に脱出するか、あるいは敵方が撤退するまでどこかで身を隠してくれ。キミが安全な場所にいてくれたなら、俺は迷いなく戦える。(――最期まで。それを口にはしなかったが、優しげにやわらげられた表情からそれは滲んでしまっていたか。)

09/17 18:13*16

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(篭手切江は修行にこそ赴いていないものの、練度上限に達している数少ない一振である。小竜から礼を受け、当然のことをしたまでだと真面目な受け答えに笑みを添えていた。そんな二振の様子を見て、主としては嬉しさや誇らしさを感じたが浸っている余裕はない。)非常事態は百も承知さ。刀を納められないほど、だったんだろう。(そも、あんな慌てた姿を小竜が見せたこと自体が珍しいのだ。戦況はあまり良くないであろうと思っていたが、具体的な話を聞いて眉根を寄せる。)そうか……。判断材料が足りなかったんだ、助かったよ。(きちりと報告してくれる小竜の頼もしさに救われて、取り乱すことなく受け答えすることができた。戻ってこない稲葉江もきっとどこかで戦っているのだろうと、当たりを付けられただけでも御の字である。厳しいことを言いながらも優しい顔をしている小竜に、一先ず頷き返す。)小竜は先見の明があるね。分かった。――篭手切、君を近侍の任から外す。それを持って、みんなを助けに行っておいで。(座卓の上にあった、やたら分厚い白の封筒を指さしながら命令を下した。篭手切江は一瞬驚いたが、すぐに短い返事をして部屋を飛び出していった。)ああでも言わないと、篭手切は私の傍を離れないだろうからね。昨日、みんなの分のお守りを買ったんだ。今までは部隊員にしか渡せなかったけど、一振にひとつずつ渡せるように。(篭手切江に持たせた封筒の中には、たくさんのお守りが詰め込まれていた。それとは別に隠し持っていたお守りを、ゆっくりと小竜へ差し出した。)これは小竜の分。後で、君を呼んで渡そうと思って持ってたんだ。(主として、彼が憂いなく戦えるように。立派に送り出してあげないといけないのに、手元が勝手に震え出す。)

09/18 00:19*22

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(ひとまず主の無事を確認できたならば胸中には安堵も広がる。事態が好転したわけではなくとも、彼女の傍らにいたのが練度上限の刀であったことも大きいだろう。鈍っていた思考も多少は冷静さを取り戻して。)ハハ、御賢察。状況は、これまでになく悪くてね。主の無事を確認せねばと気が逸った。(飄々とした常の笑みが苦みを帯びるばかりとなる。状況の説明とともに一息つく。刀はむき身、返り血だってついていた。焦った顔もさらしていたとなれば、まったく以て己らしくはない登場の仕方だったと思い返す。報告は揚げたなら、「どういたしまして」と軽く添えて。主人の無事の確保こそ、刀剣男士の望みでありこの太刀の望みでもある。)流石だ。篭手切なら救援にも向いているだろう。(彼女の迅速な判断に一つ頷き同意と称賛を示し。問答もなく飛び出していった彼を見送った。こちらは彼女が安全な場所に逃れ次第、再び前線へと戻るつもりで。)…俺としては、彼が主の傍にいてくれるのならばそれはそれで安心したけれどね。うん、でも。不幸中の幸いって奴かな。間に合って何よりだ。(命ひとつで主を守れるならば、歴史を守れるならば安いもの。それでも身を護る主からのお守りがあるならば、より長く生き延びられる。それはつまり、主が逃げる時間がより長く確保できるということであるから、それはそれで喜ばしい。)…これは、ありがたく。嬉しいよ。(差し出されたお守りはしかと受け取って、心臓に一番近い位置に収めて微笑んだ。そうして――、立ち去る前に太刀ではなく、彼女の手を握る。)…怖い?(一人で落ち延びるのならば、その身に恐怖は付きまとうだろう。せめて温もりを分け与えるように、あたたかさをのこしていけるように、彼女の柔い手に触れる。)

09/18 01:36*25

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(流石と褒められたのは予想外で、自嘲するような薄笑いを浮かべた。)篭手切を行かせたのは、彼がそうしたいだろうと私が勝手に思っただけなんだ。戦略的に判断したわけじゃないよ。(小竜の報告で負傷者として江の二振が挙げられていた。篭手切江は戦において冷静な部類だが、心中穏やかではいられないだろう。彼の夢は江が揃っていないと叶わないものだと知っているからこそ、せめて後悔が残らないようにと行かせたに過ぎない。お守りが彼の元に渡り、空っぽになった手を下ろせずにいた。彼の微笑みは確かに安らかさを齎すのだけれど、同時に影を落とす感情を何と呼べばいいのか。手に触れるあたたかさに、目を見張った。)……うん、怖い。君たちを失うことがとても、とても怖いんだ。(こちらからも手を握り返し、じっと目を見ながら話し出す。)あの日、君に泣いているところを見られなければ……。私ひとりでも逃げることを選べただろうね。無力な私が、君たちに報いる唯一の正しい選択だと疑わずに済んだのに。(まるで悔いているような言葉の数々だが、語る声色は思い出を懐かしむ優しさといとしさに満ちていた。)今は君が貴重な戦力なのは分かっているし、仲間たちと共に戦うことを望んでいるならそうしてほしい。でも、もし君が私を守るために戦いを選ぶのなら、(図々しいと自覚していても、今言わなければ彼は行ってしまうのだと自らを奮い立たせる。)傍で私の心を守ってほしい。……君たちと引き替えに私だけが生き延びるぐらいなら、私は(滅多なことは言えないと、一旦は口を噤む。)

09/18 17:09*34

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そうか、…キミらしい、いい判断だ。(主君としての戦略的判断か、と思えばこその賞賛だったが、彼女の私見であると知ったならば声色には柔らかな色すら混じる。ただ戦局を見定めるだけでなく、刀の心に寄り添おうとする。彼女のその姿勢こそが美しく、そして我らが刀を振るう原動力にもなりうるのだ。胸の傍に彼女の授けた守りがあればこそ、いくらでも戦える気がしていた。この身が折れて果てるまで。――それでも。彼女に刃金のみでは与えられなかった温もりをせめて少しでも返したかった。がよくというならば確かにその通りの行動だった。)……うん。(ごめんね、も、大丈夫、も言わずに、ただ頷いて彼女の言葉に耳を傾けた。あの時、涙を零していた人。あの時からこちらへの寄り添い方を変えてくれた無二の主。何をおいても守るべき人。大切な存在。彼女の特別性を語るのならば言葉はいくつあっても足りない。懐かしむそぶりだってもっと重ねて活けたはずだった。だというのに。)……主、俺はね。…本当のところを言うと。…キミを失いたくないんだ。キミを、ただ守りたい。俺にとってキミは、この命以上に大切なひとだから。キミが生きていてくれるならそれだけでいいんだ、本当に。(例え主でなくなっても、たとえ自分が彼女の刀でなくなったとしても、この命が尽きたとしても。構いやしなかった。一番大切なものは彼女だ。主をただ守りたいのは、他の刀も己も同じ。軽やかな調子で言葉を紡ぎはせずに、彼女の手を握った手のひらごと心臓に両手を近づけた。)キミが望むなら。キミの傍で、キミを守り続けよう。心も、体も、すべて。……だから、滅多なことはいうもんじゃないよ。まったく、うちの主ときたら。たまにとんでもないことをしようとするんだからねえ。(誓いの言葉は誠実に。しかして、彼女が口を噤んだのをいいことに軽く額を小突くようにして、いつもの通りの笑みを浮かべた。)

09/19 11:36*42

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(頷いて話を聞いてもらえるのが、どれ程ありがたいことだろう。だからこそ、素直な思いを余すことなく伝えられた。決して主命ではない、身勝手も甚だしいお願いである。どうするかは彼の意思を尊重するつもりだ。どんな厳しい言葉が返ってきても受け止める気がまえでいたけれど、予想に反して真摯な言葉の数々が過日のようにひどく心を揺さぶる。)小竜……。また、私を泣かせるつもり、なのかな。(目頭が熱くなり視界が歪むが、今はまだ零すまいと瞼を下ろす。視界を閉ざしたせいで、手のあたたかさが顕著になる。その手が何かに当てられるのを感じて、恐る恐る開いた目を丸くした。)……すべて、守ってくれるんだね。(確かめるように呟いては、洗いたての澄んだ瞳を彼に向けよう。小突かれた額はちっとも痛くなくて、笑みに釣られてこちらも頬を緩ませた。)ありがとう、小竜。君を私の生きる理由にさせてもらうよ。君に守られて私は生きる、君は私を生かすために生きる。いいね?(彼の本当の気持ちを聞いて抱いた一抹の不安に、それとなく先手を打ってみる。もしも彼が失われることがあれば、というある種の脅しに近いがあくまでも軽やかに。これが彼の言うとんでもないことなのだろうか、なんて自覚を得れば小さく笑いを零した。――執務室の天井裏から、何かの物音が降ってくる。)

09/19 16:50*49

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(本心を言葉に隠して笑う事ばかりが得意なせいで、彼女に無事に伝わるか同課が懸念点ではあった。 それでも自分の意思を受け止めてくれた彼女にくすりとした笑みを浮かべる。彼女の転機となったらしいあの日、)この状況を脱したら、いくらでも泣いたらいい。キミの涙なら何度だって受け止めるさ。(声色にはいつも通りに笑みを含んで見せる。彼女の余人には見せぬものを受け止める誉こそあれど、状況自体は見ているつもりだった。言外ににじむのは一人戦場から逃すのではなく、状況を脱したのちにも彼女の傍らにいるという表明でもあった。)難しくはあるだろうけれど、キミのためならやり遂げて見せるさ。俺の実力は知っているだろう?(戦場に臨むときの不敵な笑みとともにかろくわらう。たとえ難しくとも、針の穴を通すかの如き目標でも。その身も心も守りたいのは本心で、まずはその意思ばかりを明らかにして、)……おや、一本取られた。(思わずとばかりに肩をすくめるところからして、彼女の懸念は正しかった。あくまでも軽やかな主従の言葉の応酬。天井裏から刃を向けた敵短刀を言葉もなく切り伏せて、)さて。このままでは此処も長くはもたないか。…隠し部屋にでも行くか、此処で結界を張るか、かな。移動は問題なさそうかい?(安全な場所などもはや数えるほど。であれば、敵の侵入経路が限られる場所が適しているか。)

09/19 19:32*53

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(いつも通りのにこやかな声色が耳を打つ。これより先を思い描かせるには十分で、涙を無理に堪えようとしていたのが自然と引いていく。いい意味で力が抜けていった。)そう何度も泣き顔を見られるのは恥ずかしいんだけれど、……君ならいい。これからも私と君だけの秘密だよ。(彼との縁が続いていくことを望みながら、他言無用の約束を改めて結びつけようか。)ふふっ、これほど心強いことはないね。もちろん君の力はよく知っているよ。その姿が私に合わせてくれたことも、ゲリラ戦に詳しいことも。(不敵な笑みも強さの証左なれば頷き返す。人間の耳が物音を拾うとき、刀剣男士は既に事を終わらせていた。こんなにも間近で刀を振るう姿を見る機会が、果たして今まで何度あっただろうか。あまりの速さに呆気に取られていたものの、彼の強さを再認識して表情を明るくする。彼とならば、どこへ行くにも不安はない。)既に侵入されてしまった以上、ここに留まるのは危険だろうね。君が本気で走ったりしなければ、私はついて行けると思う。(などと冗談めかしながら隠し部屋に移動すべく、通信端末を手に取って立ち上がろうとした。突如、嫌な浮遊感に襲われて体がふらつく。)っ、これは……? 何かが、切れた……。(恐らく生まれて初めての感覚だった。すぐに収まったが、胸騒ぎがする。)……行こう、小竜。

09/20 00:36*61

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そうかい?俺としては役得なのだけれど。…ふふ、二人の秘密、というのはいい響きだねぇ。(おかし気な調子で笑って見せる温度はいつも通りを意識したものだった。言外にひそめていたとはいえ、本音を晒したようなものであるので如何にも気恥しい思いは確かに胸の内にあるものだったから。)勿論。主が仕事を任せてくれるんだから、俺の力量を疑っていないことはよく知っているよ。そう、だから何も心配はいらないさ。キミには俺がついているんだから。(刀剣男士としての自分に対する自己評価、というやつはこれでできているほうだと自負している。朗らかな笑みとともに矜持を持つ太刀としての確信を彼女にささげる。こうして瞬く間に切り伏せる行動としても示しているのだから、彼女にも憂う必要がないと伝わってもいるはずだ。その証のように明るくなった表情に朗らかに、どこか心地よさそうに笑いかけると。)そうだねえ、あちらがどの程度うまく索敵をしてくるかは図りかねるし。多少移動を繰り返すのもいいかな。主をおいて言ったりはしないから、そこは安心しておくれ。(冗談めかした調子で、彼女の隣を歩く。普段通りの雑談をするときのような立ち位置だが、いつでも抜けるようにと鯉口を切っている手元ばかりがいつもとは異なる。)…主、(何かが。過る予感が警鐘を鳴らす。ふ、と一息吐き出して。)そうだね、急ごう。……主、何があっても、気を確かに。(口走った言葉は、何の予感か。)

09/20 02:28*62

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(自分が変わるきっかけを与えてくれた彼への親しみは、言うなれば初めてのともだちに抱くそれに近い。彼の懐の深さに甘えて、いつも通りを享受していた。)移動を繰り返すなんて思いつかなかったよ、名案だね。納屋でも書庫でも、うちはそれなりに隠れられる場所がある。もし逸れても、またさっきみたいに駆け付けてくれるのを待っているからね。(戦う術も素早い足も持たない自分は、下手に動き回らず隠れ凌ぐのが得策だとばかり思っていたが、彼がいればそういう立ち回りもできるのだと感心する。)私の気が狂ったら、君が一瞬で終わらせてくれたりする?(戯れの延長線を装いながら、真剣な問いかけをひとつ。彼に虚勢を張っても無駄だと分かっているからこそ、何があっても平静でいられるとは言えなかった。本丸は確かに戦場であるのに、この辺りだけ妙に静かで――何かが、落ちていた。近づけばそれが刀の切っ先であると分かるだろう。遡行軍は倒すと消えてしまうから、落ちて残っているということは、つまり。)あれは……。(不用意に手を伸ばして、切っ先を拾い上げようとする。)

09/20 20:21*67

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もし俺とはぐれたときには、見つからないことを最優先するんだよ。必ず駆けつけるけれど、…俺にも見つからないつもりで隠れるくらいが、きっとちょうどいい。(彼女を必ず見つけ出し、再び守る。万一にもはぐれるつもりはないが、彼女の心構えとしてはそうしてもらうことで安全が図れるのではないかという提案だった。)その時は気絶でもしてもらって担いで逃げることにするさ。…あまり主に手を上げたくはないんだよ?(彼女を終わらせるつもりは塵ひとつたりとも存在せずにからりとした調子。隣に並ぶ状態が最善だが、我を失い予測がつかない状態に陥るよりはという次善の判断がどう転ぶかは知れない。手がふさがることでもあるし、なるべくならば選びたくはなかったが――、)主。(許可もなく彼女の腕をつかんで引き留めようとする。)そっちじゃないよ、まずはこっちだ。…余計なことをしている暇はない。(切っ先が遺っているということは、ここですでに戦闘があったということ。敵はどうやら離脱しているようだが、戻って着たとておかしくない。何よりも、それに触れた主の悲しみが何秒、彼女の足を縫い留めることか。たとえ自分の言葉が冷たく響いていたとして構わなかった。現実に触れたときの感情と、予測を立てたときの感情は違うもの。リスクと想定外を排除しようとする動きだった。)

09/20 22:02*68

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小竜に見つからないようにだなんて、難しい注文だね。どこかの部屋の地袋にしようかな。(探させる手間が少しは省けるように、予め隠れ場所の候補を挙げておく。彼の言わんとすることは何となく理解すれど、見つけてもらいたい気持ちも覗かせつつ。悪い方への想定はいくらしても損はないと踏んで、一旦は噤んだ不安の末路を口にしてしまった。どこまでも自分を生かすことを諦めない彼の意志に、この先ずっと敵わないのだろうと降参めいた笑いを浮かべた。)米俵みたいに担がれるのはちょっと嫌だなぁ……。気を悪くさせてごめんね、君の手は戦うために空けておいて。君が傍にいてくれることを私が忘れなければ、私は自分を見失わないで済むと思うんだ。(断言する勇気はまだ持てないが、前向きな姿勢は示しておこう。切っ先に伸ばしかけた手が、腕がPまえられてしまった。はたと開いた目を、ゆるやかに伏せる。)せめて拾ってあげるぐらいはしたい……けど、それも今は許されないんだね。(まともな弔いもしてやれない寂しさを呟いた。ひとつ拾えば、きっと全部拾いたくなる。極めて冷静な判断を下す彼が正しい。澱みかけた足並みを彼に揃えて、先を行こう。)

09/21 00:55*71

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主なら難しいことだってやり遂げてくれるって信じてるよ。勿論、一番はキミを見失わないことだけれど、隠れ場所としてはいいと思うしね。(もしも万が一の時があれば、自分も先んじて底を探すこととなるだろう。あちらと言葉が通じるわけでもなし、愛言葉を決める必要はないか。笑みを含むようにして余裕ぶった言い回しを選びながら、それでも彼女を活かし、彼女を守る意思を曇らせることなどはあり得ない。)さあ、どうかな。余裕のない時に運び方だなんて選ぶ暇もないからなあ。…ふふ、キミが謝る必要はないのに。(言葉遊びのようにして彼女が自分自身の意思を保つ方へと誘導したがっては、肩をすくめて笑った。本当ならば安全を保つべきこの場所で、彼女の心をここまで追いつめているのは敵方なのだから。彼女に瑕疵は一つもないのだ。無断でつかんだ手も、彼女の瞳が伏せられた次の瞬間には手放して。)キミが拾い上げてくれることは喜ぶだろうね。けれど、ひと時の喜びのためにキミを危険にさらしたなどと、俺はたいそう叱られてしまう。キミがそうして心を傾ける事は美徳だよ。けれどごめんね、従ってくれ。(口調は飄々としたものよりも真摯なものだった。斬撃の後の少ない方面に足を運び、小さな納屋の一つに身を寄せる。敵の気配は、今のところない。)

09/21 02:01*73

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(形容しがたい不安で揺れ動く心を、彼はまさしく守ってくれている。自分よりも自分を信じてくれる存在に助けられ、情けない姿を晒すのは申し訳なくもああった。それでもなお彼が主と呼んでくれるなら、応えなければ女が廃る。)君のお墨付きなら安心だ。中でつっかえないように気を付けないとね。(大きくはないが小さいわけでもないこの体が、ちゃんと入る地袋を選ぶ必要はありそうだと頭の片隅に置いておこう。彼に引き留められたのは何も、腕ばかりではなかった。手放されたとしても、この心は掴まれたまま。)君が叱られてしまうのは忍びない。……優しいけど甘やかさない、君はとてもいい刀だよ。ありがとう、小竜。(後ろ髪を引かれる思いが無いと言えば嘘になるが、切っ先はもう振り返らない。再び彼の隣へ収まれば、美しい瞳を見上げて言う。)強気な君もかっこいいね。(付いてきて、ではなく従ってと、強い物言いが珍しく映った。恐らくは自分を思ってのことだと察すれば、少しも悪い気はしない。むしろ、主従をひっくり返したようで可笑しみすら感じていた。彼の進む方向を疑うことなく、よそ見をせずに進んで納屋に落ち着けばやっと息を吐く。そろりと中を見渡せば、土の匂いはするが農具の整頓が行き届いた小綺麗な納屋だ。あるものを見つけて、意外そうに瞬く。)あれ、まだ置いてあったんだ。(桑名江を筆頭に有志が集まって作った案山子が一体、壁に寄りかかっていた。皆が張り切ってたくさん作ったせいで、立てる場所がなく余ってしまった一体だったか。)後でほどくって言ってたのに……。

09/21 19:21*77

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(本来ならば、このような姿を見せる予定もなかった。言葉で表すということが苦手な性分であったし、他者が秘めておきたい姿に長々と触れるというのも極まりが悪い。けれどこうなってしまったからには、柄ではなくとも可能な限りの全てで、主を支えていきたいと思うばかり。彼女に忠誠を誓う臣下として、何よりも彼女を大切に想う一つの魂として。)ふふ。第一部隊が帰ってきたときに仕えているキミを見つけたら、何とも面白いことになりそうだねえ。(朗らかな調子で冗句一つ。状況を忘れるなどということはあり絵はしないが、それでも彼女は戦場の空気には慣れていない人間だ。戦場特有の圧力は人の子にたやすく負担をかけるものだと知っている。)……、当然だろう?だって、キミがいい主だからね。(負担がないわけでも無かろうに、それでもしゃがみこまずにいてくれた彼女に一拍の間をおいて、軽やかな調子で笑って片目を瞑って見せた。罪悪感に痛む胸など今は何の価値もない。主に対し、意見を促すことはあっても自分の意見で主を引っ張っていくことはなかった。修行前も試すような口ぶりではあったが、強引な姿などは一度も見せたことはない。そんな自分への可笑しみに「たまには悪くないだろう?」と肩をすくめる。どうやら今日は珍しい姿ばかりを探す日となりそうだ。納屋へと身を落ち着けた彼女に周囲に視線を巡らせながら、「疲れてはいない?」彼女の疲労の具合を問いつつも、)案山子……。…囮か何かに使えないかな、これ。(ふむ、と顎先に指をあてて彼女の隣でそれを見る。使えるものは何でも使うつもりだった。たとえそれが仲間の手掛けた思い出の一つであっても。)

09/21 21:31*81

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(第一部隊と聞いて真っ先に思い浮かべたのは、隊長を任せた始まりの一振であった。彼の刀とは一番長い付き合いであるが故に、過日の契機からも未だ上手く距離を縮められずにいる。小竜が言う面白い場面を想像してしまい、羞恥で頬を赤らめた。)そんなところを蜂須賀に見られたら、私……。その時は、君のマントで私を覆い隠してくれると助かるんだけど。(彼の背にたなびく華やかなマントを一瞥しては、切実に頼み込む。自分のあられもない姿を見せられるのは小竜だけだ。小粋な片目の仕草に、微笑み返す。これからもいい主でいられるように、今は最良を選び取っていくしかない。気遣う問いかけには、感謝の念を抱きながら笑ってみせよう。)篭手切とのジョギングに比べれば平気さ。(放っておけば落ちるばかりだった体力を心配されて近侍と始めた運動しかり、目の前の案山子しかり、本丸で彼らと過ごした日々が確実に今へ繋がっていると実感する。)君こそ気疲れしてないかな。攻めよりも守りのほうが、そして戦いを避け続けるのが難しいのは何となく知ってるよ。(彼がどうこたえるか大体の想像は付くけれど、だからといって気遣わぬ道理はない。案山子の胴体、人間で言えば心臓があるだろう部分に手を添えた。)案山子くん、私たちを助けてほしいんだ。(案山子へ話しかけるが当然に返事はない。審神者だからといって特別、何か聞こえるわけでもない。ただ、口を利かぬ物だからと都合よく使うのが躊躇われただけのこと。力無く手を下しながらも、隣の彼を見遣る瞳に迷いはない。)ここから移動するときの囮にする? 隠れ損ねている風に見せかけて、敵の注意を引いて時間を稼げないかな。

09/22 16:00*89

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(付き合いの長さゆえの足踏みは、ともすれば衝撃的な場面を目撃することで一挙に変化が生じるのではないか。そんな愉快気な面持ちでもって羞恥を浮かべる彼女を見守っていた。)存外あちらも気にしないかもしれないよ。…さて、どうしようかなあ。まあ…俺のマントが主を包む、というのも悪くはないかな。(裏地の鮮やかな青が彼女を包むのであれば、主が青空に包まれているかのようで。それは悪くはない暗示なのでは、だなんて、ふと思う。勿体ぶるような言葉を口にしながらも、結局は主に従う気構えである。片目は軽やかに、言葉も、体の動きも。小さくなった竜とてキュートなばかりでは当然ない。)ははっ、そうか。篭手切は本当にいい仕事をする。(ささやかな行動であれ、そうでなくとも。主がこの本丸で築いたすべては彼女を今日この日、守るために力となっている。仲間が抱くであろう誇らしさすら胸元にせりあがってくるかのような心地だった。)この状況で、主の姿が見えないほどの気疲れはないよ。(こうして彼女の傍らで、彼女を守り、刃を振るい。戦いを避けている。主の命を守れている。その実感がある。執務室に飛び込むまでの焦燥とは比べるべくもない。朗らかな調子で笑うさまは本心からなるもので、彼女の気遣いには微笑みすら浮かべていた。守るべき人が己の知らぬところで凶刃に倒れているのでは、などという妄想に囚われない時点で、気疲れしているなどとはいいがたい。)…主は、まやかしの術は使える?そうだね、あえて隙を見せて隠れさせよう。移動するときに別方向に彼を、というのも悪くはないだろうけれど。(隠れているように見せ、自分がひと振りのみで行動しているように見せれば、また多少の時間稼ぎはかなうだろう。時間稼ぎを幾度も繰り返せば、第一部隊だってきっと戻ってくる。)

09/23 03:41*93

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(彼が言うことは一理あるし、もしかしたらそうかもしれないと思えてくるのだから怖ろしい。だがしかし蜂須賀が気にしなかったとしても、こちらが気にするのは必至。同意を渋って難しい顔をしていたが、マントを融通してもらえるようであればホッと胸を撫でおろした。互いを気遣い、思いやる瞬間にあたたかなものが生まれる。それは心身の疲れを和らげ、やがて忘れさせてしまう。残るのは気力と、彼への信頼だ。)ふふっ、嬉しいことを言ってくれるね。こんな時でなくても、これからは君の目の届く範囲にいようかな。(口先だけの世辞ではないと分かればこそ、喜びに目を細めた。無事にこの状況を乗り切れるか未だ定かではないが、だからこそ先の未来を自由に思い描くこともできるのだと彼が教えてくれたようなものだから。)……まやかしの術? 一応は使えるけど、あまり長くは保てないよ。案山子くんを私に見立てればいいのかな、だったら小竜の役も誰かにお願いしたほうがいいね。(幸い、ここにはいくつも農具がある。申し訳ないけれど、彼らにも力を貸してもらおうか。)君の作戦を聞かせてほしい。(言われるがままに術を使っても良かったが、彼の歯切れの悪さが少し引っ掛かった。あくまでも、術の継続性を保証できない体を装って尋ねる。)

09/23 13:09*97

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(ささやかな意地の悪さが時ににじんだとしても、結局のところこの刀は主には相応に甘い。此度はそれだけではない顔を柄にもなくさらしているとはいえ、この状況から脱したのちには遠慮なく甘くすることもかなうだろう。だから今は、からかうでもなくはぐらかすでもなく、ありのままを彼女へと向けるだけ。)やあ、それは嬉しいねえ。落ち着いたらどこかへ旅でも一緒にどうだい?(未来に向ける希望はいくらあっても足りるものではない。朗らかな調子で浮かべた笑みに、描く形ばかりは自由であるべきだろう。何よりも自負があり、彼女の生存を信じている。言霊とはよく言ったものだ。)そうだね、案山子を見立てるならば主がいい。多少の油断は誘えるだろう。撤退してくれるか、までは…確証がないけれど。(楽なのは、審神者を討ち取ったからといって意気揚々と敵方が凱旋してくれることだが。せん滅を選んだとて不思議ではない。思案を淵に、「俺に見立てるのなら上背があるやつがいいね。この鍬なんてどうだい?」と一つにマントを巻き付けるようにして。)…一つは、案山子にまやかしをかけ、あちらの大将が討ち取ったすきに、俺が大将首を上げる。多少の混乱は見込めるだろうから、そのままつわものから順に首を落としていき、総崩れになればよし。ひとつは、この近辺に敵が来た時に俺が案山子を抱えて…或いは、案山子と農具を一緒に外に出し、主にはここでこのまま潜んでもらう。あとは…これまで通りに逃げて、隠れて、を続けた後の鬼札として持ち続ける。よほど掴まりかねないときにのみ、囮として使う。…俺が今点てられる策としては、この位かな。最初のは、主の護衛を残せないのが気がかりだ。(他の咲くならば他の農具にまやかしをかけて誤魔化せるにしても、最初に上げた策は博打が過ぎる。声を潜め、周囲の気配に気を配りながら主の意向に耳を澄ませた。)

09/24 03:16*114

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……うん、いいよ。私も君と旅をしたい。君が今まで見てきた中で、一番うつくしいと感じたところ連れて行って。(今まで彼に何度か旅に誘われても、遠出が憚られて断り続けてきた。今更、都合よく聞き入れてしまうのが申し訳なくて、返事をするまでに微妙な間を生んでしまう。これだけの働きをしている彼に褒美のひとつも挙げられない主など、と自分自身に言い訳しかけて、やめた。自分の素直な気持ちを大事にし、行き先は旅上手な彼に任せようか。彼の立派なマントを身に付けた鍬は、どこか誇らしげに見えて小さく笑いを零す。彼の策を頭で思い浮かべなら、指折り数えつつ順に受け止めていった。囮ひとつで、よくもここまで立てられるものだと舌を巻く。)ありがとう、どれも素晴らしい作戦だね。でも、最初のは止めてほしいかな。小竜なら敵の大将を倒せる、そこは疑ってないよ。(曇りない目を彼に向けたのち、ぷつりと自分の髪を一本抜いて、案山子の腕に当たる部分に巻き付ける。鍬の持ち手にも同じように巻き付けて、術を掛ける前準備を済ませておいた。)単騎なら戦いやすいのも確かだろうね、でも君が集中的に狙われる。お守りは渡したけれど、それが発動する瞬間は見たくないんだ。(端的な発言は避けているが、もしもを口にしただけで泣きたくなる。少しばかり俯いて、紡ぐ声は弱々しい。よくよく吟味すれば、挙げられた策はどれも大なり小なり小竜に負担を強いたものばかりだ。)二つ目の策に、私から提案がある。近辺に敵が来たら案山子くんたちを囮として外に出す、私と君は可能な限り身を隠し、あるいは隙を見て逃げる。これじゃ駄目なのかな。

09/24 17:44*118

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勿論、主を連れていくならとっておきの場所に決まってるさ。楽しみだね。(軽やかな誘いの言葉を断られたと手、普段は笑うばかりの太刀であった。けれどこうして未来への約束を交わすことがかなったならばそれは何より喜ばしくて、顔には柔らかな笑みが浮かぶばかり。どのような形となるかは定かでなくとも、きっと楽しい時間が過ごせよう。彼女に語って聞かせた策三つ。主がどれを選び取るか、はたまた己の想いもしていなかった先を立てるか。彼女の瞳をじっと見つめて言葉を待った。)けれど、今ならまだ余力がある。選べるのは今だけだ。いいんだね?……主がそう望むのなら。(大丈夫さ、と、無責任な言葉は口にできなかった。お守りを発動させてでも大将首を跳ね上げ、総崩れとなるまで将の首を上げ続ける。お守りが発動してもなお。その自分の行動を見て続く刀もいるだろうから、目的を果たすことはできるだろう。そしてそれを選ぶのならば早い方がいい、がーーそれを主が望まないのであれば。こうして弱弱しい姿すらさらす彼女の心の部分をも、守ると決めたのだ。穏やかな調子で笑って、「すまなかったね」と言葉を添えて。)…いや、大丈夫。もしも他のところで囮にできそうな子たちを見つけたら、彼らにも協力を仰ぐとしようか。(彼女の言葉に思案するようにしてから頷いた。生まれるのは逆転の博打ではなく一手の余裕だが、戦場においては一手の余裕が命を繋ぐことを知っている。だから二人、今はこのまま忍び続ける。策が形となっても、ならずとも。彼女の傍らを離れはせずにともに逃げ、隠れ。ただひたすらに生き延びることを考えた。如何な屍の山が降り積もろうとも、どれだけの刀が生き残ろうとも。迎え入れた第一部隊の瞳に宿るのが絶望か、はたまた規模鵜か。――運命の日、夜明けを願わくば、キミと。)

09/25 12:31*128

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(全てを選べないのなら、たったひとつしか選び取れないのなら、小竜景光を取ると決めた。執務室で身動きできずにいた自分たちの前に彼が飛び込んできたとき、光が差した心地だったのだと後で彼に話してみたい。念を押す問いかけに、小さく頷いた。)選べるのなら、生きる理由を失くしたくない。ここまで来たら、さいごまで私に付き合ってほしい。……旅は道連れというやつだよ。私はひとりで遠くに行けないんだ。(ぽつりぽつりと話していくうちに意思が固まり、やがて顔を上げたときにはふっと表情を和らげてみせる。すまないのはお互い様、否こちらの方が度合いで言えば上かもしれず、こちらこそと言葉を返しておいた。他のものを無情に投げ打ってでも、この戦いは生き残ったが勝ちであると先を見据えた。)反撃に打って出るのは、もうそれしかないと君が判断したときだけ。君の気がかりにはなりたくないからね、上手に隠れてみせるさ。(窮地に立たされた場合は彼が気兼ねなく戦えるように、自分ができることを全力でしよう。またひとつ霊力の繋がる先が途切れてしまったが、今はひたすら耐えるのみだ。幸か不幸か、どの刀との繋りが絶たれたかまで分からない。――第一部隊が帰還したころ、本丸はさぞ変わり果てていたに違いない。だが、一縷の望みは残されただろう。竜を宿した刀に守られた審神者は、彼の傍らで夜明けに涙する。積み重なる秘密に、幾多の約束と思いを交わした一振と一人は、運命の日の向こう側へ。)

09/25 18:27*131