奇襲を仕掛けるのは好きだが、仕掛けられるのは好きではないんだがな…!(政府からの連絡も、こんのすけからの伝言も何もなく訪れた遡行軍達の本丸襲撃。こんな日が来るなんて、一体誰が想像できていたというのだろうか。――否。誰も想像なんて出来やしなかっただろう、己を含め。そんな事を考えながら、目の前に立つ遡行軍の太刀を一撃の元に斬り倒せば、辺りを見回して声を張り上げる。)戦えるものは、続けて遡行軍の相手を!中傷の者は重傷者を背負って手入れ部屋の方へ向かってくれ!主はそこで待ってくれている筈だ…!(主力勢は、出陣していて連絡は取れず帰還はいつになるのか分からない、他の練度が高い刀達も殆どが遠征部隊として本丸を開けており、すぐさま帰還鳩を飛ばしたが一向に帰ってくる気配も見られない。――まるで、始めから誰かに仕組まれていたかのように。ともかくこの場に居ない者に期待してところで、事態が好転するわけでもない。冷静に考えて、今いる刀達だけでどうにか本丸と審神者を護るしかなく、とは言っても残っている刀達の中で練度が高いのはごく数名、後は修行前の特つきと、顕現して間もない刀が数名いる程度であれば、さてどうして護ろうかと絶えず襲い掛かって来る敵を斬り倒しながら思案していれば、本丸より必死な表情でこちらへと走って来る粟田口短刀の姿が。「鶴丸さん!敵の苦無が、手入れ部屋の方へと向かって何振りか侵入したと…!」その言葉に双眼を大きく見開けば、)秋田…!ここは任せた。主が無事なのを確認してすぐに戻ってくるから折れるんじゃないぜ…!(とだけ大声で告げと本丸へと飛び込んだ。手入れ部屋では近侍の制止を遮って今も重傷を負った刀達を手入れするべく、頑固にも待機し続けている審神者がいることが分かっていたから。一気に目的の場所へと辿り着けば慌てた様子で辺りを見回す。)主はいるかい!?…敵が来ている、一刻も早く逃げるんだ!
09/17 14:19*11
(それは突然に、何時も通り執務室にて近侍の刀と書類に向かっていた時に訪れた。いきなり後ろから突き飛ばされるような、そんな感覚に襲われ思わず手に持っていた書類が滑り落ちた。間をおかずして違和感から生まれる悪寒に背筋を凍らせ、 顔を強張らせた。それでも気のせいだと思いたくて、書類を拾おうと手を伸ばした瞬間――「遡行軍です!」と本丸に響き渡る警鐘と短刀の悲鳴にも似た警告に、書類は拾われることなく息を呑んで動きを止めた。)本丸に襲撃してくるなんて…。いいえ、こんなこと考えている時間が惜しいわ。蜻蛉切、本丸にいる皆に伝えてちょうだい。…各自各個撃破に努めよ。出陣している者たちが戻ってくるまで持ち堪えよ、と。私は手入れ部屋に向かいます。………皆、折れることは罷りならず!(主力部隊は難易度が高い戦場に送り込んでいたし、練度が高いものも今日は遠征に向かわせている。今まで遡行軍の襲撃がなかったからと言え、何故今日もそうだと思い込んでいたのだろう。戦力を分散させなかった自分の失態を悔やんでも後の祭りだ。けれど反省は後からすれば良い――そんな時間が訪れるかどうかはわからないけど。ふと頭を過ぎった考えを振り切るように頭を振ってから、手入れ部屋へと急いで向かおうか。――そうして傷付いた刀剣男士を札を用いて手入れを行い、また送り出す。何度も繰り返していく度に心身共に消耗していくが、手入れ後すぐに遡行軍に向かっていく彼らがいるのに泣き言なんて言ってられない。手入れを終えた短刀を「頼みました」と送り出して額の汗を拭ったところに現れたのは一羽の鶴。)鶴丸…?鶴丸国永……、(珍しく血相を抱えた様子の彼に僅かに瞳を見開いたが、すぐにゆっくりと細められた。)逃げると言ってもあなた方を見捨ててどこへ?…出来るはずないじゃない。でも今手入れしかできなくて、守ってもらうだけの私は足手纏いでしょうね…。
09/18 13:51*29
(状況が状況であれば、いつもの気楽な様子は影を潜め血相を変えた表情になってたやもしれない。けれども、視線の先、疲れた様子ではあれど無事でいる審神者の女性を姿を見れば、あからさまに安堵の息をつくのと同時に自分の横を通り過ぎて外へと走って行く短刀を、どうかまた無事で戻って来てくれよという思いで見送った後、彼女の傍へと静かに近寄り視線を合わせるように身を屈めた。)…きみがきみの事をどう評価しようが勝手ではあるがな。きみが足手纏いだと思っているなら何度傷ついても戦いから逃げずに手入れしてもらいに戻ってきてすぐに手で行く事なんざしないだろう?…状況も分からずに混乱して不安を抱えながらも、こうして疲労していても泣き言一つ漏らさずに懸命に俺達の手当てをしてくれる主であるきみを護りたいからこそ、皆、きみの傍で戦えるし、きみに逃げて欲しいと願うんだ。――たとえ、その為に折れたとしても、な。(言いながらそっと手を伸ばし、避けられなければ数度頭を撫でようとする手つきは、子供をあやすような感じであれば、立派な大人の女性にとっては不服なものかもしれないが。)きみがどうしても逃げないというのであれば、せめてもう少し安全な場所に移動してくれ、遡行軍はもうここまで――(此処まで来ているのだと告げようとした言葉は、不意に現れた三体の苦無に存在によって遮られる。秋田の言った通りかと軽く舌打ちすれば、すぐに彼女を自分の背後に庇う形で立ち上がり刀を構えた。)…ここまで来てるんだ。とりあえずこいつらは俺に任せて、きみはすぐにこの部屋を出られる準備だけ整えておいてくれよ!(との言葉を合図に苦無三体に斬りかかっていく。己の強さや練度の高さを誇る訳ではないが、それでも苦無程度にやられてやるつもりはない。時間をかけずに三体を斬り倒して彼女の方へと振り返る。)大丈夫か?因みに手入れはこの部屋でないと出来ないものなのか?
09/18 15:25*33
(もとより自己肯定欲は低かった。自らが顕現した刀剣男士と共に過ごすうちに改善は見られているものの、非常事態時にはやはり本来の自分が顔を出す。手入れに集中している時は刀剣のことだけに注力していれば良いけれど、送りだした後には頭を忙しなく駆け巡るのは後悔―結界が破られたのは自分のせいだとか采配ミスだとか、圧し掛かってくる自責の念に段々と垂れていく頭。けれどそれを引き上げてくれるのはやはり刀剣男士で、)…ごめんなさい、ありがとう…。でもいやよ、いや、絶対にだめ…!私の為なんかに折れないで。折れるのは…私が果てるより前に折れるのは、絶対に嫌…。そんな驚きは絶対にいらない…!(幼子をあやすかのように撫でてくれる手を、些か気恥ずかしさを覚えるものの彼と視線を合わせたまま享受していたが、例えだとしても一番恐れている単語を耳にすれば思わず縋るように彼の袖に手を伸ばし掴んだ。)……わかり、ま――(続くはずの言葉が悲鳴となったのは体中に苦無を刺した悍ましい姿を目にしたからで。こんなにも間近で遡行軍に見えたのも初めてで、硬直した身体は声すら失いただ瞳を見開き苦無の存在を凝視するだけであった。しかし視界を覆う白と声に弾かれるように我に変えると、慌てて己が審神者としてこの襲撃に対してできる後方支援のために必要なものをかき集めた。)大丈夫、この部屋が一番やりやすいだけで、どこであっても出来ます。(鍔迫り合う音や遡行軍の断末魔の叫び―音だけと言えども直面した戦闘に止まらない震えを叱咤するように一度自らの両頬を打つと立ち上がって彼を見据えた。)
09/19 13:21*45
(この状況で落ち込んだり、混乱して自信喪失してしまうのこと仕方のない事だろう。例え、今の状況が決して彼女のせいではないと説いても、責任感も優しさも持ち合わせている彼女のことどうしたって自分を責めてしまう事が分かるくらいには長く彼女の側に居たつもりであれば、落ち着かせるように告げた言葉は少しは功をなしたようで微かに安堵を息をつく。だが、それと同時に縋るように服の袖を掴んで零された言葉には、軽く息を飲んで双眼を見開くものの、苦無の襲撃により意識はそちらの方へと向けられた事だろう。初めて遡行軍を目のあたりにしたであろう背後の彼女の様子を気遣うように見やりながらも、三体を斬り倒してしまえば再び軽く息をつくか。騎乗にも、自分の言葉に答えてくれる彼女に一つ、満足気に頷いた後は蜂蜜色を穏やかに細めて彼女を見つめつつゆっくりと口を開いた。)それなら良かった。実は万が一に備えてもう少し奥に隠し部屋があるんだ。そこなら簡単には見つからないだろうし、俺達も側で戦いやすい。そこまで護衛するとしよう。歩けるかい?歩けないならおぶっていくが?(なんて彼女に向って本当に背中を向けて背負う態勢を取るのは、この太刀らしい場の和ませ方かもしれない。彼女がその後、どういった態度を取ったとしてもどこか悪戯めいた笑みを悪びれた様子もなく浮かべてしまう筈で。)――なあ、主。俺達はきみの刀だ。きみを護り共に未来を護る為に此処にいる。その為であれば折れたとしても後悔はしない事も本当の事だ。…けど、きみがそれを嫌だと拒むなら、折れずに共に生き延びるのだと望むなら、俺は全力でそれに応える気だぜ。折角の大舞台だ。最後まで生き残って戻って来た光坊達を驚かせてやろうじゃないか。(そう告げたのは、先程は返せなかった彼女への返事であると気付いて貰えただろうか。同時に秋田が蜻蛉切からの現状報告を伝えに走ってやってくる姿も伺える筈で。)
09/19 21:44*55