主君、お迎えにあがりました。

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(今日は授業がなく、アルバイトも入っていない平日の中休み。ちょっとだけ得をしている気分になれるので、偏りのある時間割も悪いことばかりではなかった。先日、彼と邂逅を果たして審神者であったことを思い出したのはいい。本丸が襲撃された頃までは覚えているが、そこからどうやって審神者になる前の生活に戻ったのかは依然として分からないまま過ごしていた。甦った記憶の衝動に駆られるまま“迎えに来てもらった”と咄嗟に思ってしまったけれど、)……私は解雇されてしまったんでしょうか。(彼は“会いに来た”と言っていた。本丸は維持されているらしいので、代わりの審神者が居るのかもしれない。だとしたら、かの心優しい刀には気苦労をかけてばかりになるだろう。お願いした通り、律義に迎えに来てくれた彼の姿を見つけて嬉しくなる。)また来てくれて、ありがとうございます。清麿さん、早速ですが私の冒険に付き合ってください。(どこへ、と尋ねられたならば着いてからのお楽しみと笑ってみせて。彼が家に訪ねて来てくれたのが何時であっても、冒険の舞台は多くの人を受け入れていることだろう。――彼を連れてやって来たのは、港に面した観光名所として名高い赤い塔だった。)ここの外階段を一緒に登ってほしいんです。きっと景色が綺麗ですよ。(普段であれば一般人は使えない外階段であるが、今だけ特別に登れるイベントが開催されている。了承を得られたならば、手すりに手を添えながらゆっくり登っていこうか。難色を示されたならば潔く諦めよう、塔の中を観光しても楽しい場所であろうから。)

02/17 16:50*3

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(二度目の再会は思うよりも早く、けれどそれも世界の成り立ちを思えば必然の事だった。異分子は長居すべきではない。可及的速やかに任務を遂行し、帰還すべしとの報にも然して焦るでもなく端末を仕舞い込んだのは数時間前のこと。迎えに、という約束の通り彼女の元へと向かう姿は、あの日と変わらず学生姿の出で立ちにて。暖かな陽気が心地好い時分、今度は堂々と家への訪問と相成ろう。その姿を見とめたならば、微笑んで。)僕のほうこそ、お誘いありがとう。……うん?それは勿論、構わないけれど。(意図など問おうともせず、提案には当然のように頷いた。詳細を“お楽しみ”とはぐらかされたなら一笑を零し、冒険のお供役を喜んで勤めようか。――会わない間に再び記憶が封じられていないか、やや不安ではあったものの杞憂で終わったようだ。彼女はすっかり己のよく知る“主”へと戻っていた。導かれるままに歩を進めて行き、やがて聳え立つ塔を前にすれば、学帽を持ち上げて仰ぎ見た。)へぇ……たしかに、上からは良い景色が見られそうだね。いいよ、行こうか。(頷くに躊躇はなく、のんびりとした口調で了承を示そう。彼女から少し遅れて歩み出す足取りは緩慢ながら淀みなく。)でも、少し意外だなぁ。こう言ってはなんだけれど……あまり君に対して体力自慢だという印象はなかったものだから。(なんて明け透けに所感を述べながら、昇るのは彼女の速度に合わせる形を取るだろう。適宜休憩を入れるつもりだけれど、「疲れたらすぐに言って」と乱れる事のない息遣いで平素通りに言葉を届ける。)

02/17 23:57*12

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ふふっ、そうですね。全力で駆け上がって最短記録を目指すような楽しみ方は出来ません。あなたが傍に居てくれるから、ちょっと難しいことにも挑戦してみようと思えるんですよ。(一度足を止めて、気遣いには感謝の言葉と共に笑みを送った。刀剣男士の身体能力であれば約六百の階段など、さしたる労も達成感もないかもしれない。本当に付き合わせてしまっている、その理由を再び登りながら話していこう。)あのあと夜遅く、久しぶりに両親と話をしました。おかえりなさいって二人を出迎えたとき、なんて言われたと思います? なんで家に居るんだって、遠くに就職したはずじゃ、って言われたんですよ。(面白おかしく語る様子は何のわだかまりもなく、赤い格子越しの空のように晴れやかなものだ。同居している祖母や通いの家政婦は以前と同じように接してくれていたため、両親の反応は却って新鮮であった。)そこは適当に誤魔化しておきました。色々話しているうちに私がうんと小さい頃の思い出話になったんですが、ここを登りたいって言いたしたそうなんです。もちろん途中で疲れてしまって、父と母が代わりばんこに私を抱えて登り切ったと聞きました。私自身は幼すぎて、覚えていないんですけど。(面映ゆさが表情や声色に滲む。いくつもある踊り場のひとつにやってくれば立ち止まり、小休止。)私が覚えていられずに忘れてしまったことも、一緒にいた誰かが覚えていてくれるなら無かったことにはならないんですよね。清麿さんが審神者の私を覚えていてくれて、会いに来てくれたのが本当に嬉しいです。……ただ、分からないことがあります。どうして私は、ここにいるんでしょうか。もう、本丸には帰れないんでしょうか。(視線を落として弱々しい声を漏らす。彼なら事情を知っているのではないかと、助けを求めるように。)

02/18 14:24*14

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(勇猛果敢、稀代の智将、そんな主ではなかったけれど。心を束ねるのがいっとう上手な人であった。今のように、信頼を余さず言葉として伝えてくれるのもその素養のひとつたり得る。)僕でよければ、いつでも喜んで付き合うよ。(微笑と共に声を和らげての応えは、偽りのない自らの望みとして。小気味良い音が鳴る階段を上り進めながら、約束通りあの夜の続きを教えてくれるのなら耳を傾ける。両親の反応を知れば些か笑みを薄くして「そう」とだけ。仔細を求められれば説明もしようが、そうでないなら流してしまおう。思い出話を語る彼女の声は穏やかで、その表情もまた楽しげに映る。微笑ましい親子の日々を、克明に思い描ける程人というものを理解しきれていないけれど。倣うように己もまた立ち止まり、格子をすり抜けて吹き込む風にそうっと瞳を細めた。静かに話を聞き終えたならば、ようやく唇を開くだろう。ゆっくりと瞬きを差し挟んでから。)……主は、本丸に帰りたいのかい?(返したのは彼女が求める答えではなく、確かめるような問い掛け。いつもよりちいさく思える少女を見つめながら、)今回、突然本丸から消えてしまった審神者は君以外にもいたんだ。本丸に戻った者もいれば、戻らず、此方での生活を選んだ者もいる。……必ずしも、戻らなければならない事はないんだ。(命令は伏せたまま、それでも語る言葉とて嘘にはならない。始めから道をひとつに縛るのが嫌なだけだ、語調は平素と何一つ変わらない。)大学での時間や、ご両親と過ごす時間を。今のこの生活を、選んだっていいんだよ。(提案ではなく、その道があることをただ教えるかのように。後続の人々が追い越して階段を上っていく。学帽をやや深く被ると、)少し、考えてみて。(思考を促しながら、手を差し出したのは、それを彼女の“冒険”を妨げる要素にはしたくないからだ。行こう、と暗に伝えるように。)

02/18 18:15*16

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(流れていく僅かな間さえ怯えそうになりながら、問いかけには深々と頷いた。思いも寄らない話を聞かされて驚き、弾かれたように上がった視線が彼のものと繋がったなら瞬きを繰り返すばかり。他の審神者にも似たような不思議が降りかかっているのであれば事態はかなり深刻なはずなのに、落ち着いた語りがそれと感じさせない。おかげで驚きの声を上げることなく、横を通り過ぎて行く誰かの注目を引くこともなかったのは幸いだったけれど――優しく突き放されたような気がした。)分かりました、考えてみますね……。(ずきりと胸が痛んで生返事をしてしまう。選ぶまでもないのに。彼の手に自分の手をそっと重ねて、冒険の再開といこうか。繋いだ手をこちらからは解き難く、許されるのならそのまま登っていきたい。先程よりも足が軽い錯覚を覚えながら、順調に進んでいくだろう。もし、先を急ぐ後続者がやってきたならば、妨げにならないよう渋々離そうともするだろう。暫く黙って登っていたが、徐に口を開く。)清麿さんが私の気持ちを尊重してくれているのは、いつも感じていました。そんなあなたに甘えてしまって、ずっと聞けなかったことがあるんです。(深く息を吸い込んでゆっくりと吐き出して、続きの言葉は敢えて感情を込めずに淡々と。)あなたはどう思っているんですか。……私が皆さんを捨てて、ここで暮らしたらいいと思っているんですか。

02/18 21:36*17

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(手を取って貰えたならば、そのまま優しく握った。彼女の挑戦を邪魔しない程度に、時折補助するように手を引く場面もあっただろう。周囲の賑わいに包まれながら、ローファーが鋼の地を蹴る音だけを聞いていた。――やがて、その耳に届いたのは初めて知るような声音で。思わずゆるく瞬く。先を歩いていた足が一度止まりかけて、再び動き出す。踊り場へ辿り着いたならば手をほどき、立ち止まって振り返った。)……ごめんね、傷つけるつもりはなかったんだ。(微かに眉尻を下げて、侘びるようにやや顔を俯けた。感情を押し殺した声は痛々しく、重ねる問いの性急さからもその胸中を察せた気がして。けれど、)どちらがいい、とは思っていないよ。(語る言葉はあくまで中立的で、真実“彼女に選ばせる”ことに一貫していた。人の心に寄り添うという面は、ともすれば親友の方が適していたのかもしれないが。音にならない息を、ひとつ吐いて。)僕はね、主。君が、周りの声や目に流されて、自分の心の声が聞こえなくなる事を恐れているんだ。君の人生は、君のためにあるべきだ。君自身の思いを何より一番大事にしてほしい。(紛れもない、源清麿としての願いを穏やかに紡ぐ。それから少し、考えるように瞳を伏したのち。)けれど、そうだね。君が、君の為の決断をする為に僕の意見が必要だと言うなら。その時は応えるよ。(力になりたいという思いは、ずっと変わらない。それを伝えられたならと、微笑みを浮かべて。)

02/18 23:33*19

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(ほどかれた手を胸元に引き寄せ、握り締めた。謝罪の言葉を素直に受け入れ得られずに黙り込む。果たして自分は、彼に傷つけられたのだろうかと。身に余るほど与えられる優しさや思いやりがひたすら心苦しい。先日には随分探し回ったと聞かされた以上、彼の思いを一切汲まないなど人として在り得ない。そうして耳を傾けるほどに、主を立てようする彼の気持ちが思い知らされる。)……両親みたいなことを言うんですね。私の好きにしたらいいって。(独り言を呟きながら、逃げるように視線を逸らした。寛容さは時に残酷であり、自由に選択できるのはこの上ない贅沢なのだろう。見ていなくても、彼が微笑む空気が感じられる。緊張とも不安とも分からない騒がしい鼓動を携えて、再び彼と向かい合おう。)あなたの意見を聞かせてくれますか。でも、その前に――。(おずおずと両手を伸ばして、彼の学帽の鍔を掴もうとした。抵抗されなければそのまま、そっと学帽を取ってしまおうか。理由を尋ねられたなら、ちゃんと顔を見て話がしたいと悪戯な子供のように笑って答えるだろう。帽子が無くて落ち着かないようなら、すぐに返すつもりだ。)刀剣男士が人でなくても、あなたには心があって……私にとって清麿さんはたったひとりの大事な方です。(同じ名前と姿の刀剣男士が何振存在しようとも、自分にとっての“源清麿”は眼前の一振だけだと朗らかに告げた。彼がそうしてくれるように、自分もまた彼の思いを一番大事にしてほしいと願っている。)

02/19 14:38*23

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(求められる答えを与える事を優しさと云うのなら、この源清麿はきっと優しくなどないだろう。彼女の気質を鑑みればこその判断であれ、理由など何の意味も持たない。ゆえにこそ、ふたりの間に流れる空気の変化は必然として受け入れよう。伸びてきた指先は避けるでもなく、学帽が取られたなら些か不思議そうに首を傾げたけれど。戯れの言葉にふと表情を綻ばせる。次ぐ言葉は真摯に心に届き、深く頷いた。)……うん、ありがとう。君がそういう主だってことは、僕もよく知っているつもりだよ。(そう長い付き合いではなくとも、審神者としての在り方は傍で見てきた。その考え方にも理解を示し、また言葉にしてくれる思いを有難く頂戴しよう。彼女が伝えようとしている全てを理解しているとは言い難くとも。瞳にかかる長い前髪を横へよけながら、唇を開くのはやはり少し考えた末。)とは言っても、伝えられることはあまり変わらないかなぁ……。僕が一番願うのは、君自身が望む道を選んでほしい、という事だから。それを冷たいと感じるなら、僕をそういうやつなんだと思ってくれていい。それが、僕が君から得られた信頼の程度なのだろうからね。(語る声には悲観も諦観もない。ただ、ほんの僅かな寂寞が混じるだけ。尊重を放任と取られるならばそれまでのことだ。真っ直ぐにその瞳を見つめて、微笑む。)君が自ら望み、幸せでいてくれるのなら。審神者に戻り危機に身を投じようと、全てを忘れて平和な世に残ろうと、僕はそれを肯定する。これが僕の意見だよ。

02/19 20:44*26

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(両手で預かった帽子を自らの胸元に添えて、波打つ鼓動を無意識のうちに隠そうとしていた。手厳しい意見をもらったとて、狼狽えるようなみっともない姿は見せたくない。忘れていた時ならばいざ知らず、自分は今も彼の主である。長く柔らかな前髪が流されて、よく見える端正な顔立ちを先日のように恐ろしいとは思わない。見慣れた微笑みひとつ愛おしむ。)ありがとうございます。それから、困らせてしまってごめんなさい。あなたを冷たいと感じたことは一度だってありません。とても温かで、……そうですね、優しすぎると思います。あと「そういうやつ」だなんて、自分のことを悪く言ってはいけませんよ。あなたのことを好きなひとが悲しくなります。(それすらも彼の優しさの一端と分かっているから責めるでなく、話し聞かせるような穏やかさで伝える。もし、ここに彼の親友たる一振が居たならば、自分と共に何かしら異を唱えていたかもしれない。少しだけ背伸びをして、彼の頭へ帽子をそっと乗せるように返そう。)私がどちらを選んでもあなたが認めてくれるなら、その先は何も怖くありませんね。とても頼もしいです。――もう少しだけ、考えてみます。(答えは未だ揺るがないが、彼が与えてくれた機会を無下にもしたくなくて、今しばらく引き延ばしてしまうのは許されたい。お誂え向きの場所が目的地であるし、返事はそこでしようかと。)私が幸せだったら、清麿さんも幸せですか?(彼の横をすり抜けて一足先に、そして跳ねるように一段登ってから笑いかけた。)

02/19 23:50*29

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(主から時折齎される、背伸びした少女のような論を耳にするのも酷く久しく感じられ、ちいさく笑みを零す。やや逸れた解釈に「仮定の話さ」とかろい調子で訂正はしておこう。心優しい彼女が案じてしまわぬように。戻ってきた学帽を慣れた手つきで整えたのち、)うん。たとえ君がどんな選択をしようと、僕だけは絶対にそれを否定したりしない。そしてそれが正しい決断だったと、君と共に信じ続けるよ。(ひさしに陰る瞳はそれでも鮮やかな色で彼女を映し出す。誓いの如き言葉は、特別さを際立たせない、平凡に穏やかな響きで。そよぐ風に添え置くように。やがて先を行く姿があれば瞳で追って、一歩を踏み出す前にその場から見上げた。)もちろん。だから、君はそうして笑っていて。(応える笑顔にはひとつの不純も混じり入らず、続くように階段を上り始める。彼女の調子に気を配りながら、一定の速度を保ちながらふたりだけの冒険を続けてゆこう。)……そういえば、答えていなかったね。君が記憶をなくして此処にいた理由は、僕達にも未だよくわかっていないんだ。本当にある日突然、前触れも無く主が消えてしまって。誰の、何の為の思惑かは、目下調査中といったところさ。……君が消えた後の本丸は大変だったよ、色々とね。(くす、と笑うさまは語る内容とは裏腹にやわくあっただろう。一段ずつ空へと近付いて行きながら、負担にならない程度に雑談を交わしたい。疑問が残るようならば、それを解いてゆくのでも良いだろう。今この世界での話を聞けるのだって嬉しい。)

02/20 23:53*34

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(もしもの話は彼の毅然とした姿勢の表れであればと、一抹の憂いを眼裏に仕舞い込む。時として彼自身を顧みないように聞こえてしまう言葉は、彼の絶対的な意思の強さであったのだろうと考えを改めた。心強くも穏当な言の葉に、頬が緩んでいく。少しばかり彼を見下ろしながら、相好を崩して明るく返事をした。)はいっ!(短い言葉にも喜びが滲む。彼の幸せが、自分の幸せにつながっているのなら、ふたりぶんの幸せが自分に掛かっているとも捉えられ、自らの幸せとは何なのかを今一度考える。単純な運動は思考を巡らせるのに適しており、没頭しているうちは疲労を感じずにいて。)……私に付け入る隙があったことは否めません。皆さんには心配や迷惑を掛けてしまいましたね。本丸は山姥切さんが上手くまとめてくれていると思っているんですが、(修行を経て心身共に強くなった始まりの一振りを思い浮かべて、ふと。)清麿さんが来てくれたのは、山姥切さんや皆さんで話し合って決めたんですか?(他意はなく、単純な興味と関心の域を出ない問いだった。一応は主としての公平な目線から、他にもこちらへ来ることを望んだ刀剣男士がいたのではと思った次第。上へと登り行くにつれ吹き抜ける風も僅かながら強さを増しており、靡く髪を軽く押さえつつ。今日までのことを振り返れば足取りが自然とのろくなる。)父や母のように人の役に立つ仕事がしたくて、でも同じ道には進みたくなくて大学の法学部に入りました。暮らしているときには殆ど知ることのない、この国の法を学ぶのはとても興味深いです。審神者について就任する前は詳しい話を聞けませんでしたが、歴史を守ることも人の役に立つ仕事に変わりありません。私はどちらを選んでも、多分きっと幸せでしょうね。(他人事のように言ってしまうのは客観的に物事を見ようとしたからで、それぞれの先を薄ら思い描いてみては目を細めた。)

02/21 22:37*41

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(此度の顛末において彼女に非は無いだろうが、その責任感の強さも知っているがゆえに自戒の言葉は静かに聞き届ける。二度目を起こさない為の話し合いは必要としても、それは今では無いだろう。やがて唇を開く前に、向けられた問いに「うん」とゆるやかに頷いて。)立候補した中から話し合いの末決定した、という感じだね。山姥切国広も最初は自分がと言っていたけれど、やはり『始まりの一振り』が本丸にいなくては、という話になって。かわりに決定権を彼に委ねることで落ち着いたのさ。それで、僕が来たんだ。(当時のやり取りと言えば鬼気迫るものだったが、語り聞かせる安穏とした口ぶりからは想像がしづらいだろう。「みんな、君が息災と知ればさぞ安堵するだろうね」との呟きは、未だ本丸に現状を通達していない事を示している。澄んだ風と戯れる彼女の姿を瞳に映し続けながら、「ご両親はどんな仕事を?」と話の合間に向いた関心を口にした。己が伝えたとおり、彼女は“考えて”くれているのだろう。思い描く未来と、これまで知り得なかった彼女自身の欠片を耳に、浅く頷いて。)人の役に立ちたい、というのが君の根幹なんだね。主らしい。そこが揺るぎさえしなければ、きっとどんな道を選んでも後悔しないだろうと思う。だからあとは……どちらが好きか、どちらが楽しいかで決めてしまっても良いのかもしれないね。(軽い言葉調子でありながら、けして冗句めいた其れではなく。“誰かの為”を自らの意思とする彼女の、我が儘を差し挟むならばきっとそこだろうと思えたがゆえに。赤い鉄骨に囲まれた空間を行き、道中に添えられた趣向を凝らした看板などにも目を向けては、声を掛けることもあっただろう。やがて階段の終わりが見えて来たなら、目的地はもう間近。最後の踊り場へと降り立つ一歩は先ず彼女へと譲るように、己は一段下から続いていこうか。)

02/23 13:43*50

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(穏やかな語り手に誘われ、つとめて冷静に話し合ったであろう彼らを想像しては安堵した。全く揉めなかったこともないであろうが、傍らの彼がそうしたように、誰に聞いてもきっと教えてくれないだろう。何気ない言葉の応酬にも、自分が大切に扱われていると感じられる。)清麿さんも立候補、してくれたんですね。(一点の事実を味わうように呟いた。自分の選択を待って、本丸の皆をぬか喜びさせないよう彼の深い配慮には感謝の念が堪えない。父は研究職、母は看護師だと答える際は少し誇らしげに。家族の時間は殆どなかったけれど、人のため懸命に働く両親を嫌いにはなれなかった。)あら……、ふふっ。清麿さんは先見の明がありますね。私もそうしようと思っていました。(好きで、楽しいほうを。同じように考えていたのが嬉しい。いよいよ冒険の終わりを迎えて達成による高揚感と、彼がこれまで与えてくれた心強い言葉を以て堂々と告げよう。)私は審神者を続けます。これからもどうか力を貸してください。改めて、よろしくお願いします。(曇りない笑みと共に片手を差し出して、握手を求めた。)それから、私の冒険に付き合ってくれてありがとうございました。皆さんへの土産話が出来ましたね。(一糸乱れぬ彼を前に嬉々と語る最中、忘れていたものが追いついてきた。心地よい疲れを感じながら、上がる息を整える時間を貰いつつ、展望台へと進んでいこうか。)帰ったらやることがたくさんありそうです。今回がんばってくれた清麿さんにはゆっくり休んでもらいたいのですが、良ければ手伝ってもらえますか。――茴香の種まきを、一緒にしてください。(蒔いた種が芽吹き、花を付けて実を成す。そんなひととせを重ねて、彼と歩み続けていきたい。)清麿さんは、何かしたいことがありますか? どうぞ遠慮なく言ってください。

02/23 17:09*51

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意外だったかい?(立候補について拾われたので、軽く首を傾げて問うてみる。揶揄や企ての類には非ず、彼女が何故己が来たか尋ねた声色に近いだろうか。両親のことを語る彼女の表情はやはり明るい。そこに安堵を抱くのは勝手な感傷かもしれないが、「そうなんだ」と応える声はとりわけ穏やかにあった。)あはは、それなら『以心伝心』の方が合っているんじゃないかな。(同じ考え方であったのなら、その背を押す事も叶ったろうか。そう思えば、己が赴いた意味があるというものだ。降り立った踊り場にて改めて彼女と向かい合う。やさしく吹き抜ける風にそうっと双眸を細めて、決断を静かに聞き届けた。)……うん。君がそれを望むなら。ありがとう――“おかえりなさい”、主。(深く、静かな頷きは、その選択を肯定するように。差し出された手を優しく握り、今この時を以って真の再会としよう。疲れを覗かせる様子に気を配るも、満ちた表情を前に過度な心配はせず。ただ、髪がやや乱れている事が気になってしまい、頬にかかる髪を整えるように指先で撫でやった。目が合えば柔く笑うだろう。)僕の方こそ、冒険の供にしてくれてありがとう。初めて見る景色でとても楽しかったよ。(公園での語らいから今に至るまで、本丸では持てなかった時間を過ごせた事は幸いな事だ。迷いなく応え、展望台へと向かう彼女の隣を歩く傍ら。)……あぁ、主が育てているハーブ、だったかな。僕でよければ喜んで。(主の名と同じ響きにやや理解が遅れたが、及べば快く返事をした。彼女が大切にしている物を触れさせて貰えるという信頼を感じ取れば、おのずと笑みが深まる。したいこと、を考えてみながら展望台へと歩み、その際に渡された認定証に目を丸くした一幕を挟んだのちに。)……そうだなぁ。夕昏まで、ここから景色を眺めていたい。どうかな?

02/24 01:34*58

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ええ、少しだけ……でも嬉しいです。(控えめに添えた言葉から、悪い意味ではないと上手く伝わればよいのだけれど。いつもは見守る立場にいる彼が、進んで名乗り出たのは珍しいように思われた。彼が言うように互いの心が通じ合っているのならば、満ち足りた温かな気持ちが彼にも在れば幸いである。)ただいまです、清麿さん。(認められて、迎えられる喜びを。手のひらから胸の奥にかけて、しみじみと感じていた。不意に撫でられた理由が分からずきょとんとしたものの、指先の動きから何となく察して肩を竦めてしまう。自分も手櫛でささっと髪を整えたがったのは言うまでまでもなく。ふたりで手にした認定証を感慨深く見下ろした後、鞄の中へ大事に仕舞った。)せっかく登ってきましたから、すぐに降りてしまうのはもったいないですよね。清麿さんが会いに来てくれた日は綺麗な茜空でしたが、ここから眺める夕日も見ごたえがありそうで楽しみです。(少しずつ移り変わっていく景色を共に眺める時間は、それはそれは穏やかで。交わしていた会話が自然に途切れてしまっても、優しい沈黙が流れたはず。空を泳いでいく雲の形が偶然の産物で、あの管狐に見えてしまい笑いを零しては、彼にも可笑しみを分けようとしただろう。いよいよ帰路に就く段になって、展望台より見下ろせる公園から帰っていく親子の姿が微笑ましく――。)清麿さん、手を……繋いでもらってもいいですか。(自分の手は、まだ手すりに預けたまま。小さな声で口走ってしまったささやかな願いの行く末がどうであれ、彼が傍にいてくれるのなら、胸を掠めた幼い頃の憧憬さえ美しい思い出となる。)

02/24 23:28*64

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ありがとう。……実は、君を見つけたのも夕暮れが綺麗な日だったんだ。だからなんだか、僕にとっては思い出深くてね。(楽しみ、と前向きに受諾して貰えたなら厚意に甘えて今暫く眺望を楽しもうか。守っていく歴史、を改めて目に焼き付けるように。その中には、当然彼女自身も含まれている。時には場所を変えたり、飲み物を調達するなどして、ひたすらに眺めるばかりではなかった筈。不思議な形の雲を指された際には共に表情を綻ばせる一幕もあっただろう。――そうして、陽が西側へと傾き始めた刻。茜に染む景色を、きっとこれから先幾度と無く思い起こす。それを静かに瞼に閉じ込めたならば、“したいこと”の達成として。さてそろそろ、と帰還の準備へと向かう前に。)……いいとも。ふたりで、一緒に帰ろう。(彼女の視線の先を一瞥したのち、こくりと頷く。やがて手すりに添う指先を掬おうとして、動きを止めた。数秒にも満たぬ間考えたのち、白い手袋を外して今一度その手を迎えにいこう。繋ぐ事が叶えば、互いの持つ温度というものをより身近に感じられた筈だ。)色々言ったけれど、主が戻って来てくれて嬉しいよ。僕らには、誰よりも何よりも、君が必要なんだ。(手を揺らし隣を歩きながら、茜空の下で囁いた。後押しとするには劇薬ともなり得る、ずっと仕舞いこんでいた想いと事実。其れらをようやっと伝えては、端末にて本丸にも連絡を入れよう。その際の息を呑む緊迫感も、皆の喜び様も、聞こえた嗚咽の音も、すべて彼女の存在というものの大きさを示している。「覚悟して戻らないと、だね」なんて笑う表情は少年のように朗らかだった。)

02/25 01:25*66