(その日は備品買出しの為に来ていた。週末の影響か、人の数は多くあまり長居したくはないのが正直なところ。早々に用事を済ませて戻る予定だった、のだが。)……そう。お母さんがいなくなったのはどこかわかる?(雑貨屋へと向かう途中、しきりに周囲を見渡しながら一人で歩く女児の姿を見た。声を掛けてみれば案の定、迷子のよう。今にも泣き出しそうなのに、それを堪えようと必死に唇を引き結ぶ姿がいやに健気に映り、ちいさな両肩を優しく撫でた。)大丈夫、すぐに会えるわ。お姉ちゃんに任せて。(語り掛ける声は意識せずともやわらかくなる。屈み込んでつぶらな瞳を見つめれば、不安を揺るがせながらもしっかりと頷いてくれた。そうして立ち上がり、さあ、とその手を取ろうとしたのだけれど。少女は近くを通り掛かった人の足を掴まえては、ぴったりくっついてしまった。予想外の行動にぱちと睫毛を上下させたのち、)……その子、迷子のようで。サービスカウンターまでつれて行きたいので、申し訳ないのですが一緒に来てくれませんか?(もしも少女の家族だと言うならこの場で解決なのだけど、恐らく違うだろう。協力を乞うのに躊躇はなかった。)
02/06 02:16*70
(人探しは得てして賑やかな、人が多く集まる場所で行いがちだ。週末の賑やかなショッピングモールは目論見通りたくさんの人で賑わい己が主たる審神者を探すには持ってこい――だと思っていた。縦横無尽に行き交う人々を眺めているだけで目が回るような心地を覚えつつ足を進めていたその時、軽い衝撃と共に左足が重くなる。何事かとそこへ視線を向けてみれば短刀たちと同じ頃かそれよりまだ幼いか、少女がしがみついている姿が見て取れ大きく目を瞬かせ。ええとと顔を上げると同じように目を瞬かせていた彼女の言葉に合点がいったとばかりに首を縦に振って見せ。)もちろん。よしよし、ひとりでこころぼそかったね。なかずにがんばってえらいぞ。(しがみつく少女の手を解きしゃがみ込んで覗いた顔には今にも零れ落ちそうな涙が滲んでいる、それを零すまいと耐える姿は同派の短刀を思い起こさせ自然と褒めるような言葉と共に小さな頭を軽く撫でた。そうしてよいしょと軽々と抱き上げてしまうと彼女へと向き直る、何せ太刀はこの施設の構造を知らない為に少し気恥しそうに笑いかけ。)……ところで、さーびすかうんたーとはどこだろう?
02/06 11:39*72
(少女が引き止めたのは上背のある男性。身体の大きさに反し、威圧感とは程遠い、穏やかな気風すら感じられる。“姉”として振舞う事に慣れてはいても、幼い子供に好かれやすいかと言えば別。むしろ、彼の方が余程扱いに慣れているように見えた。やがて軽々と少女が持ち上げられた際には、乏しい変化ながらも僅かに瞳を丸くして。)え、と……少し歩くことになりますが。こちらです、ついてきてください。(普段よりも高い視界に喜ぶ少女の姿を見れば、安心して任せることが出来よう。踵を返し、手で示した先にサービスカウンターがある。二歩程前を歩いて、先導するような形で目的地へと進んでゆく。道中、話題を振られたなら応じることもあるだろうが、基本的には前を歩いていただけだろう。後ろの様子を窺いながら。――サービスカウンターには既に少女の母親の姿があり、今まさに迷子のアナウンスをしようというところだったよう。親子の再会を眺める傍ら、)……子供の扱い、慣れてらっしゃるんですね。(ひそめた声で話し掛けたのは、親子に気を使わせない為。巻き込んだ上にほぼ彼に任せてしまったようなものだから、母親からの礼にも控えめに頷き返すのみだった。元気に手を振る少女には手首だけの軽い動きで返して――さて、役割を終えたならば彼へ向き直り。)ありがとうございました。あの子もでしょうけれど、私もとても助かりました。……お礼という程のものではないですが、差し上げます。よろしければ。(やや間を敷いて、鞄から取り出したのは勤めるフラワーショップの割引券。困らせるようならばすぐに引っ込めるつもりだが、受け取ってくれたなら一枚を託し、恭しく一礼をし去っていった。)
02/07 01:16*80