(「堀川国広は学生みたいだね」――それは顕現したての頃か。或いはもっと後だったかもしれない。己の戦装束を見て審神者が零した一言を、こうして令和の世で初めて理解した。とは言え今この身に纏うのはいつものジャケットではなく紺の詰襟だけども。ブレザーに詰襟と様々な制服や色とりどりの服を纏う人々が目紛しく目の前を通り過ぎて行く。)すごい人だなぁ…。(駅構内の、改札外にて。改札がよく見えるけれども邪魔にはならない端の方の柱に寄りかかりながら、大きな瞳は絶えずして目の前以外にも改札への方へと捉え続ける。)本当に…主さん、どこに行っちゃったんだろう…。(溜息混じりに独り言ちる。そして耳元に光る小さな赤い耳飾りを無意識に弄っていたのだがーーからん。何かが落ちたようなそんな微かな音を耳にすると、その方向へと視線をやり僅かに目を見開いた。)っあ!僕の…!(音を立てていたのが自分の耳飾りの留め具であることに気付くと慌てて手を伸ばそうとするものの、それは行き交う人々の方へと跳ねていってー)
02/01 20:08*10
(特徴的な白襟はここから幾つか離れた先の駅を出てまだバスを乗り継いだ場所にある女子校の制服だ、今日も今日とてすし詰めとまではいかずともそれなりの人に囲まれてやっと構内に降りて溜息を一つ。いくら勉強しても足りないような焦燥感から手元の単語カードに落としていた視線の端で何かがきらりと光りながら転がってきた。人々の足の間をすり抜けてローファーの先にぶつかって止まる、それは。)……キャッチ?(内申に響くからと化粧もお洒落も縁遠いけれどそれが何かはすぐに分かった、ずれた眼鏡を指先で押しあげながらしゃがみ込んで拾い上げる。まじまじと眺めたそれが転がってきた先で行き交う人の中立ち止まった詰襟の姿を見つけるとポケットからハンカチを取り出した、地面を転がり靴にぶつかってしまったキャッチを拭いながら歩み寄り白い布の中央に乗せたそれを差し出して見せ。)あの……これ、もしかして貴方の……?(自分と同じくらいの歳だろうか、目線が近い事もあって幾らか容易に声をかけられた事に安堵しながら首を傾けた。違っていたらごめんなさいと小さく付け足して。)
02/01 20:34*11
(誰かに踏まれてしまう前に、行き交う人の間を縫って手早く回収することは刀剣男士である自分にとっては容易い事だけれど、人間ではない身のこなしは目立ってしまう可能性も無きにしも非ず。主を探す為には下手な真似は出来ないと唇を噛み締めながら、転がって行った留め具を回収しようと一歩踏み出したのだが、)――…あっ、(自分が回収するより先に拾い上げてくれた一人の少女。思わず凝視してしまったが、こちらへと向かって来るのを見れば己も一歩歩み寄って。)はい!僕のです…!(彼女が拾ってくれた自分の留め具を大事にそうに白い布の上から持ち上げると、拳の中に握り締め、満面の笑みを浮かべながら頭を下げた。)ありがとうございます!…これ、とっても大切なものなんです。良かった…落とした自分が悪いんですけど踏まれて潰れちゃったらどうしようって思ってたから。本当にありがとうございます。(一度掌を上にして開きその小さな留め具を見下ろすと、無事に手元に戻ってきたことに安堵したように大きく息を吐き出した。そして最後に会釈をすればこの場を後にしようか。)
02/01 22:48*15
(ハンカチへ乗せて差し出したそれはどうやら間違いなかったようで、大切そうに持ち上げられたキャッチを目で追って内心胸を撫で下ろした。常であれば誰かの落とし物を拾う事も、持ち主らしき誰かに声をかける事もどちらも恥ずかしくて出来はしなかったはずなのにと些細な違和感が過るも目の前の笑みに霧散する。なんとなく、我が事のように嬉しくなってしまった事も要因の一つかもしれないけれど。)良かった、ここ、たくさん人が通るから…。私も一度、躓いて飛んだ眼鏡を踏まれたことがあって。(少し恥ずかしそうに言葉を零す間にも途切れる事の無い人波は喧騒と共に続いていく、息を吐き出すその姿に余程大切なものだったのだろうと察して良かったともう一度小さく呟いた。)一応拭いたけれど、私の靴に当たっちゃったから…つける前に洗った方が良いと思う。…どういたしまして、気を付けて。(会釈する彼につられて同じように頭を下げる、去っていく背へと胸の前で小さく手を振って見送って少し。どこの学校の制服だろう、と首を傾げながら家路についた。)
02/01 23:57*19