主は「タピる」という言葉を知っているかね?(主の前で正座をして誉十個のお願いを告げる前に、まず問いかけた。主が知っているならば説明は割愛し、知らないようであれば嬉々と話すだろう。平成の終わりから令和にかけて、若者の間で流行した言葉だよと。)僕はこの「タピる」をやってみたい。調べたところによると、複数人で買いに行って記念写真を撮ることに大きな意義があるらしいんだ。先に肥前くんと陸奥守くんを誘ってみたんだが、断られてしまってね。こんなことを頼めるのは、もう君しかいないんだ。付き合ってもらえるかい?(参考資料として流行語をまとめた本やら、令和初期を特集した雑誌やらを持ち寄りながら、ようやくお願いを口にした。切実な言葉とは裏腹に、声色はいつも通り穏やかそのもの。現世へ行き、時代の流れを感じながらタピりたいと付け加えておこう。はっきりと物を言ってくれる主なら、行きたくない場合はきちんと教えてくれるはず。信頼めいた安心感があっての申し出だった。――そう遠くない、お互いの予定が空いていた日。晴れてお出掛けと相成れば、令和の賑やかな街中にて。白地に細いストライプ模様のシャツ、紺色のサマーカーディガンに白いパンツと、時代に合わせた洋装で主の隣を歩いていた。髪は内番のときと同じく後ろで一つに結んでいるが、チェーンのついた丸眼鏡は健在だ。目当てのタピオカドリンク専門店までやってきたが、少し並ばなければいけないらしい。)ほう、かなり繁盛しているみたいだ。一緒に並んでもらっても? ああ、疲れているなら、そこのペンチで休んでいたまえ。注文は僕がしておこう。
06/17 12:49*17
え?…うん、知ってるけど…どうしたのよ、いきなり。(めでたく誉十個を獲得したお祝いの願い事を聞こうと身構える女は予想外の問いに片眉を上げて怪訝そうに首肯する。けれど彼の説明も合っているか確認するとの口実で聞きたがる。)貴方がタピる…また突然な…でもまあ、満足するまでやってみたら、いいんじゃないの?そりゃ肥前はあの性格だし、断るでしょうよ…けど陸奥守まで断るなんて意外ね。まあ…そうね、断られて他に誰もいないっていうなら…仕方ないわ。私も現世に行きたいし、とことん一緒にタピってあげる。(照れと自尊心の高さゆえ、やむを得ずという態度を形ばかり取るが、内心では嬉しさに小躍りしそうな心地だ。彼の持参した本や雑誌にさらりと目を通しつつ、ぶっきらぼうな表情なのは気を緩めるとすぐ喜びでにやけそうになる顔を無理やり抑えているせいだ。――そうして互いの休みが合った日、念願のお出かけが実現した。前日まで悩みに悩んで選んだ服はコーラルピンクと緑の小花柄のワンピースに薄色デニムジャケットと日よけにオフホワイトの女優帽を被って、目的地の専門店に到着。)こんなに並んでいるとは思わなかったわ…本当に流行っているのね。一緒に並ぶわよ、当たり前でしょ。貴方だけ並ばせて自分だけ休むなんて…気が休まらないし、退屈じゃない。並んでいる間に注文も考えたいし…それに、こういうのは並ぶ時間も含めて楽しむものなのよ。(折角、彼と共に居られる機会を逃すなど考えられず、彼に先んじて列の最後尾に並んでしまおうと。)
06/17 19:28*25
(縁ある二振りに断られた際、揃いも揃って主と行けばいい、まず主を誘えと言われたことは伏せておいた。色よい返事が貰えたならば、感謝を述べつつ首を垂れる。ぶっきらぼうな表情でさえ、己が心を惹きつけてやまなかった。最後尾へ並ぶ主に付いて行く形で、己も列をなすひとりとなろう。)並ぶ時間も含めて楽しむもの、か。なるほど。さすが(主だ、と言いかけた口が止まる。現世においてその呼び方は、悪い意味で注目を集めてしまう。他の呼び方をと咄嗟に出たのが)お嬢さま。(だった。至極真面目に、決してふざけてはいないと分かってもらえるかどうか。店員から並んでいる客向けに配られた三つ折りのメニュー表を、主に見えやすい位置で広げよう。紅茶、ミルク、珈琲、ヨーグルト、ジュースなど様々な飲み物が選べるようだ。)僕はミルクティーにしようかな。君はどれにする?(やや身を屈めて、主の顔を覗き込む形で問いかけた。返事を待たずに、言葉を次ぐ。)今日は一段と可愛らしいね、服の色がとてもよく似合っている。華やかな帽子も素敵だ。肥前くんや陸奥守くんにも見せてあげたいぐらいだよ。(ひとつひとつを目を遣りながら褒めていき、最後に主の瞳を見つめて柔らかな笑みを浮かべた。)
06/18 00:53*46
別に…二人で来てるんだから、出来るだけ一緒の体験を分かち合う方が楽しいと思うだけよ。(褒められるのは嬉しくもくすぐったくて、素直に喜びを表現するのに照れくささが勝ってしまえば、相変わらずの可愛げのない態度が顔を出す――が、次の言葉で諸々吹っ飛んだ。)……~~っ!?げほっ、えほっ…!…ちょっ、いきなり何言ってるの、吃驚するじゃない…!貴方はいつから私の執事になったのよ。……普通に花火と呼べばいいでしょ。わ、私も…朝尊って、呼ぶから。(大真面目な顔から冗談でないと察して、気を取り直しながらメニューに目を通す。)思ったより色々あるわね…お揃いで王道のミルクティーも捨てがたいけど、うーん…。(基本的に迷う時間が長くない女は、彼と同じものを頼む事へ憧れもありつつ折角だからと気になったメニューを選び、口に出そうとするも、その前に彼の言葉が重なった。)え…?あ、ええと…ありがと。…別に、貴方に見てもらったから、もういいわ。この日のために選んだものだし…っ、…と、とにかく、私はレモンピーチティーにするから!(ぽろりと零れ出た本音を誤魔化すように微かに頬を染めて注文を告げたなら、そろそろ列の順番が回ってくる頃か。)
06/18 10:46*56
(主が突然咽せた理由が分からず、それでも気遣わしげな視線は送る。背中をさすってあげるべきだろうかと頭の端で考えたが結局、行動には移せず終い。)付き添いという意味合いならば、執事で大差ないかもしれないね。……君の美しい名前を呼べ、と?(なんて恐れ多いことを。真剣に聞き返したものの、主も己を気兼ねなく呼んでくれるというならば応えるべきだろう。しぶしぶ、おずおずと頷いてみせた。お揃いなる甘やかな響きが耳を打てば、口元が緩む。メニューを見て考えている主も可愛らしい。だが、今度はこちらが面食らう番だった。)今日のためにわざわざ選んでくれたんだね、ありがとう。君はいつも綺麗にしているから、服装はすんなり決まるのだろうと思っていたよ。ところで僕は、君の隣を歩くに不足ないかね?(一応この時代の流行りは押さえたつもりだけれど、例えば丸眼鏡が合ってないと言われれば躊躇なく外すつもりで尋ねてみた。眼鏡は己を形づくるものであり、視力に大きな問題があるわけではない。)レモンピーチティーだね、分かったよ。(列は次第に前へと動いていき、ようやく順番が回ってくれば注文を済ませて飲み物を受け取った。先程見つけたベンチに向かい、目立った汚れがないのを確かめてから勧める。主が座ってから飲み物を手渡し、己は主の隣へ腰かけようか。)そうそう、飲む前に記念写真を一枚撮っておきたいんだ。少し待ってもらえるかい。(手のひらに収まる大きさの、薄い板状の通信端末を取り出した。スマホというやつだ。撮影機能を立ち上げれば、画面にふたりの姿が映し出される。)「映え」というものが今ひとつ分からなくてね。……花火さん、は得意だったりするのかな?
06/18 16:08*68
(不意打ちすぎる動揺からの回復は早かったが、すっかり調子は狂わされっぱなし。)だとしても、私はお嬢様扱いなんてむず痒くてお断りよ。……っ、別に、普通の名前だし、気兼ねなく呼べばいいでしょ…!嫌なら別にいいけど。(何故か及び腰の反応にむすりと不機嫌な顔を覗かせるのも数秒だけ。彼の言葉にすぐ一喜一憂する己の未熟な心が恨めしい。)ち、ちが、…わないけど、…。…お洒落するのは好きだけど、今日はまた別よ。え?いいえ、…シンプルで落ち着いていて、貴方によく似合ってるわ。素敵よ。大体、可笑しければ出かける前に言ってるわ…だから、自信持ちなさいよね。(一段と格好良く見えて長いこと直視できないのは余談として、彼の格好への感想を伝えていなかった事に気づいて密かに反省も。――そうして互いの注文を済ませ、ドリンクを手にして彼が見つけたベンチを勧められたなら、細やかな気遣いに感謝しつつも大人しく腰を下ろして息をつく。)え?ああ…どうぞ、待っているから、気が済むまで撮って。(と刀剣男士ながら器用にスマホを使いこなす様に自然と目が向くのは惚れた弱み。)え?私も得意とまでは…上手な人が山ほどいるし…。手軽に映えさせたいなら、ポートレートモードは?メインにしたいもの以外を暈すのよ。で、飲み物はよく見えるように手前で持って…ほら、こんな感じで。(少しだけ隣の彼との距離を詰め、見本を示すように自身のドリンクを店のロゴが手前に来る位置で持って差し出すように、ぐっと少し前に出してみせる。)まあ、これでどこまで映えるかは分からないけど…とにかく、映えさせたいものを目立たせるようなポーズにすればいいのよ。分かった?(実演してみせるもいまいち自信が持てず、最後は大雑把な説明に着地した。)
06/18 18:55*75
(刀剣男士が主と呼ぶ存在も、世間一般的にお嬢さまと呼ばれる存在も、敬うべき大事な人という点では相違ないように思われた。主に固辞されたならば、言い訳じみたことは言わないでおこう。)気兼ねなく、それが出来ればどんなに良かっただろうね。(神妙な面持ちで、独り言じみた呟きをぽつりと漏らした。主の名を呼ぶ行為すら憚られるのに、あまつさえ想い人の名を口にするなんて、柄にもなく緊張してしまいそうだった。嫌ではないとだけ、きちり伝えて。己の服装に一言問題ないと返して貰えれば十分だったのだが、予想外に褒められてしまい何となく恥ずかしい。)君の言葉は本当に、心強いね。安心したよ。(照れ混じりの苦笑いを浮かべつつ胸を張って前を向いたのは、主に見られまいとするせめてもの悪あがきだった。主の手ほどきを受けながら、スマホの撮影機能を細かく調整していく最中――不意に詰められた距離に、息を呑む。主に倣い、飲み物を少し前へと出す動きが驚くほどぎこちない。)こうかな。ああ、よく分かったよ。それでは、何枚か撮らせてくれたまえ。(一声かけてから撮影をし、撮れた写真を主にも確認してもらおうか。ふたり揃って一番いい顔をしているものがあれば、画面を見つめて静かに微笑んでいただろう。)協力に感謝するよ。時間を取らせてしまったお詫びに、僕のミルクティーをお裾分けしよう。(どうぞ、と己が持っていた飲み物を差し出した。先程ミルクティーとレモンピーチティーで迷っていたため、最初の一口は主にあげようと決めていたのだけれど、受け取ってくれるかどうか。無理に勧めるつもりはない。飲み合わせがよろしくないとでも言われたなら、素直に引き下がろう。)
06/19 11:52*101
(執事らしく振舞う彼にも魅力を感じてやまないのは言わずもがなだが、お嬢様より一人の女として見られたがる面倒な女心がつれない態度を選んだ。)今日、何度も呼んでいれば…そのうち気兼ねしなくなるんじゃないの。知らないけど。(他の刀剣男士の目もないから沢山呼んでほしいと素直に言える可愛げがあるはずもなく、ふいっとそっぽを向いて素っ気なく音にする。)別に、そんな大した事は。でもまあ、ありがとう。(前を向く彼をここぞとばかりにチラチラと何度も盗み見して、反則級に格好良くてずるいと心の中で理不尽な悪態をつく。そうして彼に素人なりのコツを助言して、熱が入るあまり意識せず距離を詰めてしまったのだけど、後から思ったより近い距離にぎくりと心臓が跳ねたのは内緒。)そ、そう…?よかったわ。どうぞ、気が済むまで。……あ、よければ後で撮ったものを私にも送ってくれない?(数枚撮られた写真を一通り確認し、特に写りの良いものが見つかれば「これいいわね、いい表情してる」と自然に柔い笑みが浮かぶはず。)いいわよ、だってそれを目的に来たんだし…私も最初から付き合う気でいたから。……えっ!?い、いいわよ、貴方が買ったものだし悪いから…、……。けど、くれるなら…ちょっとだけ、貰っても…いいかしら…。(差し出されたドリンクを前にぎょっと双眸を瞠るも、すぐに断らず迷いが生じるのは、相手が彼だから。折角の最初の一口は彼に飲ませてあげたい気持ちもありつつ、断りたくない自身の欲もあれば――結局ストローに口をつけ、ほんの一口だけ啜ってしまおう。)お、美味しいわ…優しい、甘さで。……ありがとう。(と赤らむ頬を隠すように顔を伏せて、ぐいっと飲み物を彼に押し戻す。)……私の方も、飲んでみる?
06/19 17:59*115
(つれない態度、そっけない仕草。そんな態度を取られてしまった場合、普通ならば相手に対して申し訳なさを感じたり、謝るのが筋なのだろう。だが、己の目にはどれも可愛らしいとしか映らない。そっぽを向いた横顔に愛おしさすら覚えた。)ああ、それはもちろん。帰ってから写真を送っておこう。(最初の一枚は、お互い堅い表情をしていたかもしれない。二度、三度と重ねるごとに顔付きが良くなっていったであろう過程がこれまた面白く、撮った写真は全て残しておこうと密かに決めた。――それを目的に来たと言われ、思い出したようにぼんやり相槌を打つ。タピって写真を撮るのは、あくまで手段だった。目的は別に、今まさに隣に。主にしては珍しく迷っている姿を見守りつつ、味の感想を聞けば嬉しそうにする。)どういたしまして。おや、僕も貰っていいのかね? それでは早速。(迷いや遠慮のかけらは微塵もなかった。己の横髪が邪魔にならないよう手で押さえながら、主が持っている飲み物に口を寄せ、唇でストローを軽く挟む。一呼吸おいてから、こちらも一口分ぐらいをいただいた。ストローを離して、低い位置から主を見上げて感想を述べる。)果実の甘さの後、瑞々しい香りが鼻を抜けて美味しいよ。ありがとう。(にっこりと笑顔を残し、姿勢を正して今度はミルクティーを味わおう。主が言う通りの優しい甘さに、ぽこぽこと口の中へ飛び込んできたタピオカをゆっくりと咀嚼する。)……おお、これは面白い。流行語になるの頷ける。(夢中になって、あっという間に飲み干してしまった。)普通の飲み物と違って、タピオカがお腹に溜まるのも特徴的だね。(軽くなった容器を見て、今更に気づいてしまった。主が口を付けたストローに、己も口を付けてしまった。間接キスと呼ばれる行為だ。己は一向にかまわないのだけれど、主はどうだか分からない。ちら、と伺うような視線を向ける。)
06/19 21:49*119
(本当はもっと楽しそうに素直な笑みを見せたりできたらと常々思ってはいるのだが、理想と現実の乖離は大きい。そんな態度を取っても呆れたり嫌がらずに付き合ってくれる優しさに甘んじてばかり。)助かるわ。私も気に入ったから、あの写真。(穏やかな声で告げて、静かに瞳を細める。送ってもらえば、いつでも見返して一人きりでニヤけられると思ったのは口にしないが。――こうして目的は果たされたが、達成したから帰ろうとなるのは味気なくて寂しい気がすると思いつつ、探し中の延長の口実は見つからないまま。)うん…いいわよ、私も貰ったんだから。お返ししないと不公平でしょ。……あ、(言い出したのは自分ながら、己と違ってまるで迷いなくストローに口をつける姿に拍子抜けして、ついでに涼やかな所作にうっかり見惚れてしまう。)そうなの、甘酸っぱくて好きなのよね。(己の好みと重なる感想に思わず顔を華やがせ、相好を崩して何度も頷く。)ふふ、そうでしょ?噛むともちもちして、黒糖っぽい甘さが広がって…残さず食べると結構お腹がふくれるの。まあ、全部を吸い上げるのは大変だけどね。(タピオカの食感と味が好きな女は上機嫌に語って、自身もレモンピーチティーに口をつけてタピオカを吸い上げ、もっちりした感触を楽しんだ上で咀嚼する。――が、その直後に女も気づいてしまった。これが紛れもなく間接キスになっていることに。短刀に食べかけのお菓子を横取りされたりねだられた事は何度かあって、行為自体はそれと大差ないものであるはずだが――それに対して何も意識などしなかったのに、相手が彼だと全く勝手が違い、顔面に熱が集まっていく。)……~~っ!(しかもタイミングよく彼と視線が重なってしまえば、動揺のあまり勢いよく目を逸らし。)な、なんでもないから…!(と何かを言われるより先に飲み物を一気に飲み干してしまおう。)
06/20 03:01*130
(眩しいものでも見るように目を細め、ご機嫌に語る主の隣で楽しそうに頷きを返していた。タピオカの入った飲み物に関して事前に調べてはいたが、どんな詳細な記述よりも主の言葉のほうが有意義に思えてならない。向けた視線が主と搗ち合ったのも束の間、すぐに逸らされてしまう。目を丸くしつつ、主が飲み終わるのを大人しく待ち、そして徐に話しかけた。)驚かせてしまったかな。実は、確認したいことがあったんだ。君は日頃から、こんな風に飲み物を分け合ったりするかね? ちなみに僕は滅多にしない。(出陣先や遠征先で、水筒を空にしてしまった仲間に己の水を分けることぐらいはする。だが、それぐらいだ。日常生活においてそんな場面は一度たりともなかった。間接的にとはいえ主の大事な部分に触れてしまったので、遠回しに気づいているのか、嫌ではなかったかを確かめようとした。)それから、前々から君を見ていて思っていたことがある。花火さんは隠し事が苦手ではないかね? さっきは、何でもないという顔ではなかったよ。(案じる気持ちから、声色に憂いを帯びる。顔を赤くして、言葉を詰まらせていた様子から、吸い込んだタピオカの入りどころが悪かったのかと思いかけた。間髪入れず主が口を利いていたので、タピオカは関係ないとすぐに分かったのだけれど。)そうそう、君の時間をもう少しだけ僕にくれるかね。あそこに行ってみたいんだ。(指さした方向、徒歩十分ぐらいの距離に巨大商業施設がある。屋上には観覧車が回っていて、いい目印になるだろう。己の用事にだけ付き合わせるのは申し訳なく、あの大きな建物であれば主の好む何かがあるのではないかと期待して。特に何もなくても、色んな店を見て回るのは楽しそうだとも考えた。)
06/20 21:17*140
(彼の穏やかで理知的な眼差しを向けられるとくすぐったくて、落ち着いた瞳に見つめられるほど落ち着きが失われてゆくのが分かる。そんな目まぐるしく変化する己の感情にも目を背け、啜ったドリンクは後半あまり味が分からなかった。)へ、…平気よ、本当に。……え?食べ物とかお菓子は…まあ、主に短刀の子とか食いしん坊たちに分けてって言われて食べかけのを半分あげたり、横取りされる事は…まあ、それなりに。でも、飲み物は私もまずしないわね…貴方が、初めてかも。別に、嫌だなんて微塵も思っちゃいないわよ。(改めて尋ねられると答えるのに若干口ごもる様子も覗いたが、嘘偽りなく率直な答えを返した。余裕が無くて誤魔化すなど考えもしなかったが、どうあっても不愉快に思っていない事は強めに伝えて。)……っ!?そ、そうかも…しれないけど…だから?主としては頼りないって?あ、あれは、…私個人の問題というか、とにかく私が未熟なせいだから、貴方は気にしなくていいの。(彼との間接キスを意識して動揺したなど口が裂けても言えるはずがなく、新たに吸い上げたタピオカを思いきり噛んで潰して咀嚼し、心を平静に近づけようとする――が、あまり効果は出ず、隠したい頬の赤みも残ったまま。)え、ええ…今日は貴方のご褒美に丸一日使う気でいたから、時間はいくらでも。……あら、観覧車。いいわね、…楽しそう。(巨大な商業施設は買い物好きの女が間違いなく心惹かれるもので溢れているが、それは一人でも出来る事。元よりとことん彼のご褒美に使うと決めた一日だから、それより瞳が釘付けになったのはゆったりと回転する大きな観覧車。彼と共に普段は見られぬ高い場所からの景色を見られたらと浮ついた想像を慌てて振り払って問い返す。)ほ、ほら、貴方のご褒美の時間はまだ終わってないわよ。タピるの他にしたいことや欲しいもの、何かないの?
06/21 02:06*156
(本丸の皆に好かれ、慕われている主の姿は己もよく知るところである。短刀の彼らと微笑ましいやりとりをしている場に加わりたいとは思わないが、遠巻きに眺めているだけでは物足りないと感じ始めたのは、さていつのことだったか。思いがけない単語を聞き、頭を殴られたに近い衝撃を受けて固まった。初めて。色々と込み上げてくる感情をどうにか抑え込み、ゆるくまばたいた。)君が嫌でないなら、それでいいんだ。(ふ、と綻ぶように安堵の表情を浮かべる。主の頬を未だに色付けている原因は、一体何だろうか。つい、まじまじと見つめてしまう。)いいや、君はとても頼りになるよ。こうして付き合ってくれているし、さっきは助言をくれただろう。上に立つ人物としても、ひとりの女性としても魅力的だ。気丈に振る舞う君を見て、僕は君に相応しく在りたいと強く思うよ。……気にしなくていいと言われたら、余計に気になってしまうのだがね。君のことなら、猶更。(とは言うものの。根掘り葉掘り問いただし、主の何もかもを暴きたいわけではない。しつこい男は嫌われると本に書いてあったし、今はこの辺りが引き際かと判断しよう。主の視線が、ある一点に注がれているのを認めてしまえば、次の行き先は決まったようなものである。)では行こうか、花火さん。(先に立ち上がり、ごく自然に手を差し伸べた。飲み終わった空の容器を受け取るでもいいし、そこへ主の手が重なってもいい。)褒美は、もうずっと貰っているんだよ。僕が一番欲しかったのは、君と過ごす時間そのものなんだ。後出しで卑怯だと思うかね?
06/21 21:07*172
(己の答えを受けて何故か固まってしまった彼の反応を目にして、女にも動揺が生じて瞳が揺らぐ。何か可笑しな事を言ったかと不安も込み上げたが、続いた台詞がそれを打ち消す。)嫌だったらはっきり言うわよ。私がそういうの遠慮しないって貴方も知っているでしょ?だから…余計な心配はしなくていいの。貴方なら…嫌じゃないから、…それだけ。(けれど彼に見つめられるとお手上げで、また赤みを増しそうな顔を隠そうと片手で自らの顔を覆おうとして。)……っ。それは、誉を十個も集めた貴方の頑張りに報いたいと思うのは当然だし…。わ、わかったわ、貴方が私の事を思ったよりずっと高く評価してくれるのは分かったから…!…相応しくなんて、考える必要ないわ。…貴方が、魅力的なのは…私が、知っているから。…貴方の事だから、そう言うんじゃないかと思ったけど…今は言いたくないから気にしないでと言ったの。(飽くなき探求心の強さもまた女を惹きつけてやまない魅力の一つだが、彼だから言えない事だけにこちらも折れるわけにはいかなくて苦い顔。)……え?行くって、…まさか観覧車に?(独り言として呟きはしたが、それが催促めいた形になってしまったかと気付けば密かに反省。差し伸べられた片手をきょとんと数秒見つめた後、そろりと手を重ねて立ち上がり、歩き出そう。)貰っている?…な、…そんなものでよければ、別に…言ってくれたら、都合つけるし…あげる、のに。卑怯だなんて、思うわけないじゃない…!…私も、貴方と過ごせて…これでも、本当に嬉しいと思っているし…きっと、貴方が思う以上に…自分でも戸惑うくらい、浮かれてるんだから。(彼が真っすぐに明かしてくれたから、つられて女の唇からも飾らぬ本音がこぼれ落ちた。あまりに気恥ずかしくて、彼の顔はちっとも見られないけれど。)
06/22 07:19*192
(主の実直な気質は信頼に値するものであり、やおら頷く。限定的な物言いに、好奇心が疼いた。嫌じゃない相手と、嫌な相手の差は何か。例えば己と誰かを比較してどうか。だが、見知った誰かを挙げて尋ねたいとは思わなかった。仲間内で優劣を付けたいわけでもなし、主が不快な思いをしていないなら何よりだ。可愛らしいかんばせが覆い隠されてしまったならば、あからさまに残念そうな顔をするだろう。)おや、僕が魅力的とは。美しい刀や華やかな刀なら分からなくもないが、君に気に入られているようで嬉しいね。(所有物としての感想になってしまうのは、己が人間ではない自覚によるものだ。今はということは、いつか教えてもらえるのだろうか――喉まで出かかった言葉をどうにか飲み込んだ。苦い顔をしている主を、さらに追い詰めるような真似は自重する。)そう、観覧車に。あれに肥前くんや陸奥守くんを誘っても、また断られるだろうからね。言っただろう、僕には君しかいないんだ。(己が手のひらに舞い降りた主の手を、やわく握ってみよう。飲み終わった空の容器は、ベンチ近くのゴミ箱へ。主の傍らを許され、手を繋いて一緒に歩いている。それだけなのに、こんなにも心が満たされていく。)君との時間を望んでいるのは、恐らく僕だけではないからね。そう簡単には言えないさ。……ほう、君も浮かれていたのかね。僕もだよ。酒を飲んだ時に少し似ているが、とてもいい気分だ。(ふわふわとした心地で熱の上がる体の状態は、下戸である己がほんの少し酒を口にした時とよく似ている。意識がはっきりしているのが明確な違いか。主を見遣って微笑んだ。視線は合わなくても、重ねた手が真実だ。夢心地で歩いて行けば、観覧車までは意外と早く辿り着いたかもしれない。)
06/22 21:26*207
(彼の瞳に見つめられると心がひどく落ち着きを欠いて、つい言うはずのなかった事まで口が滑る。元より弱みを見せたがらぬ女は、彼の残念がる表情に気づいても顔を隠すのは止めない。というより心の安寧の為に止められなかった。)美しさや華やかさも魅力だけど、皆がそれだけを魅力に感じるわけじゃない。理知的だったり知識を貪欲に吸収しようとするところを魅力に感じる人もいるわ。大体…”ようで”じゃなくて…結構、だいぶ…気に入って、いるけど。(むすりとして訂正を重ねる。誤解されがちな態度を取っている自覚がある分、やはり伝わっていなかったかと分かれば若干の気落ちも滲んで。彼の事を一段と特別に意識する分、つい可愛げのない態度を取る頻度が多くなるのが困りもの。)でしょうね…刀剣男士二人で乗るのは…いいんだけど、ちょっとシュールかも。……そんなこと。貴方は皆に慕われていて…誘えば受けてくれる人も大勢いるわ。まだ気づいていないだけで。でも、まあ…その中で、私を選んでくれたのは…物好きというか、…嬉しいわよ。(他意などないはずの「君しかいない」を都合よく曲解しそうな心を無理やり静めて、握った手にぎゅっと力を込める。空の容器をゴミ箱に入れ、空っぽになった手を繋いで目的地を目指す。)そんな…大したいないと思うけど。……え?貴方も?……そう。私も、嬉しくて…でも、くすぐったくもあるわ。(女らしからぬ煮え切らない響きで呟いて、気づけば目の前に観覧車が見えていた。)意外と人少ないわね、すぐ順番来そう。(との予想通り少し話す間に順番が巡ってくるはずで、係員の案内に従ってゴンドラに乗り込むとしよう。叶うなら手は繋いだままで。)……中、思ったより狭いわね。窓が大きい分、景色はよく見えるけど。(小さな密室の空間で二人きり、引っ張り出した言葉は我ながら味気ない。)
06/23 02:58*219
ふむふむ。君から見た僕はそんな感じなのだね。気を悪くしないでくれたまえ。君のお気に入りというならば、何にも代えがたい誉だよ。(結構、だいぶと言葉を重ねられて、そこまで気に入られているとは思ってもみなかった。己の至らなさが主の気を落としてしまったと察すれば、申し訳なさそうに目を伏せつつも、口元は誇らしげに笑みを描いた。)観覧車は二人乗りの乗り物だったのかね? 彼らに断られなかった場合は三人で乗るつもりでいたのだが、重量の問題かな。(あの小さな箱に男三人は厳しいのかもしれない。「シュール」は時どき見聞きする単語であり、何となくの意味合いは分かるつもり。本丸の仲間たちとはそれなりに仲良くしているが、誘える相手はやはりは限られてくるものである。)君を思わないものなど、あの本丸には存在しないのだよ。浮かれているもの同士、高いところへ昇るのも悪くない。(幸せな時間ほど早く過ぎていく、というのはどうやら本当らしい。順番を待つ時間も全く苦にならなかった。特に離す必要性がなかったため、手はずっと繋いだまま。主と自分が対面する形で座っても、ゴンドラの均衡が取れないのは分かりきっていたので共に片側へ座ろうか。)案外、傾くものだね。ああ、とてもいい眺めだ。(高いところから見下ろす街並みもそうだが、主の隣という特等席は格別だった。ゆっくりゆっくり空が近づいてくる。)――ひとつ言っておきたいことがある。僕は物好きではなくて、君が好きなのだよ。(いつもと何ら変わりない穏やかな口調で、主を見つめて朗らかに告げた。主への興味関心から、芽生えた純粋な好意をひっくるめている。そこに恋慕があると、伝わるほうが稀であろう。)ほら、見てごらん。街があんなに小さく。(まるで何事もなかったかのように景色を楽しんでいるのも、また確かだった。)
06/24 00:38*246
……まあ、そういうこと。細かい事は気にしないで、ただ胸を張っていればいいのよ。(最初から素直に伝えていればそれで済んだ話なのに、随分と遠回りして彼の理解力に頼った上でやっと告げられる有様。)別に決まってはいないと思うけど…一人で乗るには勇気が要るし、三人は…流石に狭いでしょ。どうしても乗りたいなら止めないけど。(それはそれで見てみたい気がすると思ったのはともかく、彼と二人で乗れた事を女なりに喜んでいるのは紛れもない事実。)……そう。私の方が皆に支えられて立っているんだから、幸せ者の審神者だわ。…浮かれている同士が上ったら、ますます浮かれそうだけど。(ふっと双眸を柔く細め、不器用な己を温かく受け入れてくれる本丸の皆に想いを馳せる。彼の方から離されないのをいいことに繋がれた温もりを大事に感じつつ、横に並んで座ると自然に距離も普段より近づいて。)……えっ?なっ、……勘違いしそうになるでしょ、馬鹿。私だって、……んん。本丸の皆が大事で大好きなのは、当たり前だけど…それとはまた違う、別枠だって…居るんだから。……でも、貴方に好かれているのは、…僥倖だと、思うわ。ありがとう。(真っすぐに告げられた言葉に驚きで面食らい、数秒ほど口をぱくぱくさせ、視線を泳がせた後。頬に集まった熱はまだ引かない。心を落ち着けるように軽く咳ばらいをして、ぽつりと告げる。彼に好かれているのがとても嬉しいのだと、それだけはどれほど照れくさくとも間違いなく伝えたかった。)……本当ね。高いところから見ると、見慣れた街もこんなに小さく見えるのね……ふふ、面白い。もう少しで天辺かしら。(まだ若干の赤みを残した頬で、窓の外から遠ざかる街を見下ろしてほうっと息を吐く。間もなく頂点に辿り着き、後はゆっくり下ってゆくだろう――今はくすぐったくて落ち着かない気持ちごと抱えて、暫し外界から離れた二人きりの世界を満喫するとしよう。)
06/24 23:48*267