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——では、褒美に頭のお時間をいただけませんか。(時は少し前に遡る。誉十個と引き換えに、刀は主に向けてそんな願いを口にした。平時は表情の読み辛い彼が、そのように強請るのは初めてのことだったかもしれない。ぴんと背筋を伸ばしたまま、己の主を見つめる菖蒲色の双眸には、僅かな期待の色が覗いていた筈だ。……そして訪れた当日の日中。部屋を出る間際、相方から「雨さん、頑張ってね」と背中を優しく叩かれる。それに少々気恥ずかしい思いを感じつつ、感謝の意を込めて「ワン」と返した。予め決めた待ち合わせ場所は、本丸の正門前。身に纏うのは篭手切に着付けてもらった軽装——片身替わりの浴衣である。主を待つ刀は表面上、冷静さを保っているように見えるが。実は落ち着かない犬のように、何処となく浮き足立っている状態だ。無事正門に彼女がやって来たのなら、ほんの少し表情を和らげ相対するだろう。)頭、本日はお付き合いいただきありがとうございます。頭とはいつも、素敵な季語を共有していますが…今日は、この日この時だけの季語を共に楽しみましょうね。(そう告げてから、では行きましょうと先を促す。道中の景色を楽しみつつ進んで行けば、そのうち目的地である万屋街へとたどり着く。賑やかな大通りの中、逸れぬよう彼女の側に立ち)まずは、頭の行きたい店へ向かおうと思います。何かご希望はありますか。(馴染みの花屋か、それとも何か気になっている店があるのか。どれを選ぼうとも、刀は内心嬉々として応じるだろう。)

06/17 02:31*11

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(誉十個を得たにしてはあまりにもささやかな願い事にいくらか目を瞬かせて、「そんなことでいいんですの?」と小首を傾げるも、はじめてのおねだりを叶えない理由は、決まり事を抜きにしてもあり得なくて微笑みながら快諾した。「五月雨さまと過ごせる時間だなんて、わたくしも楽しみですわ」とほんのりと頬を薔薇色に染めるのは彼に向けるにはあまりにもいつも通りのことだったけれど、出かける前日の仕事終わりに初期刀を自室に引っ張り込んで明日の服について相談したり薔薇色に染まる頬を隠しもせずにわたわたとしたりしていたあたりは優雅や気品といったものを放り投げた若い娘御のものだった。半襟にレースをあしらって、6月の風に相応しく雨の風情を身にまとう。裾の方には薄紫の紫陽花が咲いているこの着物はお気に入りの一点だ。木製のひし形の帯留めでまとめ終えて、長い髪も簪でくるりと巻いた。心臓がどきどきとせわしなく、「転ばないようにね」などとあまりにもな注意を向けてくる初期刀に「心配の仕方おかしくありませんこと!?」と返してようやく平常心を取り戻す。気合を入れ過ぎてやしないかしら。だなんて、からころと足元の音を立てながら正門までたどり着くと。)五月雨さま、お待たせいたしました。…ふふ、そうですわね。きっと素敵なお出かけになりますわ。五月雨さまのご褒美ですのに、わたくしの方が楽しんでしまいそうですわね。(共に、といってくれることのなんと嬉しいことだろう。彼の並べてくれる言葉も誘いも嬉しいものに違いなく、ころころと口元に手を当てて微笑みながら。やがてたどり着いた大通りで、ちらりと傍に立ってくれる彼を見上げる。)あら、わたくしの…?五月雨さまは気になっているお店はありませんの?(ぱちくりと不思議そうに瞬くものの、それを望むならば否やはない。「では、いつものお花屋さんにお邪魔しましょうか」とひとまずは季語たる花を楽しむつもり。)

06/17 03:16*12

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(この季節だけの装い。それをひと目見て、瞳を仄かに細め。ジッと眺めては唇を薄く開く。)頭の装いはいつも素敵ですが。今日はまた、一段と華やかで良いですね。(彼女の紫陽花と、自身の裾に広がる雨の模様。並ぶと梅雨の美しい景色のようだと、心が静かに沸き立つ。可憐に微笑む彼女の表情に、今日の逢瀬を楽しみにしてくれているようだと内心安堵する。彼女と季語を共有してこそ、今日の外出も思い出深い『旅』になるだろう。――大通りを歩きつつ希望を訊けば、返されるのは小さな疑問。それにも僅かに口端を持ち上げ、こう答えた。)私の行きたい店は、また後ほど。まずは頭の好きな店を訪れたいのです。(それは気遣いではなく、純粋な要望だ。大通りは往来が多く、小柄な彼女は人混みに流されてしまう可能性もある。そのため、ぴったりした黒襦袢に包まれた腕を彼女へと伸ばし)頭、人通りが多いようなので…よろしければ、手を。(差し出した手を取るとも取らずとも、彼女の歩幅に合わせて花屋へ向かうだろう。いつもの花屋へ到着すれば、この時期の花たちが自分たちを出迎えてくれる。蕾が開きかけた芍薬、小さな鈴蘭、色とりどりの紫陽花。たくさんの花に囲まれ、そっと胸を押さえる。)…ここに来ると、いつも溢れる季語たちで胸がいっぱいになります。(しみじみとそう呟きながら、飾られた花の数々を見回す。この店は主に切り花や洒落た活け花、鉢植えや観葉植物などを取り扱っているが。ふと、見慣れぬ品物が棚に並んでいることに気づく。様々な形の瓶の中には、透明な液体と美しい花々が詰められていた。それらを興味深げに眺め)頭、こちらは何でしょう。活け花の一種でしょうか。

06/17 18:35*23

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……まあ…、ふふ、ありがとうございます。この時期には一番のお気に入りですのよ。(彼に褒めてもらえたならば単純なもので、頬にぽっと熱がともる。嬉しさを隠しきれず――そもそもにして隠し通すつもり自体があまりないが――微笑みに微熱を散らした。)まあ、そういうことでしたら。ふふ、五月雨さまがどのようなお店に訪れたいか、想像するのも楽しみですわね。(順番の問題であると解せばそれこそ、楽しみに気兼ねも必要ではなくなる。期待を隠せずにいるのは年若さからか、恋心のなせる業か。手を差し出されて思わず瞬いて、「え、ええ、よろしくお願いいたします」と少し緊張した様子で彼の手を取った。たくましい男性の手だ。自然と心臓の鼓動が跳ね上がるのを感じてしまう。歩幅を合わせてくれることも含めて、小さな自分と、背の高い彼。下から覗き込みやすいのは、小さな自分の特権であるかもしれない。花屋はいつも通り、静かに花の香りを漂わせて花開いている。)ええ、綺麗な品々が多いですものね。季節らしい色合いですわ。…あの芍薬、広間に飾るのにちょうどいいかしら。(廊下や広間、大広間。盆栽や切り花、生け花。様々な花の香りが共用部には存在する本丸であった。ほころびかけている状態ならば皆の目も楽しませられるだろうかと、いつも通りの嗜好がよぎる。馴染みの店主に手を繋がれているところをみられているだなんていうのは少し気恥しいけれど。)ああ、こちらは、ハーバリウムという品ではないかしら。ドライフラワーは御存知でして?あれを生花のように楽しめるようにした品ですわ。手入れをせずとも長く楽しめるんですって。わたくしは手を出したことはありませんけれど…こうしてみると、とてもきれいで心躍りますわね。(花の命は瞬く間。活け花にしてもなんにしてもそれは当然のことであるが、長い間目を楽しませる品というものもいいものかもしれない、と、柔く笑みを浮かべながら)

06/17 19:53*27

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ええ、楽しみにしていてください。きっと頭も気に入ってくださるかと。(どこか自信に満ちた言葉を口にしつつ頷く。差し出した手を、少々ぎこちなく取る彼女の手。その手は自身よりも小さく、白魚のように華奢だ。大きさの違いを直接肌で実感し、密かにある感情が湧き上がった。体温が上昇し、心臓の鼓動が平時より速く刻まれる。それでも決して悟られまいと顔を少し逸らし、壊れ物を扱うかの如く彼女の手を包み込んだ。この力加減で大丈夫だろうかと、ちらりと彼女の表情を伺い。特に陰りがなければ、浴衣の合わせ目へ片手を入れるついでに小さく安堵の息を漏らした。)あるがままそこで懸命に咲いている姿を見ると、言葉と想いが溢れてくるようです。ふむ…持ち帰って水揚げすれば、すぐにでも開くでしょうね。後で数本買いましょうか。(主の影響か、本丸には花を積極的に世話する刀が多い。花の香りが絶えない本丸を、季語を愛でる刀はとても気に入っていた。時おりその季語たちを句にしては、彼女に向けて詠むこともあっただろう。)はーばりうむ…なるほど、今はそのようなものがあるのですね。花を楽しむ方法も時代によって様々、ということですか。(彼女の説明を丁寧に聞いてから、しげしげとハーバリウムの瓶を凝視する。赤や青、黄色や緑など、それぞれの色の花を集めて瓶に詰めたそれら。美しいものを美しいまま留めておこうとする人の想い――心を得て顕現された今、その感情は一概に否定できない。移ろうものを形に残そうとするのは、俳句も同じことだろう。…後ろから二人の様子を微笑ましげに眺めていた店主は、最近取り扱い始めたばかりのものだと語ってくれた。少し思考を巡らせたのち、彼女の方を向き直り)ええ、美しいですね。…よろしければお好きなものを一つ、頭に贈らせていただいても良いでしょうか。(そう口にする刀の頬は、ほんの少し緩んだものに見えるだろう。)

06/17 23:37*41

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(彼の自信に満ちた言葉に小首を傾げて見せるが、そんな風に言って貰えるとあっては自分もたやすく夢中になりそうで、「楽しみですわ」と心からの感情を言葉に移して。して、手を繋いだはいいものの顔をそらされたのはよかったのか悪かったのか。薔薇色を通り過ぎていそうな血色のいい肌が落ち着く時間を貰えたのはいいことではあるが、彼の顔色を窺えないというのは少し落ち着かない。それでも視線が戻ってきたならば、はにかむようにして笑っていた。決して強すぎはしない力加減が、彼の優しさを表しているようだった。)きれいなものを見ていると、やはり感動を覚えますわね。ええ、花の盛りを長く楽しめそうですわ。是非、…あとで立ち寄る予定はありまして?(帰り道に立ち寄る範囲だろうかと、彼の行きたい場所を知らない娘は首をかしげる。そうでなければいつもの通りに配達を頼むつもりでもあり。彼が季語を集めて読む句は楽しみにしているものの、特段目立って促すことがないのは好きな時に楽しんでほしく手のこと。)ええ、そうですわね。わたくしも初めて見た時は驚きましたわ。今までの花の楽しみ方とは異なりましたから。(一期一会、季節のものを季節のままに楽しむ日々とは異なる価値観だけれど、それもそれでうつくしく、またよく知る花々のよく知らぬ美しさの表現でもあるように思えて愛おしい。時は移ろい、人々の心にこそ残される。それが形を得ることの喜びをまた知ったかつてを思い返し、彼の表情を見る。そうして又表情を和ませて。)……あら、よろしいのですか?(今日は彼へのご褒美なのだけれど、といくらか瞬くものの、それが望みであれば甘えるつもり。たっぷりと吟味して選んだものは、桔梗をメインの花としたであろう青紫が美しいハーバリウムだ。それを彼へ手渡せば、もう一つ。紫陽花をメインとしたハーバリウムを手に、「こちら、五月雨さまに贈らせてくださいまし」と乞うてみる。)

06/18 00:03*43

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(少し恥じらうような、されど愛らしい笑みと対面し、更に心臓が跳ね上がった。時おり、彼女の純真無垢さに圧倒されることがある。感情に振り回されるなど、忍びとしてあってはならないことだが。刀は「…わん」と戯れに鳴いては平静を装い続けるのだった。)ええ。そこまで遠くはない場所にあるので、帰りに受け取りましょう。…おや。(帰り道の予定を立てていると、ある切り花を視界に捉えた。それはふわりと幾重に広がる、白い花弁を持つ土耳古桔梗であり。その可憐な姿に主の面影を見て、思わず視線が釘付けになってしまう。)頭、よければこの花も数本買いませんか。可憐な花びらが頭のようだと、気になってしまいまして。(芍薬と土耳古桔梗。この二つが花器に飾られるさまを想像し、仄かに瞳が和らぐ。彼女が許可してくれるなら、店主に芍薬と土耳古桔梗を数本ずつ、帰りに引き取れるよう取り置きを申し付けるだろう。)人の手によって伝え、美しさを留める……こうすると刀も花も、そう変わらないように思えますね。(以前は季節の移ろうままの姿こそ季語だと、そう感じていたが。人の手によって作られる、施される美しさも季語なのだと知った。それも本丸の生活で理解できたことなのだと思い、彼女の方を見遣ると。柔く綻ぶ丸い瞳と目が合い、こちらも薄く唇に弧を描く。)はい。今日の記念と、日頃の感謝として。これを私に贈らせてください。(初めてのハーバリウムを彼女にと、そう思ったが。彼女の思わぬ申し出に、僅かに目を見張る。最初は少し躊躇うものの、彼女が贈りたいと願うなら、「頭が言うのであれば」と頷くだろう。店主は気を効かせてくれたのか。瓶の口辺りにそれぞれ、青紫と薄紫の可愛らしいリボンを結んでくれた。今の季語を詰め込んだ美しい瓶を眺め…ほう、と感嘆の息を吐き、大事そうに手で包み込む。)美しい賜り物をありがとうございます。……想いが溢れすぎて、胸が詰まりそうです。

06/18 10:09*55

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ふふ、帰り道の楽しみができましたわね。(やはり花とは共に帰るのが一番いい。彼が目を止めた白い花を見つけ、再び彼の方へと視線を移す。視線を一つに固定したさまを見れば、その花もぜひ、と言いたくなるが、)…………ま、わたくしの…?………あら、いけない、つい嬉しくて、驚いてしまって。勿論構いませんわ。この子も花器に活けましょう、大広間よりも玄関がいいかしら。わたくしに似ているのでしたら、一番に…皆さまを迎えたいに決まっておりますもの。(恋い慕う殿方が、愛らしい花に自らを見出してくださったときに胸に熱を灯さぬ娘などいるだろうか。赤らむ頬に手を添えて、呆気にとられたさまを恥ずかしがっては本丸に帰った先のことへと思いをはせる。気の早いことだった。)そうですわね、花も刀も人に愛されておりますし、とても美しいものですもの。その美しさのために心を砕きたくなるのもまた、変わりませんわ。(新たに抱いた気づきにいくらか目を瞬かせたならば、静かに頷いて肯定を示す。一人きりでは得られない知見に感じ入り、顔つきは柔らかくまろむばかり。)ええ、ありがたく受け取りますわ。五月雨さまのお心遣いですもの、うれしく思いますのよ。…五月雨さまは、人に尽くすのがお好き?(自分の好みを優先した事といい、ものを贈ろうとした事といい。もしかしての気づきを得たこと、それ自体を喜ぶような顔で小首を傾げたが、彼が受け取ってくれるというのならば素直に喜んで見せる。自分は部屋に飾られたハーバリウムを見敵っと彼を思い出すから、彼にも自分を想ってほしい、――だなんて、さすがに少しばかり我儘に思えて理由についてははにかむばかりで口を噤み。)いいえ、五月雨さまに喜んでいただけたなら、よかった。…ふふ、わたくしも、大切にいたしますわね。ありがとうございます。(嬉しさを抑えきれずに瓶を光に掲げてみたり、抱きしめてみたり。浮かぶ笑みは幸福に。)

06/18 17:54*70

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(抱いた印象から、ただ素直にそう伝えたつもりだったが。その一言は自分の思う以上に、主の心の琴線に触れたらしい。頬を紅潮させ戸惑う彼女に、こちらも双眸を瞬かせる。了承の声が返ってくるならば、小さく礼を述べてから)玄関、ですか。……ええ、良いと思います。帰還して一番に目にするものがこの花なら、皆さんの心も和らぐでしょう。(これも刀の素直な本音だ。だが、何故だろう。『第一に皆さまを迎えたい』という言葉に、少し靄のような感情が生まれたような気がした。審神者であるからこそ、その考えは何も間違っていないというのに。しかし、そんな雑念に密かに蓋をしつつ、何事もなかったかのように涼やかな顔を浮かべるのだった。彼女が自分の贈り物を受け入れたことに、こちらも心の中で歓びを滲ませるが。最後に投げかけられた問いには、少しだけ眉間に皺を寄せて逡巡する。)…好きかはわかりません。犬や忍びとして、恩や忠義に尽くすことは重要だと考えていますが。(主には忠実であるように努めているが、尽くすこと自体を好んでいるわけではない…とは思う。美しいものや言葉を生み出す人間のことは心から好いているが、それとはまた別問題だろう。悪感情はなく、ただ純粋な疑問から「頭は何故そう思ったのですか」と尋ね返す。――幸せそうな笑みを称えてハーバリウムを眺め、触れる彼女の姿に。こちらも胸の内が暖かな感情で満たされるような心地がした。二人分のハーバリウムを購入する際、瓶が割れぬようにと気泡緩衝材と包装紙で包んでもらい。そうして小さな紙袋に二つ、お互いの想いが込められた瓶が納まる。荷物持ちは自分にと、紙袋は自分が率先して持つことを希望するが。もし彼女が持ちたいと望むならその意志を汲む筈だ。)素晴らしい季語をたくさん見つけることができ、嬉しい限りです。…頭は何か、他にご入用のものや気になるものはありますか。

06/18 22:14*82

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五月雨さまもそう思ってくださいます?でしたら、間違いはありませんわね。気合を入れて活けますわ。(彼が喜んでくれる、を皆さまと言葉を変えてしまったが、彼の心が和むというのならば自然と気合を入れる理由にもなろうというもの。胸を弾ませるように、気合を入れるようにして胸の前で控えめに両拳を握って見せる。彼の内に生まれた感情には気づくこともないまま。)まあ、そうですの?…重要と、好きとは違いますものね。では、五月雨さまの一番お好きな…そうですわね、お花は?本日は五月雨さまのご褒美ですのに、なんだかわたくし、尽くしていただいてるように思ってしまって。お好きなのかしら、と思ったのですわ。…わたくしにしてほしいことがあれば、何なりと仰ってくださいましね?(彼の返した言葉に首を傾げながらも、彼にとって重要なこと、好きなこと。もっと知っていきたいと思うし、その心に触れたいと思う。一番好きな、といえば季語であろうか。そこからもっとと触れたがって問いを重ねても見るだろう。彼の疑問は正当なものだろうと、考えの理由を口に出す。してほしいこと、を促すその姿は、それこそ強請るようでもあったろうか。――紙袋の中で包装紙に包まれながらも触れ合うその姿にすら幸福を感じている。その姿をもう少し長く近くに置きたくて、紙袋を持ちたがって見せたろう。)他には、…そうですわね、…先日お邪魔した和菓子屋さんがあるのですけれど、あちらも季節の品を取りそろえていらして素敵でしたの。ぜひ、五月雨さまと見に行きたいわ。(思案するように首をかしげて、以前彼の同位体と出会った和菓子屋のことを思い返す。今の時間ならばまだ品ぞろえも豊富だろうと期待する心地と、彼が喜んでくれるのではと期待する心地が混ざり合って見上げる視線はきらきらと輝いていたことだろう。彼が興味を示してくれるならば、小さな体で案内を務めるつもりで彼の答えを待っていた。)

06/18 23:14*86

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任務に赴く際も、この花を見てからだとより一層気が引き締まる筈です。…ふふ。楽しみにしております。(妙な気持ちが胸中僅かに頭を覗かせるが、彼女の意気込みと健気さを見て感情が凪いでいく。思わず唇が一寸緩み、笑みを含んだ呼気が小さく漏れる。刀は何処か、彼女の純粋さに救われている節があるように感じた。続く無垢な質問もそうだ。不躾な疑問だっただろうかと反省したが、代わりに彼女は穏やかに新たな問いを返してくれた。)花ですか。全ての花に優劣はつけられませんが…私は、その季節の間少ししか咲かぬ花に、一等心が惹かれます。……それは、頭。貴方だからですよ。貴方だから、犬はこの身を懸けて尽くそうと思うのです。(許されるならば、こちらが彼女に触れられる距離まで近付こうとし。それから硝子玉のように輝く瞳を、己の双眸で逸らすことなく捉えるだろう。)今だけは、傍に寄り添って笑っていてほしい。私が頭に望むのは、それだけです。(ゆっくりと、彼女の白い頬に手を伸ばそうとするが。寸でのところでぴたりと止め、そのまま腕を引っ込める。まだまだ買い物も序盤であり、想いを押しつけて悪い空気のままお開きになるのは避けたかった。小さく咳払いをしてから、会計を済ませましょうと彼女を促した。——紙袋を持ちたがる彼女に、「頭が望むのであれば」とこちらもすぐに受け入れる。むしろそこまで喜び気に入ってくれたことに、感慨深い想いまで浮かぶことだろう。次に彼女が望んだ場所は、自身も初めて向かう店であり。そういえばこの間土産を買ってきてくれた店だろうか、と思い当たる。確かにあの菓子は美しく美味だったから、異論もなくそこへ行きましょう、と頷く筈だ。自身の別個体が、彼女に助言をしたことも露知らず。)では頭、早速案内をお願いします。(そう言うと。飼い主に手綱を握らせる犬の如く、再び手を差し出し)

06/19 07:45*98

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無事のお帰りをいつもお待ちしておりますわ。…そうだ、出来上がったら一番に見ていただけませんこと?五月雨さまが選んでくださったお花ですもの。(だなんて、瞳は期待に煌めくまま。彼が選んだ花の美しい姿を早く見せたがる様子で。)ひとときだけの美しさというものは心を打ちますもの。なんだか、わかるような気がしますわ。…わたくし、だから?(審神者だからこその尽力、というわけではないように思えたのか思いたいのか。己だからという言葉が胸に甘く沁みる心地。不思議がるように彼の言葉を自分の言葉で繰り返す。けれども目があったなら彼の双眸の美しさに魅入ってしまって、知らぬうちに時を忘れていた。)…わ、わかりましたわ。ですけれど…ふふ、五月雨さまといるといつも笑顔になってしまいますもの。当たり前のことですのに望んでいただけるのは、なんだか少し不思議ですわね。(触れられそうなほどに近づけば自然と肌も薔薇色を宿すばかり。少し恥ずかしげに打ち明けてみせると、引っ込められた手が残念なような不思議なような。それについてはあまりに甘えたではないかと口を噤むと、彼に任せてもらった紙袋を慎重に手元でゆらしては彼の手を取る。それだけで胸はトクトクと確かな鼓動を伝えている。)ええ、お任せくださいまし。きっと五月雨さまも気に入ってくださいますわ。(所用でと出かけた後、土産をと渡した時の反応を思い返しては期待を込めて笑うと、はぐれないようにと気をつけながら以前に通った道を辿り和菓子店へと顔を出す。以前はまばらだった品揃えも本日は完売している品もなく色とりどりの季節の品々が並ぶ様に目を輝かせる。水饅頭も練り切りもどれもとても涼やかで美味な気配を感じさせた。七夕に備えて星を仕込んだ羊羹も売られている様子だった。)まあ…!ふふっ、この時間にはやはり素敵な品がたくさんございますのね。五月雨さま、何か気になる品はありまして?

06/19 14:27*106

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…よろしいのですか?では、私は頭の作り上げた季語で一句、詠ませていただきましょう。いえ、一句と言わず、幾らでも。(思わぬ誘いに、ぴくっと小さく肩を跳ねさせる。一番、という言葉の響きに、刀は冷涼な瞳を期待の色に染める筈だ。)ええ。その儚い瞬間を句にして捉えることが、私のよすがですから。(真意が伝わったのかどうかはわからない。ただ希うような眼差しで彼女の瞳を見つめた瞬間、ほんの僅かに時が止まったような錯覚に陥った。幼気な頬を可憐な薄紅で染め、告げる言葉は、刀にとっては意外なもので。こちらの頬も微かに熱を持ったような気がした。)ですから、頭も気兼ねなく楽しんでください。それが私の褒美になります。(触れようとした手を再び合わせ目に入れ、そしてもう片方の手を彼女が取ったなら。その柔く小さな手を、また優しく包み込むように握るだろう。じわりと滲む手の汗は、きっと湿気と気温のせいだと思いたい。――彼女の先を歩かぬよう気をつけながら、導かれるまま見知らぬ通りを進む。未知の景色を楽しんでいれば、程なく目的地に到着した。落ち着いた店構えに、硝子張りの陳列棚に並ぶ精巧な和菓子たち。生菓子以外にも干菓子や金平糖、飴も揃っているらしく、刀は吸い寄せられるように棚に見入った。どの菓子も美しい工芸品のようで、心が季語を感じてざわつき始める。)……美しい。このような場所があったとは知りませんでした。気になる品、ですか。(正直、どれも目移りしてしまうほどの菓子ばかりだが。幾ばくかの時間をかけて吟味し続けた結果、ある和菓子が目に止まった。水面に浮かべた、色彩豊かな花々を思わせる錦玉羹。刀の視線に気付いた店員が語るには、花手水を模したものらしい。なるほど、確かに目にも涼やかで美しい。)私はこちらの錦玉羹が気になりました。しかし、そちらの羊羹も捨てがたいですね。(と、天の川の夜空を切り取ったような和菓子も眺め)

06/19 22:03*120

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まあ、わたくしの花に句を?嬉しいですわ。出陣帰りに整うようにと仕上げてもよろしくて?出来上がるまでを見ていただく、というのでも構いませんけれど。(帰りを待つという観点で見れば、その提案も間違いではないだろう。一番に見ていただくというのならばある程度は予定が決まっていた方がいい。出来上がりまでを見てもらうというのは、いささか以上に気恥しいけれど。彼のよすが。日々彼の詠む句を思い返しながら、彼が伝えてくれる言葉に耳を傾けては穏やかな面持ちをしていた。)…もう、そんなことをおっしゃっているとわたくし、本当にはしゃいでしまいますわよ。(彼の前で頬を染めてしまう事こそ多々あれ、子供のような振る舞いは控えるようにとこれでもしていたつもりなのだけれども。気兼ねなく楽しんでといわれれば主らしくもなくはしゃぐ姿を見せてしまいそうだと少しばかり唇を尖らせるようにしてからころころと笑って。掌が優しく包まれることに胸がどきどきとせわしなくなる癖不思議な安心感まで漂うのだから、恋というのは不思議なものだった。――彼の手を引いて訪れた店ののれんをくぐれば、隣に立つ彼もあの日の自分と同じように夢中になってくれている様子で、どこか嬉しさや誇らしさといったものが胸の内側に広がっていくような感覚を覚えて。)ふふ、以前…偶々立ち寄ったのですわ。きっと五月雨さまも気に入ってくださるのではないかと思って、紹介したかったのでしてよ。(どうやら彼も気に入ってもらえたようだと思えば柔らかな笑みは深くなるばかりで、)とても涼やかで愛らしいですもの、よくわかりますわ。……でしたら、ふたつかって、食べ比べてはみませんこと?その、お花を一番にご覧いただくときにでも。(空には空の、花には花の良さがある。小さく口元に指先を当てて、控えめながらも己が楽しみにしている時間を提案してみると。)

06/20 00:12*127

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(花々が美しく姿を変える過程を見たい、という欲はもちろんある。しかし、少々思巡らせてから口を開き)——いえ。帰還するまでの楽しみにしておきます。頭の花を拠り所にすれば…私は貴方の元へ、無事に戻ることができるような気がするのです。(歴史の中で生まれる季語のため、言葉のために心を押し殺し戦うには、幾つかの寄る辺が必要だ。主の存在もそんな寄る辺の一つなのだと、伝えようとして口を噤む。その代わりに口元を僅かに和らげるのだった。…拗ねるように唇を尖らせる、という彼女の年相応な表情を垣間見てしまい。その愛らしさに一瞬、呆気に取られたように固まった。しかしすぐにふ、と極々小さな笑みを零し、彼女へ向けてそっと囁く。)良いですよ。私の知らない頭の顔を、もっとたくさん見せてください。……私は、貴方の色んな一面を知りたい。(刀を束ねる審神者としての責任があることは、重々承知している。それでも、今だけは主としてではない彼女も見たいと、そんな欲張った願いも口にしてしまった。――彼女から連れてきてくれた経緯を聞き、心が大きく揺らいだ感覚を覚えた。そっと目を閉じ、ぽつりと呟く。)……何故でしょう。この店の季語に出会えた歓びももちろんですが。この季語たちを見て、頭が私を想ってくださったことが一番歓びを感じました。(そうして目を開けば、彼女のたおやかな笑顔と出会い。よりその歓びが増大していくような気がした。思いもよらない提案には、数度だけ瞳を瞬かせると。ふふ、と思わず愛おしさに釣られて、小さな笑い声が閉じた唇から漏れてしまった。)一番に頭の季語を見られる上に、共に美しい菓子までいただけるとは。私にとっては、有り余る贅沢ですね。…頭も、何か気になった和菓子があれば教えてください。その菓子も加えて、作句とお茶の時間を設けましょう。(と彼女の好みも知りたく、硝子棚の中を見渡して)

06/20 21:34*142

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分かりましたわ。花とともに、無事の帰りをお待ちしています。…わたくしは、いつもあなたを待っていますのよ。(審神者として、本丸で刀を束ねるものとして。微笑むさまは多少なりとも凛として見えただろうか。歴史を守る彼らが帰る場所を守ること。武器をふるうすべなど知らぬ手弱女であれど、守りたいものというものはある。――が。それも拗ねた風に唇を尖らせてしまっては形無しだろうか。少し困らせてみたくなっただけだった。主として、審神者として、あまり我儘を言っては困らせてしまうだろうこともわかっているつもりであるので、年相応よりは多少は大人びている、つもり。)…持て余してしまっても知らなくてよ?わたくしだって、わがままなところはあるんですの。(いいところを見せたいし、いろんな姿を見てほしいと願うように。彼の願いにつんと澄ますようにして宣言するも、それも長くは続かずに笑みを浮かべてしまうけれど。「でも、五月雨さまが知っていてくださるのは嬉しいですの」だなんて本音を笑みながら。)ふふ。だってわたくし、………いえ、ええっと、そのぅ。(あなたが好きだから、何を見ていてもあなたを想うのです――だなんて。あまりにもあからさまな言葉を続けようとしたときがついて頬を染めて恥じらって、「どうしてかしら」の疑問符につなげて空に溶かしてしまうことにした。彼とともに過ごす時間が得られたこと以上にその笑い声が得られたことに胸をときめかせて、喜びに染まる顔を隠すように陳列棚へと目をやれば。夜空と、花手水。であるならば、それを繋ぐ存在がいい。)…沢辺の蛍を模した葛饅頭ですって。わたくし、この子が気になりますわ。(頬に手を当ててピタリとくる和菓子を見つけると、ぱっと顔を輝かせて彼を見上げた。喜びの余波は、まだ頬を赤く染めている。)

06/20 23:01*146

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はい。この五月雨、必ず貴方の元に。犬は裏切りませんので。(審神者としての、凛然とした笑み。その表情を見ると、自然と身が引き締まる。背筋を更に真っ直ぐに張らせ、ゆっくりと頭を下げた。刀たちを常に気に掛ける、彼女の姿勢に敬意を示すように。もちろん、彼女が年齢以上に責務を理解し、審神者として努めていることも知っている。しかし、だからこそ普段の振る舞いとは違う表情に、妙に惹かれてしまって心臓が忙しない。もっと、彼女の素顔が見たい。)頭の新たな表情を見れるなら本望です。それに、頭の我儘なら叶えたいと思うのは、いけないことでしょうか。(これもある意味、刀の我儘だろう。物欲しげな犬のような眼差しで彼女を見つめる。しかし嬉しい言葉と共に、すぐに彼女が笑んでみれば。こちらも淡く微笑むのだった。)頭?どうしましたか。(愛らしい微笑みから一転、口籠る彼女に思わず首を傾げる。すわ具合でも悪いのかと顔を覗き込むと……頬を紅潮させる様子と対面した。その表情に、つい続けようとしていた言の葉を飲み込む。刀も自分の口にした台詞を意識してしまい、意図せず頬に熱が走る。)…どのような理由であれ、想っていてくださるのは嬉しいです。(何処かはぐらかすような彼女の言葉に、そう返すしかできなかった。彼女が選んだ菓子は、まるで清らかな川の岸辺に舞う蛍を思わせるものであり。刀もその葛饅頭を凝視してしまう。夜空を描いた羊羹と合わされば、一夜の光景が目に浮かんでくるようだった。)『己が火を 木々の蛍や 花の宿』……羊羹と頭の葛饅頭を並べれば、そんな景色が目に浮かびそうです。(込み上げてくる想いを溜め息に変え、溢れる感情のまま感想を述べる。顔を輝かせ見上げてくる彼女に、こちらも和やかに目を細め。それから「食べる日が来るまで待ちきれませんね」と、素直な言葉も添える。もちろん、約束は違えないので半ば冗談ではあるが。)

06/21 15:42*166

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ふふ、あなたに裏切られるだなんて、その時はきっと大層な悪逆非道を成したに違いありませんわ。必ず守りますから、どうぞ守ってくださいましね、五月雨さま。(父から、祖父から。血筋とともに連綿と受け継いできたお役目への自覚は強く、微笑みからも主としての自覚と誇りは透けるだろう。主として、を忘れたことなどない。けれども、それだけで足りなくなるのが乙女心だ。)い、いけなくはありませんけれど。…その、今度は褒美も関係なしにまたお出かけしたいです、ですとか、…ずっと五月雨さまのことを雨さんってお呼びになる村雲さまが仲良しですのねって羨ましくって、わたくしも雨さんって呼んでみたいって思っていた…とかでも、ですの?(彼のまなざしに如何にも弱くなるような心地で、少しばかりもじもじと言葉を探すようにしては見せたけれど最終的には恥じらいながらも我儘をふたつ。ぜんぶまでは伝えてないが、いったん様子を窺うようにその姿を覗き見て。頬は些細なことでも、彼を前にすると容易く赤くなってしまう。)……想っていますわ。ずっと。(一度その吐露しようとした感情に恥じらいをつけてしまえば口に出すのは難しい。彼の頬にも熱が走っているのならば尚更のこと。疑問を乗せた言葉への返答がはしたなく響かなければいい。――それでも、菓子を選べば気持ちは華やぐもので。煌めく眼差しを向けた彼も気に入ってくれたようだと悟ればますます心は嬉しさを描くのだから単純なものだった。)まあ…、ふふ、本当。やはり、よく似合っていますわよね?澄んだ花手水でしたら、蛍も好む水でしょう。(瞬く夜空を舞う一筋の光を、実際に見たわけでもないのに分かち合う。句というもの、見立てた和菓子というもの独特の風情に柔らかに笑みをこぼすと、彼の言葉にまあ、と微笑みを浮かべた。「他の皆さまには内緒にしましょうね」だなんて、悪戯を一つ。)

06/21 22:55*177

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(彼女の言う悪逆非道、がどの程度の行為を指すのかはわからない。だがどのような行為であろうとも、決して彼女を裏切ることはないだろう。それを胸の内に隠しつつ、彼女の願いには「もちろん」と頷くのだった。……彼女の可愛らしい『我儘』に、保とうとしていた平常心が大きく乱される感覚がした。一つ目は自身も望んでいたことであり、願ってもない話である。だが二つ目があまりにも意外な願いだった。冷静であろうとする刀には珍しく、一瞬だけ動揺してしまう。今自分に本当に犬の耳と尻尾が生えていたら、ぶわりと毛が逆立っていたかもしれない。しかし、断る理由はなく。)っ…ええ、もちろん。私も以前から、頭と様々な場所へ行きたいと思っていました。呼び方も、頭のお好きなように。私はどのような呼び名でも構いません。(平静を取り戻し、了承の言葉を述べる。頬が赤く染まっているさまを姫林檎のようだと思いながら、「他には?」と彼女の願いを促す。表情には出さないよう努力しているが…先程から彼女に心を乱され続けている気がする。ずっと、という言葉にも何かしらの意味が含まれているような気がして、その響きが耳に残ってしまう。)確かに、蛍には水も重要でしたね。夜空、花、水、蛍……全て一つの皿の上で味わえるとは。(眩しげに季語を象った和菓子たちを見つめ、呟く。彼女が戯れに告げた一言も、自分にとっては甘美なもので。「犬は口が堅いですから」と平静を装った言葉で返す筈だ。――最中やおこしなど、本丸の仲間たちの土産も見繕いつつ。他に彼女の希望がなければ、選んだ和菓子を二つずつ包んでもらおうとする。土産の分も含めると結構な荷物量になるので、今度こそこちらが荷物持ちを買って出るだろう。和菓子を包んだ紙袋の行方は、最終的に彼女に委ねるとして。刀は満足げな真顔で「とても良い買い物ができました。また来ましょう」と次の約束を取り付けようとする始末だ。)

06/22 01:10*185

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(彼が願いに応じてくれる姿こそが主としては感謝の念に堪えず微笑みを浮かべて。――しかし。伺うように見た先の彼に常の平静がほんのわずか損なわれていやしないかとも瞬く間にそわりとしてしまうのだから、彼への思慕は止まらない。)よかった、嬉しいですわ。五月雨さまとのお出かけは楽しくて、まだまだ満足できませんの。…で、では、雨さま……、雨、さん。……ふふっ…、まだ、いいんですの?(お出かけについては安堵するように胸を撫で下ろしながら、呼び名の変更に関しては顔をますます赤くして紡ぐ。刀剣男士皆に対し、ひいては職員や審神者たちにも若輩の自覚のある娘は「さま」をつけて呼ぶ。呼称を一歩近いものに近づけたとは彼が知る由もなくとも構わず、胸を温めるくすぐったさに心をほどくように笑って。促されれば瞬いて首をかしげた。それから、躊躇いがちに「…雨さんに、リボンを選んでいただけないかしらって…」今は簪が刺されている頭上へと手を伸ばす。普段は自分で選んだ赤いリボンがまとめ役として鎮座している場所だった。これまで思い続けてきた彼との二人きりの時間を、ついつい前のめりになるように夢中になっている。こちらを見てほしい、と考える以前に言葉にも態度にも出てしまっているだけの小娘だ。)ふふ、とっておきの夏の情景になりそうですわ。添える花もそれにふさわしくなるように励みませんと。(口にしながらもプレッシャーではなく純粋な楽しみを覚えているかのように声を弾ませる。「ええ、雨さんですもの」だなんて楽しげに笑みをこぼしては。仲間たちへの土産と、選び抜いた和菓子。さすがに少女の片腕には荷が重く、少し眉を下げながらも荷物持ちを依頼して、「ええ、是非とも。来月にも品揃えは変わっているでしょうし、楽しみですわ」と季節を扱う店への期待を寄せて。そのまま、和菓子屋を出た後には自然な動きで彼の手を求めるだろう。これもおとめの我儘だ。)

06/22 02:00*187

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(雨さん。聞き慣れた呼称を彼女が口にすれば、鼓膜が痺れるような感覚がした。相方からその名を呼ばれることも嬉しいが、彼女が呼べばそれはまた別の響きを持つ。その上で恥じらうように発せられたなら、意識するなと言う方が無理だ。刀は感情を抑え、瞼を閉じ手で口元を隠す。こんなに歯止めが効かないのは初めてのことだった。)……ええ、何でも言ってください。(熱を帯びる顔を彼女から逸らし、頷く。しばらくは慣れそうにないかもしれない。次いで三つ目の『我儘』も、これまた我儘と言えないような愛らしいもので。)りぼん…髪紐ですか。構いませんが、頭のお眼鏡に叶うかどうか。(正直、そういったことは篭手切や松井の方が詳しい。けれど彼女の身につけるものを選べるという機会に、惹かれない筈はなく。その願いを叶えるため、刀はすぐ首肯を返すだろう。いつもは赤いリボンが結ばれる、彼女の頭頂部をそっと見つめる。柔らかな黒髪には赤が一等映えていたが…他にはどのような色が似合うだろうか。)ふむ。そうすると、短冊がたくさん必要になりますね。きっと言葉が止めどなく溢れて、筆が止まらなくなるでしょうから。(楽しげに活け花への意気込みを語る彼女に、こちらもどのような句が生まれるかに思いを馳せる。荷物も当然快く引き受け、季語がたくさん集う和菓子屋を後にすると。今度は向こうから伸びてくる小さな手に、ゆっくりと目を瞬かせる。そうしてそっと、己の長い指を彼女の白い手に絡ませるのだった。)……では最後に。約束のりぼんを買いに行きましょう。丁度良い店を松井から教えてもらったので、そこに売っているかと。(最初に述べた『行きたい店』というのはその店のことである。彼女の了承を得たのなら、優しく手を引いて目的の店まで導くだろう。――そこは洋風の洒落た店構えで、様々な花を象った装飾品が数多く並ぶ店である。)

06/22 19:13*202

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(六文字から四文字へと変わっただけ。それだけなのに頬に集まる赤みも、彼が閉ざした瞼の向こうも、二人の空気が塗り替わっていくようで視線がつい地面に降りていく。だって、こんな空気感だなんてよくは知らない。ついついもじもじとしてしまう気恥ずかしさに身を委ねながら、続けた我儘一つ。名前を呼ぶのとも出かけるのとも違う、本格的にこちらに意識を傾けてもらうような願いでもすぐに首肯を返してくれるのだから、わがままを言うのが癖になってしまいそうだ。)ふふ。雨さんに選んでほしいんですのよ。(それが気に入る品かどうか、よりも彼が何を選んでくれるか、というのが重要なのだ。趣味に合致するかどうかは度外視してのこと。無論、ピタリとくるような品を贈られたのならばそれは嬉しいことだろうけれど、身につけるものの選択肢に彼の見立てを欲しがっただけ。和らいだ笑みを浮かべながら、「雨さんが選んでくださるなら、なんでもいいんですの」と笑うのだ。)ふふ、それは…墨もたくさん用意しておかなくてはいけませんわね。時間がいくらあっても足りなくなりそうですわ。(そのあたりは初期刀に伝えておけばうまく調整もしてくれるだろう。当たり前のようにそんなことを考えながら、期待に染まる表情を晒している。今だけでなく、これからにも楽しみに思うことがある幸せをかみしめて。荷物を持つ彼を横合いからうかがいながら、無事に手が絡んだことを確認して嬉しげに笑みを灯しては。)まあ、さっそく。よろしいのですか?ふふ。楽しみですわ。(基本的には和服で過ごしているとはいえ、レースの半襟やリボンをはじめとして洋風を取り入れることには抵抗がない、どころか喜んで取り入れている部類であった。店構えの洒落た調子にほうと息をついて、中に入れば色とりどりに並ぶ装飾品の数々に目を輝かせる。「素敵なお店ですのね」と初めて訪れる店を一目で気に入った態度を示すだろう。)

06/22 19:57*206

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(むず痒いような、もどかしいような。筆舌に尽くし難い、名前のつけられない感情が頭の中を占めていく。人の心とは難しいものだということを再認識させられた。彼女の願いを聞き届ける頃には、顔の熱も幾分か収まり。いつも通りの冷静な表情に戻っているだろう…恐らく。しかしまたそれを揺るがすような、彼女のいじらしい言葉を耳にして。意味を噛み締めるように再び目を閉じた。自分が選んでくれるなら。自身を特別に想ってくれているかのような言葉に、吠えそうになるのをぐっと堪える。)ならば尚更、責任重大ですね。その想いを大事に包み込めるような、良い品を選ばなくては。(彼女の温かな気持ちを無碍にはしたくない。喜んでしまいそうになる気持ちを引き締め、真剣に選ぼうと心に決めた。)……頭、それは、(もっと自分との時間が欲しいと望んでいる、ということだろうか。尋ねようとして、口を噤む。それを問うのは野暮だろうと感じたからだ。代わりに「待ち遠しいですね」と素直な想いを吐露し、戦の先にある穏やかな時間を想うのだった。——少し性急だろうかと思ったが、彼女は喜びの笑みをこちらに向けてくれた。たどり着いた店の外観と内装を一目見て、主はどうやら気に入ってくれたらしい。「女性の好む店も知っておかないと」と松井から教えられた甲斐があったようだ。)喜んでいただけたようで、何よりです。頭はこういった雰囲気もお好きですか。(店の中を見回しながら、今後の参考のためにと問いかける。こぢんまりとはしているが、欧風アンティーク調の内装で纏まっており、和の店が多い万屋街では珍しいかもしれない。首飾りや耳飾りが多いものの、もちろん髪飾りや布製品も揃っているだろう。)

06/22 23:36*211

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(もしも本丸にいるときならば誰かの姿を見つけたり用事を作ったりでこの甘酸っぱくも気恥しい空気というものは長続きしてくれなかっただろうけれど、今は本丸の外で二人きり。落ち着いた空気を漂わせる店頭であれば不意の介入をする他人などもいるはずもなく。そしてこの空気を実のところ壊したがってはいないために、変化というのはそうそう訪れるものではない。)気楽に選んでくださって大丈夫です、けれど……ふふ。雨さんが張り切ってくださるのは嬉しいですわ。楽しみにしていますわね。(誓ってプレッシャーをかけたがるような意図などは存在しない。ただ彼の言葉が嬉しくて浮かべた楽しみだった。)それは…?…ふふ、ええ、本当に。…待ち遠しさのあまり眠れなくなったらどうしましょう。(だなんて続けた言葉は冗談めいている。よもや遠足前に興奮して眠れなくなるような子供でもあるまいし。それでも次なる時間へと寄せる期待こそは本物で、表情はそれを隠しもしていなかったろう。二人、楽しみに想うことが重なっている。それはとても幸せなことではないかと思った。たどり着いた店は品ぞろえももちろん、内装すらも魅力的で自然と瞳がきらきらときらめいて仕方がない。)ええ、そうですわね。落ち着いた雰囲気や歴史のある佇まいは、洋の東西を選ばずに好んでおります。ふふ、この辺りでこのようなお店は珍しいですわね。(審神者という立場に幼少期から触れてきた影響か、落ち着きや伝統を好むのは刷り込みに近かった。「雨さん、髪飾りはあちらの方ではなくて?」と楽しげな様子を隠しもせずに入り口から少し奥まった一角を指さしてみせる。リボンのみならず様々なものがそろっているようではあるが、と、興味深げに品揃えに目をやった。無地のものも柄物もある。そういえば、柄の有るリボンを身につけたことはなかった、と、自然と目が止まった。)

06/23 01:02*216

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(異性と接する経験の少ない、刀剣男士であるが故。こういった空気になった時はどうすれば良いのか、正直心得があまりなかった。より距離を詰めるには一抹の不安があり、かと言って距離を取るには離れがたい。この距離感を崩すことは憚れ、ただ彼女を見つめ続けるしかできない。)はい。必ず頭に似合うものを見つけましょう。(真顔で頷くが、感情は期待を寄せられたことで上向く。女性の装飾品にはとんと疎いが、彼女を喜ばせるためなら尽力するつもりだった。)いえ、お気になさらず。……ならば、頭が眠りにつけるまで。私が傍で忍んでいましょうか。(戯れにそう告げてから、すかさず「冗談ですよ」と一言続ける。散々感情を掻き乱されているため、意趣返しのようなものだった。この刀、実は図太い上に少々根に持つ性質でもある。しかし待ちきれないのはこちらも同じ。同じように期待に胸を膨らませその日を待つことの、なんと幸福なことだろうか。)なるほど。私はあまり洋のものに詳しくはないのですが…確かに、何処か心落ち着くような気がします。(本丸にはない、古き良き外つ国の内装。そこに佇む彼女はまるで一つの絵画のように思えた。そんな彼女の指差す方向を向けば、そこにはずらりと並ぶ髪飾りたちがあった。色とりどり様々なリボンも置かれており、刀の視線はそこに注がれる。それらをじっくりと眺めていると、ふと彼女の視線が交わる。それを自然と目で追えば、柄の入ったリボンが視界に入った。)……ふむ。(顎に手を当て、柄入りのリボンたちを静かに吟味し始める。だが情景を句にできる感性はあっても、装飾の色彩感覚はからきしの刀だ。彼女に似合う色が思いつかず、時間だけが経っていく。——そして。)頭、こちらはどうでしょう。(と、あるリボンを手に取る。それは薄く紫陽花の刺繍が施された、薄藤色のリボンだった。右端には小さな雫型の石のチャームが付いている。)

06/23 16:39*230

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ふふ、よろしくお願いいたします。…ひとに選んでいただく、というのはこんなにも胸がときめくものなのですね。(おそらくは、それも彼だからこその喜びだ。柔らかい調子の笑みを浮かべて見せて、心からの楽しみを寄せている。いたのだけれど。)そばで、しのぶ。………、ぇ、あ、…………(思わず鸚鵡のように彼の言葉を復唱して、意味を理解すれば顔じゅうが真っ赤になって言葉を紡ぐことすら忘れてしまった。それほど間を置かずに告げられた冗談を理解するまでも時間がかかって、理解してしまえば「さ、さみだれさま!」と彼の服の裾を引いた。立腹というよりも混乱である。「……雨さんの御冗談は、心臓に悪いですわ。……びっくりしたぁ…」すまし顔での意見の表明など到底長くも続きやしない。滅多にないお上品が剥がれ落ちた口調を内申の身にとどめておけず、安堵のような恥じらいのような、こんな冗談を口にするのは脈のない証なのかと不安がるような、常日頃感情を隠しもしない表情は複雑な色を浮かべていた。)ふふ、本丸は和の空気ですものね。ようのものといえばお料理や皆さまの衣類くらいかしら。(日常的なものであるので、格式ある伝統とはまた異なる立ち位置だろう。こうした場所に馴染みがないのは自分も同じだが、楽しさは万全に感じている。あれこれと視線は落ち着かず、けれども彼の方を伺うことも忘れずに。そうして、彼が選んだ一品に。)まあ、素敵…!普段は無地のものばかりですけれど、こんなに素敵な刺繍が入っていると心も華やぐようですわ。……でも、紫陽花ですと冬や秋に使うのは憚られますから……、その、また。お菓子を買いに出たときにでも、また季節のものを選んではいただけませんこと?(それは次の機会を得るための言い訳めいたもの、というよりは、単なる無邪気な本心からなるものだった。何分、少女は我儘である。)

06/23 21:58*238

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(最初は彼女の真っ赤な顔に、細やかな仕返しができたかと思ったが。自分が予想した以上の動揺と、浴衣の裾を引っ張られ少々面食らった。次いで浮かべられた複雑な表情に、刀はもしや不安にさせてしまったかと半ば勘違いと言える発想に当たり。)…失礼しました。流石に冗談が過ぎましたね。頭の部屋に忍ぶようなことは決してないので、安心してください。(何かしらの事態になれば、初期刀や彼女の御尊父に申し訳が立たない。それに愛しい彼女だからこそ、大切にしなければと思うのだ。内心反省し、小さく頭を下げる。)確かに、そうかもしれませんね。本丸に顕現されて洋食には慣れましたが、まだないふなる食器を使うのに戸惑いがあります。(そういう認識だからこそ、やはり新鮮味を感じられて何処か心が浮き立つ。こういう想いも季語に成り得るのだろうと感じながら。視線は彼女と同じようにあちらこちらに、好奇心旺盛に彷徨っては彼女と時おり目を合わせることだろう。……自身が選んだリボンを、彼女はいたく気に入ってくれたようだ。零れ出る言葉を聞いて肩の荷が下りるものの、刀はここで装飾にも季節感が重要になってくることに気づくのだった。)お恥ずかしい限りですが…頭の似合う色が、上手く思いつかず。私の好ましい季語や色を選んで――(そこまで言って、再び口を噤んだ。彼女を自分の色に染めたいと主張しているようなものではないか、と思い当たったからだ。そう意識すると顔が火照るように熱くなり。眉間に皺を寄せ、視線を下に落とす。忍びとして表情を隠すための、戦装束で身につける襟巻が今ここにないことを密かに憂う。しかし、彼女の思いがけない誘いで再び顔が上を向く。つまり、彼女の身に付けるものを選べる機会が再び訪れるということだ。可愛らしい彼女の我儘…もとい願いに感謝し、頷く。)ええ、もちろんです。それまでに、私も装飾品を選ぶための目利きを磨いておきます。

06/24 00:00*243

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(この動転ぶりを見たものなど本丸にはいない。初期刀の前ですら妹のように甘えた調子を見せはするものの、同じセリフを言われたところで何の気にも留めずに敵襲でもありますの、と尋ねるだろう。想いを寄せる殿方なればこそ、言葉の一つが大層心臓に悪いのだ。引っ張ってしまった裾を謝罪を込めてそうっと伸ばしつつ、)いえ、そのぅ、わたくしも取り乱しましたわ…。でも、いけませんわ、雨さん。その、女人の部屋…など、見せてはいけないものもたくさんありますし。寝顔とか、恥ずかしいですし…、そんなことを言って揶揄っていたら、いつか刺されてしまいますわよ。他の方に冗談を口にする前には、わたくしで試してくださいましね。(自分だからといってきたのであればそれも複雑だが、この冗談が彼の口に上りやすいものであればそれもそれで大問題だ。取り乱した恥ずかしさと彼の言葉に未だ残る混乱そのままに口を開いていたが、やがて口にする言葉はおませな少女の忠告めいていた。少し眉を立ててはみるが、どうにも似合わなかった。)ふふ、和食ですと御箸を遣えばなんとかなりますものね。きっとそのうち慣れますわ。洋食でお気に召した品はありまして?(馴染んだ品もいいものだが、新鮮な環境というものも心が躍る。楽し気な調子で言葉を交わしながら、時折目線が会えばはにかむように笑っていた。)まぁ………、ふふ、尚更うれしくなってしまいますわ。雨さんのお好きなものを身に着けることができるんですもの。(彼が選んでくれたというだけで幸福に容易く染まりはするものの、その理由を知ることができれば尚更に。声は幸福に溶け、何か問題でもあったのかと視線を下におろす彼を下から見やる。けれど、上を向いた彼の顔にまた微笑んで。)ありがとうございます。…ふふ、今でさえ素敵な品を選んでいただけたのに?雨さんの目利きの腕が成長していくところを、楽しみにしておりますわ。

06/24 00:27*244

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(こんなに狼狽えた彼女を見るのは初めてだった。いつもは淑やかな姿勢を崩さず、他の刀に気を配る主。それを崩してしまったことで後悔が胸をよぎる。裾を伸ばされつつ目を伏せ)うら若き女性の部屋に、というのは冗談でも言ってはいけませんでしたね。反省しております。…頭は、私がどのような女性にも、こういった話をするとお思いですか。(少し眉を立てて咎める彼女に、そう問いかける。幾ら忍びといえど、女性を誑かすような輩なのかと心配させてしまったのを申し訳なく思う。これ以上は更に戸惑わせてしまうと感じ、「申し訳ありません。この話は、これで以上にしましょう」と締めくくろうとするだろう。)箸や匙以外に、ああいった食器があることを初めて知りました。物にできるよう努めたいと思います。気に入ったものですか…どの洋食も美味しいですが。はんばあぐやしちゅうが出たときは、より心が弾む気がします。(風靡や和の心意気を好む刀だが、述べた洋食は子供じみていた。興味深げに調度品や棚を眺めつつ、目と目が合えばはにかむような笑みに釣られてこちらも薄く口角を上げる。下から覗き込むような彼女の視線に気づき、熱を持った顔を隠そうと口元に手を遣る。しかし耳や頬の赤みは隠せず、彼女の下に晒す形になってしまうやもしれない。だが素直に喜び、選んだ理由を受け入れてくれる彼女に感謝を示すため、顔を上げる際に「ありがとうございます」と薄く微笑んだ。)ええ、見守っていてください。季節の装いに合うように、色彩や流行りも学ぶことにします。(そういったことは篭手切が詳しいだろうか。本丸に帰ったら早速教えを請わなければと心に決める。……もし彼女が自身のリボンを選んでくれるなら、「こちらも私に贈らせてください」と進んで会計を申し出るだろう。彼女の返答が何であれ、自身の色を宿したリボンがその手に渡ることで仄かに歓びを滲ませた。)

06/24 12:19*255

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本当ですわ…。雨さんはとても素敵な男性なのですから、気安く言っては勘違いされてしまいましてよ。……そうでないといいな、とは思っておりますけれど、(主であるという自負はあるが、大人の女性であるかと尋ねられれば残念なことに首を振るほかないだろう。そんな自分に対する冗談が他者にわたることを嫌がるからこその想像は我儘なものだとわかっている。我儘を許されたからといって流石にこれは、と躊躇う気持ちがあったために、話を切り上げられたことには安堵すらする心地で「そうですわね」と頷くだろう。)ふふ。こういうところ、わたくしも皆様に教えて差し上げられることのようで実は少し楽しいんですの。まあ。おいしいですわよね。(飾り気のない洋食の希望が少しだけ微笑ましくなったのは内緒。楽しげに笑いながら、彼と目が合うこと自体は喜ばしくくすぐったい気持ちになる。口元に手を当てられたならば首を傾げはするものの、どうやら顔を赤くしているらしいとは認識して。ほんのりと微笑ましくなって笑みを浮かべていた。もとより彼に選んでもらえたというだけでも上機嫌であったのだけれども。)ええ、勿論ですわ。…ふふ、雨さんは勤勉ですもの。近いうちにわたくしもかなわなくなってしまうかもしれませんわ。(だなんて口にする様は軽口めいている。彼の選んだリボンを手に会計に向かおうとして、贈ってもらえるとなれば驚いた風に目を瞬かせるも慌てて固辞することもなく、嬉しさを隠しきれない様子で笑って「お願いしますわ」と告げるだろう。次の日にでも頭を彼の選んだリボンで飾ることを夢見て、楽しい時間はまだまだ続く。彼とともにであれば、いつだって幸福の時間だった。)

06/24 18:41*258