ハプニング!突然のにわか雨!慌てて近くのお店の軒先に避難したけれどすっかり濡れてしまった…。お隣の人もずぶぬれみたい。
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(茄子の育ちがあまり良くないなぁ、と同じ江の刀がぼやいたのは今朝方だったか。この本丸の畑の管理を担う一振りである彼は、案の定自身に万屋街で高めの肥料と農薬を買ってきてほしいと頼んだ。畑の季語を守るためならば、と二つ返事で了承したはいいが。肥料と農薬を購入したところで、ふと雨の匂いが鼻腔を擽った。)……雨が。(暗雲立ち込める空を見上げ、呟いたのも束の間。ぽつ、と小さな雨粒が鼻の頭に落ちたかと思えば、すぐにバケツを引っくり返したような土砂降りの雨に変わった。肥料と農薬の入った袋を抱え、急いで近くの店の軒先へと避難したが。服も髪もしとどに濡れてしまい、額に張り付く前髪を掻き分けた。しかし突然の驟雨にも苛立ちや動揺を見せず、むしろこれぞ季語だと僅かに興奮を滲ませるのもこの刀くらいだろう。手の甲で濡れた頬を拭ったところで、隣に誰かが駆け込んでくることに気づき。顔を上げ、ちらりとその人物を一瞥する。どうやら同じようにずぶ濡れの状態であることを察すれば、懐の中にしまっていた手ぬぐいを差し出して)こちら、よろしければお使いください。濡れたままでは風邪を引いてしまいますので。(手ぬぐいだけは雨の被害を免れており、乾いた状態になっている。もし相手が手ぬぐいを受け取ったなら、そのまま荒れた空模様に視線を移すだろう。断られたなら、すぐにまた手ぬぐいを懐にしまう筈だ。)
06/09 21:39*100
(いつものように万屋街での買い物の最中、ほんの生活用品の補充だからと一人きりでしかも軽装で外に出たのが裏目に出た。大丈夫だろうと思っていたが、買い物を済ませて戻る頃に一気に分厚さをました雲とざあざあ音を立てて降り出す雨。)嘘でしょ…!?…っ、やだもう、どうしてこんな時に…!(恨めしげに空を見上げている間にも体はずぶ濡れになっていくから、とりあえずの避難場所を求めて駆け込んだとある店先の軒下。)これなら、嵩張っても折り畳みを持ってくるんだったわ…。(と後の祭りの後悔をぽつりと口にするが早いか、目が合った刀剣男士から自分へと向けて差し出された手ぬぐいの存在にパチパチと何度か瞬きを繰り返す。)えっ……?でも、まずはあなたが使わなくちゃ。もし使わせてもらえるなら、私はそのあとで大丈夫だから。(手ぬぐいはどう見ても乾いていて、彼が使った形跡は見られない。差し出されたそれは渡りに船の如く有難いものに違いなかったが、それでも他の本丸の刀剣男士の手ぬぐいを本人より先に使わせてもらうなど申し訳ないと思い、迷うように視線を彼と手ぬぐいの間で交互に動かした。)
06/09 22:48*108
(手ぬぐいと自分の間で彷徨う視線に首を傾げる。とりあえず拒否されているわけではないことを察し、変わらず彼女の前に手ぬぐいを差し出し続ける。)お気になさらず。刀ですから、雨に濡れた程度では風邪を引きません。むしろ、この状態の方がより季語を感じられて喜ばしいくらいです。(少々ずれた返答ではあるが、『五月雨』という号を得たからこそ雨には慣れ親しんでいる。しかし、もし彼女が最終的に受け取らないという選択をするなら、それを尊重し静かに引き下がる筈だ。……雨が地面を叩く音、雨水の香り。それらを感じて、少し表情が緩んでいくが)…ふふ……すみません。貴方は災難に遭ったというのに、私だけ喜んでしまって。どうしても、こういった俄雨には心躍ってしまうのです。(流石に雨に降られた相手に失礼だろうと、視線を伏せて謝罪の言葉を。浮かれすぎてしまったかと、少々気恥ずかしい思いに駆られるが。——次第に雨足が弱まり、雲間には明るい光が差す。次第に晴れ間が見えてくれば、空にはかすかに虹の橋が架かるだろう。その美しさに魅了され、思わず食い入るように空を見上げ。この情景を句にしなければ、と懐を探るが、急ぎの買い物だったためいつも持ち歩いている帳面も矢立もない。仕方なく、僅かに肩を落として荷物を抱え直すだろう。)この美しい虹を、今すぐ句にして詠みたかったのですが……非常に惜しいですね。(どうやら雨も止んだ様子。買い物の途中らしい彼女を邪魔しては悪いと、彼女へと小さく頭を下げ)では、私はこれで失礼します。貴方も、風邪を引かぬようお気をつけて。(もし手ぬぐいを受け取っていたなら、その手ぬぐいは差し上げますと一言添える。そうして、少し駆け足気味に軒先を後にするだろう。本丸に帰ったらすぐ、この虹を詠まなければと心に決めながら。)
06/10 11:10*133
そうかもしれないけど、でも……あなたの手ぬぐいだし、悪いわよ。…こんな時まで?…まったく、そこはやっぱり名前通りというか、五月雨江なのね。(自身の本丸に居る刀剣も同じような返答をしそうだと手に取るように想像できてしまい、親近感を抱きつつも少しだけ困ったように眉を下げる。けれど暫しの逡巡の末、最後は「…ありがとう、借りるわね」とおずおずとそれを受け取り、手早く髪や顔、手などの濡れていた部分を拭いてゆこう。)え?いいえ、折り畳み傘を持ってこなかった自分の判断ミスだから、仕方ないわ。…それに、突然の雨に困るでもなく怒るでもなく喜べるのは…私には出来ないから、尊いことだと思うわよ。(他の本丸とは言えど刀剣男士から率直な想いを吐露してもらえて悪い気がするはずもなく、くすりと頬を緩めて。――そうして話す間に気まぐれな雨は降るだけ降って満足したようにぴたりと止み、晴れてゆく空からは仄かに虹めいたものも覗く。)……どんな句が生まれるのか、聞いてみたかったから、私も惜しいわ。(ふっと柔く苦笑いを浮かべて口惜しさを告げるも、)素敵な句、また詠めるといいわね。本当にありが、…っあ、待って、まだこれを返していないわ…!(と追いかけようと試みるも一足遅く、差し上げると添えられて申し訳なさそうに手ぬぐいを握りしめる。)お礼にメモぐらいあげられたらよかったのに…。……どこかで会えたら、そのときこそ。(受けた温かな親切は絶対に忘れないと心に刻み、己も晴れている間に帰り道をゆこう。湿った手ぬぐいと共に。)
06/10 19:20*145