ハプニング!何処からともなく五匹の小虎が寄ってきた!自分一人じゃ抱えきれない!

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(事務用品から食材、生活必需品を手分けして買うことにして、集合場所は大通りの休憩広場。手提げ袋の中を膨らませて集合場所へと来れば、どうやら自本丸の男士たちはまだ買い物途中のようだ。みんなが来るまでゆっくりベンチに座って待たせてもらうことにしよう。それでもなかなか集合しないとなれば、その時考えようかと――そうして、スマホをいじりながら座っていたのだが。突然音もなく、足元からするりとあったかいような、もふっとしているような感触が伝ってきたものだから、弾かれたようににスマホ画面から顔を上げ、大袈裟なくらいに驚いて体を震わせてしまった。)うう、うわあ……!……あ、え、小虎……?(自分が座るベンチに他に人がいなくてよかった。変に手を浮かせた状態で足元を確認すると、何処から来たのか小虎が一匹、二匹――五匹もいる。審神者や関係者であればみんなが知っているだろう、五虎退の小虎たちだ。自分の足に体を寄せるこ、「ぎゃう」と鳴くこ、ベンチのそばで寝転ぶこ、様々だ。)どうしたの小虎さん……一体どこから……。五虎退は?もしかして、迷子?……迷子の小虎ちゃん?(スマホをポケットに仕舞いベンチから腰を浮かせ地面に膝をつくと、登ってこようとする小虎もいる。そんな小虎の背を撫でたり、ベンチに前足を掛けようとするこを窘めたり。迷子ならばある童謡が頭に浮かんで、少しほっこりする。――場合ではない。小虎五匹を抱えて屯所にも行けず、わんぱくな小虎たちを気にしつつも辺りを見回す。このこたちの主を探すように、だれかに助けを求めるように。)

06/15 19:36*421

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いや、俺に言われてもさ……(どーすっかな、と悩ましげな表情で額に手を添える。それは昼下がりの万屋街、相方とも呼べよう一振りと買出しに来ていたがゆえに遭遇した事態。所謂別個体と謂うやつだろう、見覚えはあるが面識のない五虎退から急に泣き付かれてしまった。どうやら小虎と逸れてしまったらしく、どうしようどうしたら、と狼狽えるばかりの短刀を前に溜め息を吐いて思案顔。ひと探しよりは幾分ラクだろうけれど、そう上手く事が運ぶかと言えば――)……お。ラッキー。(口元に笑みを浮かべ、呟いたのは。開けた通りの先、紅い瞳に映した光景はまさしく求めていた其れで。「行くよ、」と依頼主たる短刀に告げたのなら休憩広場の方へ、草履を擦りながら歩いてゆこう。辿り着く前に視線が合ってしまっても、此方からのアクションはせず。ただ、後ろに引き連れた短刀の姿に気付いたのなら状況は把握して貰えそうだけれど。)ほら、こいつらで合ってる?(ベンチの近くまで辿り着くと、短刀は虎くん!と一目散に小虎――と共にベンチに腰掛ける女性――の傍へ飛び出した。再会を眺める傍ら、敢えての仏頂面で)ったく、ちゃんと気をつけて見とけよ。万が一誰かに怪我でもさせたら、万屋街全域で動物禁止になるかもしれないんだから。(腰に手をあてながらの小言をひとつ。そして傍に居た女性へも視線を投げ掛けると、)あんたも。主としてちゃんと指導しときなよね。(と、小虎の懐き具合と状況から、彼女を主と認識した上で。お小言のお鉢が回る。)

06/15 20:15*425

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(広場内を見回す最中も自分から離れて何処かへ行きそうな小虎がいれば、必死に腕を伸ばしてずりずりと抱きかかえる。ぎゃう!と鳴かれても、こちらは必死だった。)五虎退さんも、毎日大変なのかなあ……。(そんなことを呟きながら小虎たちからふと顔を上げた視線の先。こちらに向かってくる打刀の姿に瞬きを繰り返す。首を伸ばしてみれば、小虎たちがいない短刀も一緒だ。)迷子の小虎ちゃんたち、五虎退さんの……あ、やっぱり……!よかった……。(立ち上がり、感動の再会といった様子の短刀たちを眺める。心温まる心地を覚えつつ、打刀の言葉に耳を傾けよう。特に万屋街は老若男女様々な世代のひとが行き交う場所なのだから、動物を連れる場合はより気を付けなければいけない。短刀に向けられての言葉だったけれど、背筋が伸びる思いで聞いていたものだから、)は、はい?え、あ、すみません……。あ、いえ、えっとですね、(彼の言葉につい頭を下げて謝ってしまう。多分勘違いをさせてしまっている。説明しようとすると、先に短刀から主ではないこと、たまたまの出会いであることが伝えられた。打刀も短刀も、男士たちは本当にしっかりしている。彼に向き直れば、一つ頷いて。)はい、私は彼らの主ではなく、たまたま小虎さんたちと一緒にいた審神者です。……でも、加州さんのおっしゃる通りですね。私、小虎たちを可愛いなあと思いながら保護していたものですから……。だれかに怪我を負わせないためにも、改めようと思います。……そうだ。(ベンチに置いたままの手提げ袋には飴が入っている。「小虎さん捜索のご褒美、というのはいかがでしょう」と提案してみるが、知らない人からお菓子はもらうなと教育されていただろうか。受け取ってくれるかは彼ら次第。)

06/15 22:56*431

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(特段謝ってほしいわけでもなかったけれど、言わんとする事が伝わったのならそれでよし。殊勝な態度にこれ以上の小言は飛び出す筈もない。ただ、一仕事終えたとばかりに軽く息を吐いたところで、慌てた様子の短刀から否定が飛んだ。「え」と出た声は濁点が付与されそうな声音で。続く状況説明に思わず薄目で彼女を見る。『なんで謝った』と『早く言え』のオーラを醸し出しながらも、この件に関しての非は此方にあるので、)あー……なんかごめん。(濁すつもりはないものの、何となく芯の抜けたような声になってしまった。短刀が少し笑ったような気がしたがそこは敢えて気付かないふりをしよう。)まぁ今回に限っては、出くわしたのがあんたみたいなタイプの人間で良かったーって事にはなるけど。……っつっても、気をつけるに越したことはないし。そうしてもらえると助かりマス。(本当に伝えたい相手ではなかったにせよ、真摯に受け入れる姿勢をわざわざ撤回させる理由はない。誰が肝に銘じておいたところで、けして損にはならないのだろうから。さて、何かひらめいたような言葉を置いて荷をさぐる様子には、隣の短刀と目を合わせたりもして。“ご褒美”の名の下にささやかな施しを提案されたのなら、ふは、と吐息がこぼれた。)あんたから貰うのも変な気がするけど……まーいっか。ありがと。(身に余る類の物であれば遠慮もしただろうが、面白いくらいに程好い褒美だったので。己が頂戴したのなら、つられるようにして短刀も受け取ったことだろう。糖分補給はそう悪いものではない。)さてと、じゃあ俺らは行くけど。また小虎に絡まれないよう気をつけなよー。(なんて揶揄めいて言い残し、踵を返そう。「ほら」と短刀に声を掛けたのは、同じことが起きないよう、同行できる場所まで連いて行ってやるつもりなので。小虎探しの巻は今少しだけ続く。)

06/16 18:54*444