ハプニング!何処からともなく五匹の小虎が寄ってきた!自分一人じゃ抱えきれない!

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(夕刻の万屋街においては帰路につこうとするものあり、店じまいに移るものあり、今が好機とばかりに呼び込みの声を上げるのものあり。一種の喧騒を纏わせる時間のようであった。昼時から他の刀剣男士から頼まれた買い物をこなし、片手の紙袋に雑多に戦利品を投入した肥前忠広もそろそろ帰路につこうかとする刀のひと振りであった。――しかし。)は?(足元に寄ってきた小さな虎の姿に目をむいた。万屋街にいる虎となれば十中八九五虎退の管轄だろう。それはいいにしても、なぜこちらによって来るのか。思わず動かそうとしていた足を止めれば、もう一匹、もう一匹とますます増えていく。もしやこれは五頭全てがいるのではないかと足の起き場所に困る脇差をしり目に、どうやら自分が持った紙袋の方に興味が惹かれている様子。)おい待て、まさかてめえら、――おい、五虎退!(うずうずとばかりに爛々とした目。飛び跳ねられそうな姿勢、尻を高く上げて前足を折りエネルギーを貯めようとしているかのようなその姿勢には覚えてがある。紙袋を庇うようにしつつ、姿の見えない短刀を求めるように声を上げた。お前の虎だろうなんとかしろ、とばかりのその調子は一種の恫喝めいたものと映るかもということは考慮に入れる余裕もなく。)

06/09 00:49*8

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(ちょっとそこまでだからお供は大丈夫よ、と本日の近侍へ言づけて一人で万屋街へ赴いた夕刻。溜まっていた書類を何とか片付けてちょっとした息抜きのつもりだった。とは言え、外では割と気を張っていなければ、素の自分が出てしまいそうなものだから外で息抜きになるのかは微妙なところだったけれども。して、到着して少し進んだタイミングで聞こえた声に思わず視線が向かうのは人の性だろうか。あるいは―怒鳴るようなその声の中に僅かに戸惑いを感じたせいかもしれない。視線の先には、脇差が一振り。そしてその足元には真白い虎の子。彼の手には紙袋。どうしよう、助けた方がいいのだろうか。けれど突然声を掛けられることを厭うかもしれない、と少し躊躇ったのは一瞬のことで意を決したように深く息を吸い込むと、いたって冷静な声を心がけた。)…虎さん、こちらへいらっしゃい。(にこりと柔らかく笑みを浮かべると手提げの中から、猫向けのおやつを取り出した。他の本丸のお連れに勝手に与えて良いものか少々迷いはあるもの、虎たちを呼びながら)…大丈夫ですか?肥前様(と眉尻を下げるようにして笑いながら尋ねた―)

06/09 01:19*18

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(蹴とばすわけにもいかないが、紙袋に爪を立てられて中身が散乱でもしたらことである。人斬りの刀という自覚はこうしたときに穏便な対応を即座には導き出せないという弊害もある。であるから、警戒する脇差と見慣れぬおもちゃ、もしくは獲物を前にした小虎の間に入り込んできた冷静な声と虎たちを招き寄せた芳香らしきものには自然緊張に走っていた肩の力がふと抜ける。)……ああ。あんたんとこの連中か?(ありがとう、という簡単なひと言を唇から出すのには多少の苦労も存在するようで。安堵の混ざったと息を吐き出した後、わらわらと審神者によって行く虎たちに首をかしげる。虎くん、と、半分涙声で駆けよってくる白い影もまた一つ。)…こんな人通りの多いところで放し飼いにすんじゃねぇよ。(と思わずとばかり小言を垂れて後、虎はどうやらこの審神者の配下ではなかったようだと認識して、五匹を連れて帰っていく短刀を見送ってガシガシと頭をかいた。)……悪い、助かった。(やがて取り残されたのは見知らぬ親切な審神者と困り果てていた脇差ひと振り。配下が暴走したというわけでなければ不器用な言葉も幾分素直に吐き出され。)……ああ、…どうすっかな、…詫びだ。(しかし、となれば彼女はよその本丸の自分を助けるのに、彼女の本丸の虎たちに使いたかっただろうおやつを浪費したというわけで。思わずと顰め面をしてから紙袋の中をあさり、鰹節をひとパック彼女に向けた。彼女が持っていたおやつとの価値を比較すればつまらないものだが、これ以外の持ち合わせはなかった結果。眉間の皺は幾分申し訳なさを表明しているものであるが、単なる目つきの悪さととらえられるかも。ともあれ、そんな顛末。)

06/09 01:48*21

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(ついつい自本丸の虎たちが食べるからと猫のおやつを取り出してしまったけれども、他の本丸でも同じものを食べるかも危うい、と思いつつ着物の裾を丁寧にさばいてしゃがみ込んでおやつを差し出した。そわりとした気持ちは穏やかな笑みに隠して「いえ、うちの子たちでは…」とふるりと緩やかに首を振ったところで、控え目な声が虎たちを呼ぶ。どうやら彼のところの子たちらしい。)無事見つかって良かったわ、…気を付けて下さいね。五虎退様(ついつい自本丸の癖で頭に延ばしかけた指先をすんでの所で押さえて、にこりと笑みを浮かべて見送る。主の元へか、或いは本丸へか、駆け戻って行く小さな背中を見送って再び彼と向き合おうか。)いえ、大した事では。…紙袋も、ご無事なようで何よりです(彼が守っていた紙袋に視線を向けて淡くほっとしたように息を吐き出す。―虎に少したじたじと言うか戸惑っている姿は少しだけ微笑ましくも感じたと言うのは胸に秘めて置くことにした――まぁ隠し事の向かない身なので、向けた視線に若干の微笑ましさは滲んでいたかもしれないけれども。)え?…いいんですか?(ぱち、と少しだけ驚いたように瞳が丸くなって、はっとしたように慌てて冷静な顔を作ると「義理堅いかたですね、肥前様は」ぶっきらぼうな態度ではあるが、謝意を示してくれている様子は―やっぱりちょっと微笑ましいような。うっかりまたほわんとした気持ちになりかけて、慌ててこほんと咳ばらいをすると)では有り難くちょうだいしますね。ふふ、うちの子たちもきっと喜ぶと思います(受け取った鰹節は手提げの中に大事に仕舞い込んで「それでは」と会釈をひとつ済ませるとゆっくりと草履の足元を踏み出そうか。―他所の本丸の刀剣男士様とお話するのは、緊張する~と大きく大きく息を吐き出したのはかなり歩いた通りの先、お互いの姿が見えなくなってからだった。)

06/09 14:03*46