ハプニング!何処からともなく五匹の小虎が寄ってきた!自分一人じゃ抱えきれない!
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(非番日の本日は、私用で万屋街に足を運んでいた。私用と云っても直ぐ済ませられるもので、想定通り手短に纏めて後は戻るだけの帰路の道中で見付けたのは、主が好んでいた御団子屋。主人の喜ぶ顏が、――ぱっと浮かんでしまえば堀川の選択は最早、一択。お土産に一袋購入し店前へ出たところ、タイミング良くがう、と鳴く声に白い複数の小さな影達。思わずと視線を落とし、あれ?)…君達、五虎退君のところの虎だよね。(取り敢えず入り口付近では迷惑であろうと、小虎達を手招き店舗横へ場所を移動した。跳回る小虎達は、如何やら迷子である自覚はないよう。そりゃあ、そうである。屈んで視線を合わせる堀川の足許に戯れ付いたり、あわよくば登ろうとする子達を眺めて苦く笑った。)うーん、参ったなぁ。この子達の五虎退君を探すにしても、万屋街の屯所に連れていくにしても、元気な子達だから一人の目で足りるかどうか……。(空いている側の手で適当に構いながら、困った一振は首と良案を捻るも只時は過ぎ行くばかり。願わくば彼等の主人が逆に見付けてくれる、将又手を貸してくれる人物が現れればいいがそう上手く事は運ばないだろう。今ばかりは、一人で出掛けたことを僅かに後悔しようか。)
06/09 10:16*39
(調味料の買い足しに、近侍の後藤藤四郎を連れて万屋街へ来ていた。こまめに補充する形で購入しているため、今日の荷物は少なめである。自分も近侍も、それぞれ買い物袋を一つ提げていた。道なりに歩いていけば御団子屋が見え、近侍を誘って共に向かおう。まだ昼前だけどいいのか大将、と傍らから心配そうな声が掛かればにこやかに答えよう。)甘いものは入るところが違うのよ。帰るころにはなくなってるから大丈夫。(昼餉までにお腹を空かせる自信はあった。近侍も強く止めはせず、店の前までやってきたところで珍しい光景を目にする。堀川国広と五匹の小虎だ。仲良くやってきたという感じでもなさそうである。近侍に耳打ちをすれば、頷き一つ何処かへと走っていった。残った自分は、かの脇差へと声をかける。)こんにちは。可愛い小虎たちね。(彼と同じように屈みこみ、小虎たちへ手を差し出して自分も遊び相手となろうか。)小虎を連れていない五虎退くんが近くにいないか、私の近侍に探してもらっているわ。少し待ってくれるかしら。(しばし小虎たちと戯れを楽しんで。それほど時間を置かず、近侍が五虎退を連れてきた。ごめんなさいと涙目で謝りつつも、小虎たちとの再会を喜んでいる様子。ほっと安堵の息を吐く。)良かったわね。(それは五虎退に向けた言葉でもあり、堀川国広へと向けた言葉でもあった。)せっかく御団子屋さんの前に集まったことだし、あなたたちも一本ずつ食べていかない? 私のおごりよ。(とは言うものの、先に店先にいた脇差の彼は既に食べ終わったところかもしれず、伺うような視線を投げた。)
06/09 12:31*44
(燥ぐ子虎、傍ら長期戦を覚悟したような諦観の念染みる笑みを滲ませる脇差に訪れた転機は、現状非常に有難い申し出であった。察知した近い気配と、顔を上げた先に居た見知らぬ審神者であろう女性。挨拶と共に何匹か引き受けてくれた彼女には、挨拶を返してから謝意を込め軽く会釈を一つ。それから、堀川らしいにこにことした笑みを浮かべて感謝を並べるのだ。)すみません、助かりました。僕、一人で来ていたもので手が足りなくて…かなりやんちゃ盛りみたいなので(彼女の近侍を待つ最中も、堀川と審神者の空間で跳ねる・戯れ付くのオンパレードを繰り広げる小虎達。然しながら、主人が来れば機敏なもの。瞬く間に主人に向かう様を、再会の様を柔く見つめては今回の誉である彼女と其の近侍へ改めて頭を下げるのだ。)本当にそうですね。…この早い再会は、審神者さんと後藤君のお陰だと思います。僕からも、有り難う御座いました。(主人から離れ、足許を引っ掻く一匹を空手側で軽々と抱上げてから、視線にゆっくりと肯定の意を示すように、笑って頷こう。)折角のご縁ですしね。……!ああ、審神者さん。それなら僕良いものを持ってるんですけど、これを食べませんか?新作らしいですよ。(残念乍、小虎達の分は無いが土産用の紙袋には四本の新作が。確か、店前に外で食す用の机と椅子が用意されていた筈。一度、小虎を下ろしてから袋の中身を其の場で見えるようにし、「まだ温かいので」なんて微笑んで。主のお土産はまた帰り際に買い足せば良い。色好い反応が見られるならば、暫し穏やかな小休憩となるだろう──さあ、新作のお味をご賞味あれ!)
06/09 17:19*66
(人当たりのいい笑みや礼儀を欠かさないところは、さすが堀川国広といったところか。こちらも軽く会釈を返しながら、彼の表情が最初見かけたときよりもマシになっていたなら幸いだ。)あなたでも手に余ることがあるのね。(意外そうにしつつも、彼と自分の間で元気いっぱいに動き回る小虎たちを見て、確かにひとりでは厳しいかもしれないと実感する。ふたりでやっと釣り合いが取れたと思われた。やってきた五虎退へと寄っていく小虎たちが、少しばかり名残惜しかったのは内緒だ。これまた律儀に彼から感謝されてしまい、自分は大したことをしていないと思いつつも、ここは素直に受け取っておこう。)どういたしまして。後藤くん、私からもありがとう。(感謝の気持ちを傍らの近侍へと繋げば、近侍は照れくさそうにしながらも胸を張っていた。良いものと彼が見せてくれた新作に、分かりやすく瞳を輝かせる。)美味しそう……!(思ったことがそのまま口から出ていた。大将は新作や期間限定に弱いもんな、と近侍が若干の呆れを隠さず呟く。皆で椅子に掛け、まだ温かい団子を仲良くいただこう。新作の味をゆっくりと、幸せそうな表情で食べ終えて、両の手を合わせ首を垂れる。)ごちそうさまでした。とても美味しかったわ。それじゃ、ちょっと待っててね。(味の余韻に浸りたいところだが、すっくと立ち上がって店の中へ。やがて三振りの元へ戻ってきたならば、四本で一包みの新作団子を一振りずつ手渡していこう。)美味しいものは、誰かと一緒に食べるともっと美味しくなるわね。これは私からの感謝の気持ちよ。受け取ってちょうだい。(偶然会った自分たちが分け合ってこの美味しさなのだから、見知った、あるいは仲の良いものと食べればもっと美味しいはずと力説しながら、それぞれに手土産を渡したのだった。)
06/10 00:14*118