ハプニング!わっ!突然足元の小石に躓いて転んでしまった!

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(目的の店にたどり着くには少し荒れた道を進む必要があった。行きつけの筆屋は少しばかり奥まった位置にあるのが難点だった。本日は新入りの刀を迎え、彼にも専用の筆を作ろうと悪路を歩む。新入りと二人きりであることはままあることではあるけれど、話に夢中になり、道ゆく花に目を奪われた結果すってんころりと地面と衝突するのはあまりないことであった。主が転んだ姿を初めて見た刀が驚きを示し、医者を探してくる、と駆け出す様にも意表をつかれた。)…医者が必要なほどではありませんわ……、(との声はもう遠いからには届かない。人間の負傷には医者が必要だと覚え、迅速な判断を喜べばいいのか彼に与えたであろう混乱を嘆けばいいのか。座り込んだまま惚けていた。とりあえずは彼の帰りを待つつもりではいるのだけれど、彼は果たしてどこまでいったことだろう。言葉をかけ損ねて生まれた奇妙な空白の中に、ひとり取り残される。)

06/13 23:54*354

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(万屋街の少々奥まった場所に美味しいと評判のあんドーナツ屋さんがあると聞き、無事に買うことができた帰り道のこと。手提げからはほんのりと香ばしくて甘い匂いがたちのぼってくる。思わず頬を緩ませ、「買えてよかったですね!」と甘いものが好みな粟田口の脇差と共に頷いて。さて、どこで食べようか。あんドーナツ屋さんに飲食スペースはなく、かといって本丸でみんなに行き渡るほどの量は買っていない。通りのベンチで食べるのが妥当かと話していた時だ。)……!え、あの、大丈夫ですか……!(地面に座り込んでいる女性の姿が見えれば、できる限りの早足で向かう。少し道が歩きづらく、転びやすそうだったから。彼女のそばまでくればしゃがみ込もう。)足が痛いのですか?なにか、お困りですか……?私でよければお役に立ちたいのですが……。鯰尾、連れも、いますし……。(後ろで同じく片膝をついて控える脇差に一度目をやり、彼女にまた視線を向ければ心配から眉尻を下げ申し出てみよう。そんな最中でも地面に置いた手提げからは美味しそうな匂いが。)……あんドーナツ、食べますか?(首を傾げて訊いてみる。背後では「え?」と、なんで?と言いたそうな声が聞こえてきた。)

06/14 00:33*356

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(時間に取り残されていた娘の時間がようやっと動き出したのはその女性に声をかけられてのことだった。ぱち、と瞬きをして彼女の方を見上げて、)…あ、ええ。大丈夫ですわ、大したことはありませんの。少し転んでしまっただけで。(心配を寄せてくれている彼女の姿に柔らかに微笑むと軽く首を振って、少し慌てて立ち上がろうとしたところで足首の痛みに気が付いて瞬間、痛みに耐える表情をした。)…、…た、大したことはないと思っていたのですけれど、少し捻ってしまったみたい…。…お連れ様も…あの、近くで稲葉さまをみかけませんでしたこと?一緒に出掛けていたのですけれど…あの方の前で転ぶのは初めてで、医者を呼んでくると飛んで行ってしまいましたの。本丸にいらしたばかりの方で…。…それで少し驚いて、追いかけようにも追いつける気がしなくて…固まってしまっておりましたのよ。(小さく眉を下げて彼女と脇差を順に眺め、ほんの少しの逡巡ののち本日連れ歩いていた打刀の行方を尋ねてみる。)…まあ。もしかして、そちら評判の…?(瞬きながら見つめて、少女の食い気と主としての懸念がせめぎ合うような顔をしていた。こほん、と咳払いをして。)…その、足がこうですから、稲葉さまを探すのを手伝っていただけると助かりますわ。花珠が探しているといえばわかってくださる方と存じます。それから……、その、わたくし、甘いものを食べるのによい景色の場所を知っていますの。お礼代わりになるでしょうか。(申し訳なさそうに眉を垂れさせながら請うたのち、なにか返礼ができないかと考えた結果はどう転ぶか。ともあれ、親切な女性との出会いは何をおいてもきっといいものに違いなかった。)

06/14 11:07*360

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(彼女の言葉に力いっぱい頷く。大通りと比べれば少しぼこぼこした道で自分も注意して歩いていたから――「歩きづらい道ですもんね」と、立ち上がろうとする彼女に手を差し伸べたのだが、)……そ、それは、大変です。稲葉さん……すみません、見かけていません。なるほど、そういうことでしたか……優しい男士さんですね。飛んで行かれてびっくりしたでしょうが、稲葉さん、ファインプレー、ですね……!(後ろの脇差と顔を見合わせたが、首を左右に振って。言葉の通り『飛んで行った』のだろう打刀の姿を想像すると呆気に取られて無理もない。けれど、主を心配したからこその行動力が功を奏した結果になりそうだ。)はい、美味しいと噂を聞いて行ってきたんです。……もし落ち込むことがあったなら、甘いものを食べれば気分も持ち上がるかなと思ったんですが……そうも言ってられませんよね。のんきにすみません。(多分、背後の脇差は苦笑いをこぼしていることだろう。眉を下げ微笑むものの、怪我をしている彼女に申し訳なくて頭を下げる。)分かりました。お手伝いさせていただきます。……あの、万屋街にも医療施設のようなものがあった気がします。稲葉さん、そちらに向かわれたのかも。……花珠さんをおんぶしてそちらに向かうのも一つの案かもしれませんが、稲葉さんと行き違いになって花珠さんがいなくなっていたら驚いちゃいますよね……。……鯰尾さん。(きりっとした顔で後ろを振り返る。「はいはーい、ひとっ走りして探してみますよー」と立ち上がる脇差に頷いて。自分は足首を冷やせるものを探すことにしようか。応急処置について知識がないことが悔やまれる。――お礼に関しては手を振って遠慮するものの、打刀と脇差、医者がこちらに到着するまでにお礼を受け取ってしまったかもしれない。)

06/14 22:05*386