ハプニング!迷子を案内してあげた。一緒にお母さんを探してくれた親切な人にお礼をしよう。
*35*
(買う物を記した覚書を片手に、慣れた道を歩いていた。この刀の双眸は進行方向をまっすぐ向いているわけでなく、行きかう人々に少しの興味を傾けており、ある少年が目に留まった。周りをせわしなく見渡しながら、不安そうに立ち尽くす様は迷子と判断して差し支えないだろう。声をかけようと往来で足を止めたが、己は馬に嫌われる部類の刀だ。迷子を委縮させてしまう可能性がある。ふむ、と考えるそぶりで、ほかに気づいたものがいないか軽く周囲を見やれば、偶然目が合った相手に歩み寄って声をかけよう。)君も気づいていたかね。あの少年は迷子のようだ。もし、時間があるなら手伝ってくれないかい。僕だけでは色々と不安でね。(穏やかな口調で協力を仰ぎ、了承が得られたならば連れ立って少年に声をかけた。少年と目線の高さを合わせるべく、身を屈めたりもして。――相手の協力があり、無事に少年を母親に引き渡すに至った。去り行く親子を見送ったのち、協力者へと視線を送る。)君のおかげで、あの少年から事情を聞き出すことができた。助かったよ、ありがとう。
06/09 08:33*36
(さて―無事に頼まれた買い物を済ませた豊前はそのまま真っ直ぐに本丸へ帰るかと思いきや。まだ万屋街に居た。理由は幾つかあるが最たるものはと言えば、思いの外早くに買い物が済んだからちょっと歩き回ってみようかと思った次第である。折角だし、江の仲間達に何か土産でも―と思った矢先だった。ふと視線が合ったのは丸眼鏡の奥の理知的な瞳。招かれるまま近づいて行けば――)なるほどな、そんくらいお安い御用だ。よっし、坊主!俺らがちゃーんと探してやっから、安心しろ(すとんとその場にしゃがみ込めば、視線を合わせてにっこりと鷹揚な笑みを浮かべる。人懐こさ、というか気さくさには定評のある刀である。さて足で色々探してみようとした自分ではあるが、彼が何か別の方法を示してくれれば、それに従うだろうし、自分では思いつかないことなら思わず瞳を輝かせる場面もあっただろうか。少年を宥めたり、励ましたり、仕舞いには肩車をしたりとしている内に何とか母親との再会が叶えば去って行く親子にぶんぶんと手を振るだろう。)ははっ、俺は別に大したことしてねーよ。でも、わざわざ俺に声かけなくても何とか出来たんじゃねーか?(見る限りは穏やかで優し気な風貌に見えるし、先程だって少年に視線を合わせて話しかけていたのだし、と不思議そうに首を傾げる。)
06/09 14:53*47
(快く承諾してくれたのは、赤い瞳が印象的な江の刀剣男士だった。晴れ晴れしく、明るい気質が見て取れる。己と比較して、人に好かれやすい雰囲気なのは間違いないだろう。)これは心強い。(関心と共に、賞賛めいた言葉をつぶやいた。高さ180cm近い男ふたりに囲われて、迷子の少年は一瞬ひるんだようにも見えたが、豊前の笑顔に釣られたのか表情は少し明るくなった。良い傾向だ。)迷ったときは闇雲に動かないほうがいい、探してくれる当てがいるのなら猶更だ。僕の経験則だがね。(少年から母親なる存在を聞いたならば、こくこくと頷き返す。少年のことは豊前に任せておけば大丈夫だと判断し、己はその場から往来を見遣って母親を探すことにしよう。迷子を捜しているものの特徴は、身を以ってよく知っている。そして、慌てた様子で走ってくる母親らしき人物を視界に捉え、今に至るというわけだ。)そうだね、僕ひとりでも何とか出来たかもしれない。でもその場合、あの少年の心中は穏やかではなかっただろうね。君の気さくさが、少年の心をほぐしてくれたおかげだ。(少しは誇ってもよさそうなものをと思いはすれど、口にはしない。豊前江という刀剣男士は、いやこの彼は、慰めたり励ましたりをごく当たり前にやってのけられるのだ。)肩車が功を奏したね。あれで母親が気づいたようなものだ、お手柄だよ。(思い出すように彼の頭上を一瞥し、口元が弧を描く。)さて、呼び止めて悪かったね。礼という程ではないが、僕も君を手伝おう。何か困っていることはないかね?(荷物持ちなり、万屋街の店情報であったり、いくらか力になれるはずと続けて。此度の恩を返そうとするが、断られたなら潔く諦めて別れただろう。)
06/09 20:51*93
(人見知りとは無縁だし、何方かと言えば好んで他所へ関わっていく性質の持ち主は別本丸の刀剣男士であろうと、迷子の子供だろうとお構いなしだった。「あー、なるほどなぁ。確かに、すれ違いになりやすいよな」さすが冷静そうなだけある、という謎の方向への感心をしつつ深く頷く。それほど迷子に寄った性質ではないものの、何かあれば駆け出しやすいものだからうっかり仲間たちと逸れてしまうことも少なからずある。大抵の場合はお互いに探し回ってすれ違いを繰り返すという事を繰り広げているのだから、随分と感慨深い頷きだっただろう。有益な情報を得られたなら今度からは大人しくしててみよう、と一応思ったりはする。ひょいっと軽々しく抱え上げた少年を、いち早く見つけたのが母親だったのだろう。存外すぐに見つかったことに表情を緩ませて)そうか?…あんまわっかんねーけど、役に立ったなら良かったよ。すぐに見つかったのも良かったな。いやー、さすが先生って呼ばれてるだけあんな(にかっと裏表のない鷹揚な笑みを浮かべると、衒いのない賛辞を送る。彼の言う通り、母親は色々探し回っていたようなので、ここで動かずにいたのが正解だったと言えるだろうから。「ははっ、どんなことでも手柄ってのは気分がいいな」と楽し気に頷いて、問いかけられた言葉に少しだけし視線を巡らせて考えこむ。)そうだな、じゃあなんかちょっと変わったモンが置いてる店知らねーか?本丸のみんなに土産にしたいんだ(と、ちょっと変わったお店を知っていそうな相手に双提案してどうだろうか、と視線を向ける。紹介してもらえれば意気揚々と向かうし、そうでなくとも晴れ晴れしい笑顔は曇る事なく別れの瞬間を迎えるはずだ―)
06/09 22:58*110