ハプニング!わっ!突然足元の小石に躓いて転んでしまった!

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(その日、大倶利伽羅は両手一杯に荷物を抱えていた。必要な備蓄品がトラブルにより直接本丸へ納品されず、補填の品は万屋街の一角にある店舗まで足を運ばなければならない――そんな七面倒くさい状況の中で、非番の男士の中で一番体躯が大きい者に頼もうか、そんな理由から選出されてしまったが故である。何はともあれ仕事は仕事、お決まりである「俺一人で十分だ」との台詞と共に本丸を後にして、今に至る。抱える風呂敷包み二つは然程重くは無いものの、如何せん大きい為に視界が悪い。だからだろうか、道行く人々を避けながら歩くことに集中していたが故、足元の小石にすら気が付かない始末。)――ッ、(次の瞬間、視界はガクンと下がる。辛うじて途中で止まったのは己が片膝を突いたからだということはすぐに理解できただろう。だが、ここは往来。その失態にはついチッと露骨な舌打ちをひとつ。そして己が姿へと注がれる視線に関して些か敏感になっているのもまた致し方の無いこと。)……おい、何見てる。(低い声で問いかけた先、それが誰であろうとも大倶利伽羅は変わらない。バツの悪さから発せられた一言はまるで不機嫌なようにも映るだろうが、一先ずは返答があるまで静止するばかり。)

06/13 23:20*351

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(菓子を食べたいとせがむ刀剣男士と新しいレシピに挑戦したい刀剣男士――両者の思惑が一致し、さあ本丸内で大勢を巻き込んだ料理会が開かれるかと思ったが、そもそも材料が不足している事に気づいたのが先刻の話。諸々の準備を張りきる刀剣男士らに任せて、己は不足している食材の買い出しに出かけた。とはいえ不足している量もさほど多くないから、さっさと買って戻ろうと早足気味に歩いていたとき、思わぬ光景が視界に飛び込んでくる。)あんなに両手いっぱいにして、転ばないか……あ、あぶなっ、……!(両手いっぱいに荷物を抱えた刀剣男士を見つけ、流石に転ばないか心配になって眉根を顰めて様子を見守っていた――と、案の定。足元の小石に気づかず躓いてしまったらしく、大きくバランスを崩す姿をしっかり目撃してしまった。)……それだけ大荷物なら嫌でも目が行くわ。転びでもしたら危ないと思っていたから…大丈夫?怪我は?…重くなければ、途中まで持つ?(懸命に仕事を熟す姿を笑うはずもなく、ただ単純に心配を口にするも、不機嫌そうな言葉に対してこちらも不機嫌ぎみのお返しになるのは未熟さゆえ。けれどまた転んでもいけないと手伝いを申し出るのもごく当たり前の調子で。)

06/13 23:42*353

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(目が合った先、審神者と思しき女性から勝気な響きが聞こえたとて動揺するひと振りでも無し。しかし続け様にかけられた心配の言葉にはつい目を背けつつ、漸く膝へ力を入れて立ち上がった。)……怪我は無い。人間であるあんたに、己の荷物を持たせる男士が何処にいる。(視線だけ僅かに彼女の方へと戻しながら、何とも可愛げのない言葉は相変わらずの無愛想から吐き出された。それは至極真っ当な価値観でもあるとしても、きっと此処に昔馴染みがひと振りでもいれば「格好悪いよ」だとか「言い方キツいぜ」だとか注意されかねないものの筈。言うだけ言った後は唇を閉ざすものの、両手に抱える荷物を一瞥した後、大きな溜め息が零れ落ちる。その間たっぷり十秒間。)…………手伝う気があるのなら、ゲートまで先導しろ。それだけでいい。(それはたとえ視界は悪くとも、人間の気配を追うことは容易いと思い至ったが故の提案だった。自ら助けを乞うなど、到底素直には出来ない性分。ましてや相手が女性であれば尚更だろう。ぶっきらぼうな物言いを、果たして彼女が受け入れるか否か。もし先導してもらったならば別れ際「……礼を言う」なんて小さな低音が響くだろうし、却下されたならば「フン、ならあんたに出来ることはないな」と更なる失礼を重ねてスタスタと去っていくに違いない。いずれにせよ、本丸に帰ったとて此度の出来事は決して誰にも語ろうとはしなかった。そして一部始終を密かに思い返しては、失態の事実にただ首の後ろをさするばかりの筈だ。)

06/14 20:32*380

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(立ち上がるのに苦労するなら手を貸そうと差し出しかけて、そもそも両手が塞がっているのだったと思い直してひっこめた。)そう、よかった。相手が刀剣男士だろうと人間だろうと大荷物で手が塞がっている人がいれば、出来る範囲で手伝いたいと思うのは当然でしょ?大体、無茶して怪我したらあなたの主も心配するわよ。いいの?(彼の言葉の可愛げのなさにこれでもかと可愛げない台詞を上乗せするのだから、もし刀剣男士を同伴させていたら「主、もう少し言い方を…」「喧嘩売ってると思われるよ」など呆れ気味の注意が飛んできたに違いないが、今日は残念ながら一人だった。)それだけ?まあいいわ、案内するからついてきて。…ああ、少し先にまた石があるから足元に気を付けて。(それくらいならお安い御用とばかりに快諾して、こちらも柔らかいとは言い難い物言いのまま、けれど障害物があれば細かく伝えて方向を示すなど、先導の役目はきっちり果たすはず。そうして無事にゲートまで辿り着く姿を見届けたならホッと息を吐いて「いいわよ、不躾に見てしまったお詫びと思ってくれたら。お疲れ様」とやっぱり可愛げ成分が大幅に欠けた言葉とささやかな労いを口にして後ろ姿を見送るとしよう――)

06/15 18:40*418