ハプニング!特に何も起きなかった!(設定自由)
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(自らの意志で万屋街に来たのは初めての事。内番を終えた後、手合わせを申し込んでくる横綱刀の誘いを断るべく、審神者に買い物を頼まれたので買い出しに行って来ると本丸を出たのだが、正直なところ他に行く場所がある訳でもなければ足は自然と馴染みを覚えてしまった万屋街へと。また絡まれることのないようにと出来る限り人通りの真ん中を避けて店の並ぶ大通りを歩いていると、ふと目についたのは一軒の飴屋であり、店の前に並べられた台には美しく作られた色とりどりの飴細工が立てられいる様子に興味を惹かれ足は自然と店の前へと。)…これは見事な物だな。(どう見ても飴で出来ているとは思えない金魚や兎やパンダ等、動物を形どったものや花を形どったものなど美しく見事な飴細工に思わず小さく感嘆の声を漏らしながら興味深げに見ていれば、注意力が散漫になってしまい他の客が訪れていた事に気が付かず。)ほう、鬼の形もあるのか。(等と意外そうな声を上げて目についた赤鬼を形どった飴細工の姿をもっと近くで見ようと移動した時だった。何かとぶつかった衝撃を体で感じれば、はっとしたようにぶつかった相手の方へと視線を移し、すぐさま謝罪する言葉を放つ事に。)っ…、すまない。余所見をしてしまっていた。
06/13 22:37*347
えっ、飴細工?(それは本丸にて、三日月宗近が娘に語った一言だった。曰く、万屋街に飴屋があるとのこと。そこの飴細工は様々で、それはそれは見事な物であったという旨。他の男士がへぇそうなんだ、くらいの熱量で聞いていたとしても、率先して瞳をキラキラと輝かせるのは主たる娘に違いなく。)ハイハイ!私、行ってみたいっス!飴細工なんてお祭りくらいでしか見たことないので!(元気よく挙手してみせる様はあまりにも無邪気で、主がそんなに言うのなら今から行こう、と言ったのもやはり三日月だった筈。 ――斯くして、一人とひと振りは万屋街に繰り出した。余計なところへは寄り道をしないように、とは保護者然とした一部の男士たちの言葉だったか。いずれにせよ真っ直ぐ向かうのは、やはり目的地である飴屋。辿り着くと既に店の前には様々な飾り切りが並んでおり、ついつい指差しながらワイワイと店内へと足を進めていっただろう。)うわぁ~~っ、めっちゃキレイっス!ほら、これなんか歌仙さんの服に付いてるあの花にそっくりで――、(指を差すのは桃色の牡丹の花。きっと三日月ならば共感してくれるだろう、と喜び勇んで振り返った――それがまさにが仇となる。次の瞬間にはドン、と背中ごと何かへ向かってぶつかってしまったことは直ぐに娘にも理解できた。慌てて向き直ってみれば目の前は壁――ではなく、そのひと振りの身体。ついあんぐりと口を開けたまま、娘はその姿を見上げるだろう。)うわわっ、此方こそごめんなさいっ!私も余所見してたっス……面目ない……。鬼丸さん、何か落としたりはしてないっスか?私、何かダメにしたりしてないっスかね……!?(眉を八の字に下げながら続いて辺りを見渡せば、繊細な飴細工たちは無事だろうか。ところで連れの三日月はというと、後ろの方でただニコニコと笑っているばかりの様子。)
06/13 23:04*348
(ぶつかった相手は年若い少女であったが、その背後にニコニコと笑顔を保つ三日月の姿が控えていた事から審神者であろう事はすぐに判断するも、慌てている姿を見れば、軽く掌を相手に向けて制し。)いや、落ち着け。大丈夫だ。お互いに不注意だっただけだし、おれは見ていただけだから何も落としたりしていない。あんたの方に何もなければそれでいい。(そう静かに告げてから立ち並ぶ飴細工の方へと視線を移して、)飴細工の方もなにも駄目にしてな……(いようだから問題ない。と続けようとした言葉は開いた口から発せられなくなってしまう。何故なら、パンダと鶴の形をした二本だけぶつかった衝撃からか棒ごと倒れてしまっており、パンダは右腕の先が、鶴は左の羽の一部が欠けている事を確認したから。思わず赤眼を見開いたのと同時に強い視線を感じて顔を上げると、作っているところを客に見せる様にしていてるらしく一部ガラス張りの壁の向こうにある厨房のようなところから三日月の様にニコニコとした笑顔でこちらを見つめる飴細工職人の男性の姿があり。笑顔から「買って頂けるのでしたら何も文句はありませんよ?」という圧倒的な圧を感じると、一度深く溜息をついた後その二本をもって店内へと入り会計を済ませてしまおうか。その後は先程の少女の前に戻ってくると袋から二本を取り出して、)おれ一人では甘くて食い切れん。共同責任として一本受け取ってくれ。(と告げれば、彼女がどちらかを選ぶのを待ち。選んだ後は、もし代金を払うと言われたならば丁重に断って受け取らないままに足早にその場を立ち去るのだろう。その後は一本だけ持ち帰っても短刀達の間で喧嘩になりそうだと、自本丸への帰り道で歩きがてら彼女の選ばなかった方を舐めてみては、)…甘い。(なんて当たり前の感想を口にしている鬼斬り刀がいたりして。)
06/14 01:13*357
(静かに制止を促されたことで漸く口許を片手で覆いながら口を噤む。数度首を縦に振りながらも視線は目の前のひと振り同様に辺りを見渡した。――その先で、二つの飴細工の一部が壊れている様はきっと娘も目撃してしまっただろう。思わず反射的に悲鳴は零れ落ちた。)……げっ!? や、やっちゃった~!!(一際大きな声の後は、彼同様に強い視線を感じて顔を上げた筈。その先にいる職人の圧たるや、まるで戦場での刀剣男士の如く。「はっはっは、こうなってしまっては仕方あるまい」と呑気に笑うのは三日月のみ。)笑いごとじゃないっス!これはもう身銭を切るしか……って、あの、鬼丸さん?お、鬼丸さ~ん!?(仕方なしに懐から財布を取り出している隙に件のひと振りは会計を済ませてしまったようで、娘の口はポカンと空きっぱなし。飴細工を差し出された後は、視線も其方へと自然に移っているだろう。)えっ、いいんスか……? えーっと、じゃあ……パンダで!(ひょいと抜き取ったのはモノクロのツートンカラーが愛らしい右腕の欠けたパンダ。まじまじと見遣っては立場も忘れその細やかさに目を輝かせた。勿論その後代金を支払おうとしたものの、けんもほろろといった具合に受け取っては貰えず、渋々財布は仕舞われてしまう筈。立ち去っていくその背中には、たとえ見ていなくとも大きく手を振って見送るとしよう。)ホントご迷惑おかけしましたー!飴、ご馳走様っス~!(やがてその姿が見えなくなった頃、包装を解いて飴細工を口にする娘が一人。三日月が「俺にもくれないか」と強請ったとしても、「イヤっス!これは私が鬼丸さんに貰ったんで!」と最後まで食べ尽くしていた。)
06/15 20:15*426