ハプニング!何処からともなく五匹の小虎が寄ってきた!自分一人じゃ抱えきれない!
*323*
(主が出掛けるのに伴をして、その帰り道。折角だから少し寄って行こうかと言う主に応じて万屋街へ立ち寄った。ちょっと人と会うからここで待っていてほしいと言われれば「おう」とかるく応じる。じっとしているのは正直苦手―なのだけれども。主の命とあらば従わぬわけにもいかず、少しそわそわとしながら、言われた通りに待っていた―けれど。)うおっ、なんだ!?(突然、左足の後ろの方にふにっと柔らかい感覚があって思わず飛びのいた。思わず刀に手を掛けてしまったけれど、先ほどまで自分が居たその場所を見ればそこには―小さな虎の子がいた。「あれ、お前たち…」白い虎の子には見覚えがある。しかし自本丸の五虎退は今日は遠征で不在のはず、となればこれは別の連れだろうか。取りあえず刀から手を離して、その場にしゃがみ込んで)どっから来た、迷子か?(取り敢えずにじり寄ってくる虎を両手でかき回したり往なしたりしつつ、周囲を見回してみる。虎の主らしき姿は近くには無さそうで―「どうすっかな」と少しだけ眉尻を下げる。取り敢えず立ち上がって近くを探そうかと思った所で―のしっと一匹が背中に飛び乗って来た。)おわっ、ちょ、危ねぇちゃ!(一匹でもそこそこの重量でおまけに二匹目がつられて乗ってこられてはどうしようもない。さらに三匹目もよじ登ってこようとしていて――)
06/13 15:50*324
(「五月雨、ちょっとチビたちの買い物に付き合ってくれねえか?」徳川での旧知である、後藤に声をかけられた午前中。どうやら粟田口の長兄である太刀の、顕現数周年祝いの贈り物や飾り付けの品を選びに行くらしい。恐らく大荷物になるから人手が欲しいと頼まれ、刀は迷いなく頷いた。——訪れた万屋街は、まだ昼前だというのに人が多い。雑踏に飲まれぬようにと、全員で固まって動いていたが。それぞれ贈り物を購入したところで、「あ!」と五虎退が泣きそうな声を上げた。後藤と共に振り向けば、先ほどまでいた筈の小虎たちがいない。これは不味いと顔を見合わせた。)逸れてまだ時間が経っていないなら、遠くには行っていない筈です。手分けして探しましょう。(こういう事態でも狼狽えず、冷静に対処するのが忍びの嗜みである。近くの店の前で落ち合うことに決め、二手に分かれて捜索を始める。後藤と共に人混みを掻き分け、大通りを探し回っていると。幼げな虎の鳴き声と、聞き覚えのある声が僅かに鼓膜を震わせた。こちらですと後藤を手招き、声のする方向に進んでいけば……往来から外れた道端で、戯れる小虎と同じ江の刀の姿を見つけることができた。)またうどな犬、ならぬ刀、でしょうか。……お手数をおかけしました、豊前。(背中をよじ登る小虎をひょいと持ち上げ、別本丸の刀であろう彼を解放してやる。そのすぐ側で後藤が「ったくもー」と地面に転がる子虎たちを回収していた。)
06/13 18:13*327
(刀剣男士と共に顕現した虎であるから、普通の虎の子とは違うのだろう―とは思うものの、見た目の愛らしさや小さい様子を見ればそう乱雑に扱う気にもなれず。虎たちの丁度良い遊具と化しつつあった豊前の耳に届いた涼やかな声。聞き覚えのある声ではあったものの、如何せんぐぐっと重りを置かれているような状態では顔を上げて確認する事も出来ず。程なくして、背中からひょいと重さが消えたのならようやく顔を上げて声の主を確認することが出来た。)雨!いやー…助かったちゃ。さすがに小さくても虎は虎だよな、結構重たかった(すっくと立ち上がってぐぐっとのびをする。爪を立てられたからが、ジャケットにぽつんぽつんと小さな穴が開いているのだが、本人は気づく余地もない。何せ背中の話なので。同じ刀派の刀ともなればいっそう気安いものでぽんぽんと肩を叩きながら)お前んトコの虎か?見つかって良かったな(連れと思わしき粟田口の短刀が抱き上げるのを眺めながらほっとした様に息を吐き出した。「この辺は人も多いし、変にバラバラになってなくて良かった」と鷹揚に笑うだろう。それから少しもしない内に主が用事を済ませて戻ってくる姿が見えると)おっと、主だ。悪ぃ、もう行かねーと。雨、助けてくれてあんがとな!(軽やかにお礼を言いながらも足は既に主の方へ向かって走り出していた――)
06/13 19:51*336
(よじ登られて戯れつかれている様子は、句にして詠んでみたいほど微笑ましく珍しいものであったが。今はまず彼の救出が先決だろうと、一匹ずつ抱えては地面に下ろす。そうして無事に三匹下ろすことができたなら、改めて頭を下げるだろう。)こちらこそ、虎たちの気を引いてくださり感謝します。虎は筋肉質ですし、この大きさでもそれなりの重量でしょうね。(伸びをする彼の背中に、細かな穴が点々と空いていることに気づくが。敢えて何も言わず、心の中に留めておくことにする。小さな穴なので、言わずともそちらの篭手切が綺麗に繕ってくれるだろう。それと少しの悪戯心が働いたのもある。肩を叩かれながら問いかけられれば、おもむろに頷いて)手分けして捜索していましたが、早くに見つかって安心しました。全匹豊前の元に集っているとは思いもしませんでしたが…これも何かの縁、でしょうか。(同じ江となれば、口数も自然に増えてくる。幾らかやり取りをしているうちに「五月雨、こっちも捕まえたぜ。早く待ち合わせ場所に戻らねーと」と小虎二匹を抱えた後藤に声をかけられ。そちらの主も戻ってきた様子を察し、最後に相手の方を向き直る。)こちらこそ、見つけてくださりありがとうございました。では、私たちもこれで。(軽快に去っていく相手の後ろ姿を、「ありがとな!」と笑う後藤と共に小さく手を振って見送る。それから、小虎たちを抱えて待ち合わせ場所へと向かうのだった。)
06/13 22:25*345