ハプニング!特に何も起きなかった!(設定自由)

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(あれを買う、これは買った。リストを思い返して指折り数える夕刻のこと。夕餉の準備を始めた本丸内で足りないものを買い出しに来たのは外の空気を吸うためでもあった。ともに歩いた近侍は「ぼくはあちらでひとつかいものをしてきますね!」とお使いのひとつを頼まれてくれたものだから、残り少ない内容を思い返しては万屋街を歩いて最後の店舗を探し――ふと、内容には関係のないものがひとつ、目に入った。)……、……。(新しく出来たらしい喫茶店の、その看板とメニュー表。夕餉前と分かっているからこそ食事内容にはあえて目を通さずも、何処か懐かしさを感じる緑色へ目を惹かれてしまえばつい足を止めてしまった。踊るクリームソーダの文字が誘惑を始めるから、いやいやとすぐに足を進めようとして、けれど直ぐに止まり戻って確認。今剣が戻るまでには恐らく少しある、入って休んでいたと言ってしまえば許されるだろうけれど――さて、どうしたものか。せめてその理由があれば、或いは背中を押す一言があれば。)参ったな、まさかこの歳でこんなことを迷うとは……。(つい溢れた本音と共に、店の前を彷徨くすこしの時間。流れる空気は穏やかに、足音だけが忙しない。)

06/12 23:56*307

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(夕刻ともなればそれなりにひと気も減ってくる。西陽に照らされた通りも、広々と歩けるくらいになっていた。購入した雑貨用品の入った袋を片手に揺らしながら、急ぐ様子もない足取りは緩慢に。戻る予定の時刻まで多少余裕がある。早めに帰ったところでさしたる用事もない。少し時間を潰していくかと、偶然に通り掛かった店に視線が向く。こんな場所に喫茶店などあっただろうか。見覚えのない名前の隣には、新しく開店したことを主張するのぼりやポスターが確認出来る。なるほど道理で知らないわけだと、興味ありげに外装を見上げる。雰囲気は悪くない。今度主を誘って来てみようか、なんて思案しながら、メニュー表にも目を向ける。価格もそれなりにリーズナブル。ラインナップも喫茶店らしいという印象だ。丁度喉も渇いていたことだ、誘う前の主への話のタネにもなるだろう。と、入店を決めて扉の方へ――向かう途中。)……あのさぁ。誰か待ってんの?それとも順番待ちだったりする?(先程から、どうにも。近くを行ったり来たりしている存在が気になって仕方がない。じ、と見つめる双眸は訝しむふうではなく、単純に疑問に感じたがゆえの問い掛け。不審者、と判ずるにしては、言葉は悪いが些か間が抜けているような気がしたので。)

06/13 11:26*317

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(どうしたものかと悩む時間は体感にしてほんの僅かなものだったが、背後から掛けられる言葉にハッとして我に返る辺りそこそこな時間を彷徨いてしまったらしい。自本丸の彼とは違うもうひとりの彼に邪魔をしたかと一歩空けながら「すまない、なんでも」と掌を見せようとしてふと悪い考えが頭を過ぎる。見たところ近くに主たる人影は見えず、どうやら中へ入ろうとしているひと振り。喫茶店に入ろうとする位だから時間はあるだろう、多少なり。ともすれば今度こそコンマ数秒の思考を経て、怪しまれないようごほんと咳払いを一つ。――それが怪しくない動作かどうかは、さておき。)いや、実のところ私は困っていてね。入店して少し時間を潰そうと思ったんだが、こういった場に一人で赴くのは余り慣れていなくて。(眉尻を下げた表情で誤魔化したなら、空けた一歩を少しだけ詰めた。)もし君が一人でここへ行くなら、良ければ一緒に入ってくれないかな。お礼に代金は私が持とう。(如何にも難破な口振りも、この年齢と性別では生きてきた現代に於ける“勧誘”程度の怪しさにしか思われない、筈だ。「というか、」と告げる口調は僅かな羞恥を伴い、照れたような声が交じる。)……クリームソーダを一人で注文するのが少し恥ずかしくてね。(それは結局吐露した本音。彼の肯定があれば近侍の合流までのひとときを甘い炭酸で以て潤すだろうし、それがなければ――その時はその時で、今日の冒険は止めることにしよう。どうかな、とひと押しの問いかけと共に決断を委ねた。)

06/15 01:30*397

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(なにか迷惑を被ったわけではないので、謝意の言葉には「いや、べつに」と気にしたふうもなく応えた。始めは軽い動揺が見て取れたものの、区切りのように落とされた咳払いによって其れも払拭される。見目でいえば中年くらいだろうか、落ち着きある立ち振る舞いによる説明は、すんなりと事情を把握するには十分。納得の様相で、小洒落た喫茶店を一瞥する。)あー……まぁ、そーね。見たところ女の人が多いっぽいし、浮いちゃうかー。(外見年齢や容貌的な面も合わせ、この打刀はとくべつ気にしないのだが。そういう人もいるだろうな、という理解は持ち合わせている。とは言え、粗野な輩というわけでもなし、そこまで気にする必要もないと思うが――なんて考えていた折に、一歩距離が近付けば、視線は自ずと相手へと向く。流暢な誘い口は手馴れているような自然さで、いっそ感心するほどに。)なーるほど?ふたり一緒なら怖くない、的な。(片眉を上げての笑い方は、些か面白がるような其れだったろう。けれども、次いで吐露された言葉を聞いたのなら、僅かな間を置いて、破顔。)あっは。いーじゃん、クリームソーダ。あの身体に悪そうな色、結構好きだよ。(増々合点がいったというように、にんまりと唇に深い弧を描かせて。悪戯めいた響きであれ、言っていることは本心だ。どうかな、と問われたのなら「いいよ」とあくまで軽い調子で。)じゃ、いきますかー。すいませーん、ふたりで。(言うが早いか、扉を開ける手に衒いはなく、そのままあっさり入店してしまおう。元々自分も入る予定だったのだから、べつに奢られる理由もない気がするが。折角なのでお言葉に甘えようというスタンスにて。――数分後には、クリームソーダふたつ、テーブルに置いて談笑する男ふたりの姿があったとか。)

06/15 13:23*407