ハプニング!目の前を歩く人が何かを落とした。お財布のようだ、教えてあげなくちゃ!

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(昼餉も取り終え、久しぶりの非番に今日こそはのんびりと惰眠を貪ろうとしていたところ、厨番の燭台切から「あ、鬼丸さん。申し訳ないんだけれど夕餉に使う食材が思ったより足りなくて、買い出しに行ってきてくれないかな?」と申し訳なさげに言われてしまえば、夕餉は自分も食べる物であるのだから仕方ないと万屋街へと足を運ぶことに。)…豆腐と鶏肉は買ったな。あとは大根とじゃが芋か。(手渡されたメモを確認して懐にしまったところで八百屋はどこだったかと辺りを見回せば、自分より先を歩く人物の懐か、袖かまでは確認出来ないが何かが地面に落ちたのを確認して、)おい。そこのお前、何か落としたぞ。(と声を掛けたものの気づかれなかったようで仕方なしに空いている方の手で落とされた物を拾い上げ確認し、それが財布であると認識すれば、未だ気づかず歩き続ける人物に足早に近づいて距離を縮め。)おい、そこの奴。少し待て!(今度はしっかりと届くようにといつもより大きめの声で告げた言葉は思いの外威圧的になってしまい、同じ刀剣男士であればそうでもないだろうが、人であるならば少なからず驚させる事になってしまったかもしれず。ともあれ、相手が振り返ったのなら、)これ、落としたぞ。(と、変わらぬ表情と淡々とした口調で端的に告げて財布を差し出すだろう。また、それでも気づかない場合はさらに声を上げて呼び止める事になるのだが。)

06/11 12:41*184

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(突然の雨でも対応できるよう折り畳み傘を携えて赴いた万屋街。補充する生活用品と頼まれていた酒を注文された量よりやや少なめに購入し、あとは雑貨など小物を扱う店を覗いて帰ろうと歩いていた――本丸の刀剣男士たちとの事について考えながら歩いていたから、当然のように注意は疎かになって、鞄に浅く突っ込んでいた長財布が隙間からぽろりと落ちてしまったのにも気づけなかった。)それにしても、次郎は最近ちょっと飲みすぎよね…本丸のお金も無尽蔵じゃないし、注意しておかなくちゃ。(そんな独り言すら呟いていたから、財布の紛失を知らせてくれる親切の声にも気づけず――大きな声で呼び止められてやっと気づく始末。しかし身に覚えのない女はびくりと大きく肩を跳ねさせて、)えっ…!…な、何よ…私、何もしてな、(待てと言われると逃げたくなるのは人間に備わった性なのか否か。けれど、続けて自身の物で間違いない赤レザーの財布が出さたなら忽ち状況を理解する。)あ、…うそ、落としてたの、私……。ごめんなさい、わざわざ届けてくれて、ありがとう。(先ほどまでの警戒心丸出しの態度は霧散し、すっかり勢いを失った顔でゆっくりとそれを受け取る。)助かったわ。お詫びとお礼をさせてくれる?(と問いかけつつ、もし断られたら紙幣の一枚でも押しつけるつもりだった。)

06/11 14:34*187

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(差し出したのは確かに赤いレザーの長財布。だがふり返る時に飛び上がった彼女の姿には、表情こそ変えないものの少し申し訳なさげに、)…別に何かしたとは言っていない。これを渡したかっただけだが、驚かせたならすまなかった。(と用件のみを伝える事だろう。続いた彼女の礼の言葉には「いいや」と軽く首を横に振り、お詫びもお礼も拾っただけであるのだから必要はないと答えようとしたところで、ある事に気が付いて赤眼を彼女へとしっかりと向けた。)礼は必要ない…と言いたいところだが、ならばこの辺りで一番安い八百屋を知っているか?知っていたら案内を頼みたい。――ここへは余り一人で買いに来ることがなくて詳しくないのでな。(礼はそれでいいと言う様にと問う言葉を放つだろう。本来ならば野菜類は本丸の畑で収穫されたものを使うのだが、畑に詳しい桑名が言うには土の病気というもので思った以上に収穫が出来ず厨で使う分が足りなくなってしまっていたのである。と、もし理由を聞かれたならばその旨までは説明する事だろう。彼女が引き受けてくれたならば、礼と共に八百屋まで案内され目的の物をしっかりと買い終える事が出来れば荷物を両手に、もう一度礼を告げて自本丸へと戻っていく事になるだろうが、断られたならやはり礼は辞退して一人八百屋を探して歩く事になる筈。後は彼女の返答次第か――。)

06/11 18:04*207

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(財布を受け取り、改めて自分の態度を思い返すと親切にしてくれた人に対してあまりに無礼だったと後悔の念がこみ上げ、そわそわとした気持ちが表情や仕草にも表れる。)そ、そうよね…私ったら、勝手に勘違いして、早とちりして…あんな、感じ悪い態度を取ってしまって、こちらこそ悪かったわ。だから、貴方が謝るような事は何一つないわ。(自身の負けん気の強さを恥じ入るように仄かに頬を染めて、むすりとした表情がまだ若干残った顔でそっと頭を下げる。自分の失態なのに、それを他の本丸の刀剣男士に助けられたばかりか、刺々しい態度を取るなど言語道断だと自己嫌悪の嵐。)一番安い八百屋?…ああ、それだったら、私がいつも行っている八百屋さんが一つ先の角を曲がったところにあるから、ぜひ。店長さんが気の良い人で、おまけしてくれたり、旬の野菜をお勧めしてくれたり、美味しさを長持ちさせる秘訣とかも知っているから…とても頼りになると思うわ。(と、運よく答えやすいものを選んでもらえた事もあり、先ほどまでの警戒心はすっかり薄れて饒舌に話し出す。そうして八百屋までの道案内を終えた後、もう二度と落とさないよう財布を鞄の奥底にしっかり仕舞い込み、ちょっとだけ寄り道してから本丸へ戻ろう。いつか、自分も同じように誰かに親切を返したいものだと思いながら。)

06/11 20:10*212