ハプニング!あれ?あのお店はどこにあったっけ…誰かに道を聞いてみよう。

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――あ、あれ?(ある日の万屋街、大通りにて。不自然に辺りを忙しなく見渡す娘が其処にはいた。「買い物、分担した方が早く終わるよ。主はあっちね」というのは此度の護衛として連れ立った蛍丸の台詞。最早主よりも刀剣男士たちの方がしっかりしている始末だが、元気に「わかったっス!」と返事をし別れた――それも少し前のこと。終わったら別れた店の前に集合する手筈だが、既に娘の記憶は朧気である。あっちだったような、こっちだったような。そんな躊躇いはうろうろと動き回る歩みにも表れているだろう。)確かこっちから来たような……え~っと、どうだったっけ……!?(段々とその顔色は焦りを帯びて、彷徨う視線もより忙しなくなっていく。やがて思考回路はもう限界、とばかりに、不意に近くを通りかかった人影へ向かって手を伸ばした。果たして掴んだのは腕か、服の裾か。)ちょっとすいません! あの、黄色い看板のある薬屋って何処にあるか知らないっスか?多分今頃、店の前に蛍丸さんが待ってると思うんスけど……その~、迷っちゃって……。(たははと零す笑みは呑気でもあるが、もう笑わないとやってられないというやっつけの意も含み。相手の目の前で気まずそうに頬を掻きながら、どうか教えを乞うことがでないものかと顔色を窺うことしか出来そうにない。)

06/10 16:15*142

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(相棒との非番日が重なったのは偶然だったし、久方振りでもあった。何をしようかと相談していたところに『万屋街に出来た新しい甘味処が和泉守好みだろう』と旧知の刀剣らに勧められ取り敢えず向かってみることにする──活気に溢れる店通りを眺め、他愛の無い会話を交わしていた時の事だ。意識が会話に向いていたが為に─…くい、と引かれた裾の感覚にぱちり、とやや大きめに双眸を開き、其の先の人物を見遣っては語られる事情にひとつ、ふたつ頷き乍、苦く笑おう。)知ってますよ、ここから反対方向じゃないかな…。あそこの薬屋さん、元々場所が覚え難いんですよね……迷うのも分かります。お疲れ様でした、審神者さん。(傍らにて静観していた一振りは、漸く口を開いたかと思えば「国広、後で合流な」とだけ言い残し、返答を待たずして人波に消えて行くのだろう。)はーい!兼さん分かったよ──…さて、じゃあ行きましょうか審神者さん。僕で良ければ、お力になりますよ!(にこにこと愛想の良い笑みを携えては、目的地まで送る算段だ。「あ、…もしかして余計なお節介ですかね?」なんて多少なりともしおらしく相手を窺う様は、それなりに態とらしい。少しばかり押しが強めなお節介に対し否であればアッサリ道だけ口頭で告げ、その場で解散。否の返答で無ければ嬉々として案内役を買う姿が見られる筈で。道中、世間話を挟みつつ彼女の近侍が待つ店先迄無事に送り届ける手筈となることだろう。)

06/10 19:40*146

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(呼び止めた先で柔らかなアルトが響いた。その声の持ち主は自身の本丸内でも率先してあれやこれやと動いてくれるひと振りであったためか、娘は自然に安堵の表情を浮かべた筈。反対方向、の言葉には「え゛っ」と短い悲鳴と共に今来た道を見遣るものの、労わるような言葉には苦笑いと共に頭を下げだすだろう。)そうなんスよ!いやぁ、親切な堀川さんに教えてもらえて、めちゃくちゃ助かったっス……ありがとうございます!(ペコペコと擬音でも付随しそうな勢いの礼の矢先、隣のひと振りが去っていく姿には、慌てた様子で「堀川さん、兼さん行っちゃいますけど!?」とその背中を指差す。が、それらの忙しなさも彼からの提案が齎されたならピタリと止まった。大きく目を瞠り、口はポカンと空いたまま。)えっ、……ウソ、いいんスか!?私は願ったり叶ったりなんスけど……って、いやいやいや、お節介だなんて!(正直今更辿り着けるか不安であった身の上、つい厚意に甘える心と申し訳なさが葛藤するものの、続く言葉には勢いよく首を横に振っただろう。そうしてやっと「じゃあ、お願いします!」と満面の笑顔は向けられた。道中「今日は兼さんとお出掛けなんスね!」「山伏さんやまんばさんとも仲良しっスか?」などなど、些細なやり取りは少々の喧しさで。――やがて目的地の薬屋の前、大きな俵をひとつ軽々と肩に掛けた蛍丸が「あっ、主はっけーん。おそーい!」と文句を垂れたなら、きっと目的は達成されたに違いない。)堀川さん、改めてありがとうございました!ホントめっちゃ助かったっス~……あ、そうだ。これどうぞ!兼さんと食べてほしいっス!(買い物袋から探り、差し出したのはまんまるの大福が二つ入った紙包み。さて、ささやかな礼として受け取ってもらえるだろうか。その後はきっと彼の姿が見えなくなるまで手を振って、此度の感謝を全力で伝える娘の姿があった筈。)

06/11 08:32*174

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(少女が己の置かれた状況下を把握する度、心情を綴るかの如くころころ変わる顏と仕草に何だか微笑ましく感じてしまったのは、お節介焼きな部分を擽られたからであろうか。気分は近所のお兄さんくらいな気持ちで、聞いていたのだが然し。気が付けば頭を下げ出すのだから、其れは早目に制止を掛けた。)‥!あはは、そんな風に言ってもらえるなんて光栄ですね。でも、本当に大したことはしてませんから。(少女が慌てるのもごもっともだろう現状にも、にこにこと微笑んで問題ない旨を伝えるだけ。恐らく自身も居れば、少女が遠慮するかと思った上での相棒刀の行動だ。流石は兼さん。)いいんですよ。このまま、審神者さんを放って置くのも気に掛かりますし。是非、僕の杞憂を晴らす為だと思って送らせてもらえれば、ね?(感情豊かな少女だからこそ、何と無く言葉の端や声色から其の葛藤が此方にも感じ取れる。少し、無理を通してしまったか。と、今更己の言動を省みたタイミングで向けられる笑顔には一つ胸を撫で下ろした。「久しぶりに非番日が被ったので。審神者さんはお買い物ですか?」「兄弟達とも楽しく過ごしてますよ。三人で万屋街に来る時もありますねえ」なんて薬屋までの道程を賑やかにしてもらい、明るく穏やかな珍道中と相成った筈だろう──目的地、薬屋前。無事に少女の護衛刀を引き合わせる事が出来た堀川の任務は此処で達成となる。)どういたしまして!中々、他の審神者さんとお話する機会もないので僕も楽しい時間をありがとうございました。…?…あ。すみません…折角なので兼さんと頂きます。ご馳走様です!(御礼をされる程の行動はとっていなかったが、彼女の感謝を無下には出来ない。差し出された其れを確かに受け取っては嬉しげに目尻を下げ、今度こそ相棒の待つ甘味処へ向かうのか。少女と護衛刀に、一つ頭を下げては少々足早に再び雑踏の中へ)

06/11 17:25*203