ハプニング!特に何も起きなかった!(設定自由)
*125*
(賑わいを見せる万屋街を行く足取りは軽く、機嫌の良さを示すかのように耳飾りがゆらゆらと揺れる。陽の光を受けて輝く髪色は、心の内と同じように明るいものであった。抱えていた仕事を終えた後の開放感に浸るように二つの眼を細め、ゆるりと持ち上げられる口元は今にも軽々しく喋り出しそうな程。万屋街を訪れた理由は大まかに分けて二つ。一つ目は書類に向かい続けた身体を動かす為。二つ目は近頃良く厨へと立つ刀剣男士の為。)折角色々学びたいって言うんだから環境は整えてあげないとね。(均一に広がる墨色が目立つ指先を手持無沙汰に持ち上げては、薄桃色へと軽く触れる。ふわりとした髪先を鏡が無いままに整えたのなら、はっきりとした行く宛も無いまま万屋街をうろつくとしよう。)…おや。(ふと目に留まった相手を認識しては瞼を数度上下させて。急ぎではない用事だからか、はたまた元々持ち合わせた気質か。先程髪を整えた指を揃えて口元へと添えれば、ひとの影へ届くように凛とした声を発してみよう。)ねぇ、そこの!君!(足を止めることが叶わずとも、注意を引くぐらいはできて欲しい。呼び止めたい相手との距離を縮める為、足が少しだけ早くなる。)ちょっと聞きたいんだけど、この辺りで質の良さそうな調理器具揃えてるお店って知らない?噂程度でもいいんだけど。
06/10 01:33*127
(とあるコロッケの販売店で一つ購入し、近場で齧り付くのは趣味の一つといっても差し支えなかろう。常連客めいた肥前忠広であるので、先日今度新商品を出すんだよ、だなんて気楽な言葉を耳にすれば特に訪れる理由となるものだ。包み紙を適当に破ってサクサクアツアツのコロッケを口にする。残念ながらついと零してしまったそのコロッケのお気に入り具合は興味を引かれたらしき厨に立つ隻眼まで連れ込んでしまったのだからいつものように無言で食べるというわけにはいかなかったが。――ところで、人の声がした。むぐりと口の中に入れていたひとかけらを飲み込んでそちらへと視線を流しやる。どうやらこちらに用件があったらしいが、このおれに?と沸き立つ疑問は確かなもの。)質のよさそうな…?(安いや面白いではなく、質と来た。めしに関しては食べる専門であるために首を傾げたまま制止した肥前に変わって、燭台切があれやこれやと彼女に教授しているようで。すっかりこちらは黙り込むほかなかった。「肥前くんは他のお店知ってる?」だなんて話を向けられても。)おれはくう専門だから、分かるわけねぇだろ。……で、あんたは今ので満足か?(いかにも当然のように鼻を鳴らしたのち、そうでなければ端末で他の厨組に意見を求めるくらいはすべきかもしれない。)
06/10 02:56*130
(風に乗ったのかはたまた大きな主張だったのか、案外綺麗に届いたらしい。それも反応有りとなれば喜びに口元も緩むと言うもの。見慣れた姿でありながら違う存在である彼らの視線を堂々と受けながら、未だ耳にしていない答えを求めて瞳をきらりと輝かせて。)そうそう、使い易いとか傷みにくいとか…切れ易いとかそう言うの?料理にはまっちゃった子がいてね、折角だから環境を揃えてあげたいなと思って。(脳裡に贈り物をしたい相手の存在を浮かべながら、一歩二歩と少しずつ距離を縮めて行く。眼帯目立つ彼の方はどうやら情報通らしい、落とされる言の葉たちが脳を通り抜けていかないように意識して。相槌を打ちながら時折質問を挟む姿はまるで勉学に励む学生のようでもあったろう。隣で黙している彼には後で謝る心算でいたのだが。)食べる人がいてこその作り手だもの、肥前くんみたいな存在って大事よね。(作り手と食い手を一つの視界に収めながらからりと笑って、「ん、満足!助かったよ、二人ともありがとう。」と頭上に広がる青空に相応しい明るさで以て話に幕を引こう。軽く手を振ってからあっさりと踵を返し、教えてもらった店へと向かう足取りは何処までも軽く。まるで吹き抜ける風のようだった。)
06/11 01:18*158
(愛想のいい太刀とは相反して無愛想な脇差である。当の本刃の認識としても口を滑らせたらついて来た、というくらいの距離感ではあるが、他人から声をかけられるという場面を想えばこうしてついてこられるのも存外に正解といえるものだったのかもしれない、だなんて適当な場所へと思考を飛ばしていた。何分太刀が伝えている店のこともよくわからなければ、料理をするためにどんな道具が必要なのかもわかっていない。無理解を盾に疑問をぶつけたり知ったかぶったりするよりは沈黙を守るほうがよほど利口で、こちらと距離を縮めんとする彼女に反して半歩、太刀との間の道を譲るように体をずらす程度。)…そういうもんか?(この場に限ってはさほど役に立っていない自負もあるのだが、と疑問を載せて作り手と、作り手を応援する側という三者三様の立場である彼女と彼を視界に収めて首をかしげる。ともあれ端末の出番は必要なかったらしいと悟れば面倒ごとも回避できたようでまたコロッケをかじる。彼女の背を視線で追いかけて、うきうきとしている調子の隻眼に若干の半目を送った。人付き合いは得意ではないが、さっぱりとした涼風めいた出会いはさほどに忌避感をくすぐられないらしい、とは滅多な機会では知れぬこと。)
06/11 02:50*169